からん。
戸の端の方につけられた鈴が儚くなった。
太宰…
久しぶり織田作
窶れた顔をした織田作之助は太宰の顔をじっと見つめた後にグラスを傾けた
最近は忙しかったのか?
うん、まぁね、だからその
太宰はぽっと頬を赤らめた。
其れを隠すように織田作に背を向けてウイスキィを一杯マスターに頼む。
暫くすると太宰は両手で顔を隠し指から目を覗かすようにして織田作にこういった
「そのっ、ちょっと淋しかった」
織田作は数秒目を丸くした。あの太宰が自分からそういうことを云うのは珍しかった。北半球で8月に雪が降るほど珍しい。
すると織田作は手元のウイスキィをぐいっと流し込んだ
そして太宰を引き寄せ
口吻
太宰の口内に温かい液体が流れ込む。お酒の苦味と煙草の苦味と安心感。
ほんっとした太宰は流れる儘に織田作に身を任せた。
おつかれ、太宰
口を離された太宰の顔はほんのりと赤かった
コメント
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北半球で8月に雪が降るほどめずらしいって例え方が独特だなぁ
尊タヒしてくる、…グハッ^q^