テラーノベル
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- ̗̀⚠︎ ̖́-
inm愛され
長くなりそうなので前後編になります
特にmrkm、kyngさんに好かれてます
エセ関西弁、不穏?注意
東のヒーローも西のヒーローも出てきます
本部が大分理不尽です
東のヒーローが解像度低いです。
不穏系大好きなので不穏系多くてすみません…
inm視点
ある日を境に本部から理不尽な要求をされることが増えた。
ある日、と言ってもまだ半年前とかだけど。
その新入社員さんが仕事が出来る人達だったみたいで俺より年下なのに上層部の司令官のうちの一人になった日から嫌がらせをされてる。
最初はちっぽけなもので、俺の工具が隠されてたり捨てられてたり、すれ違う時にぶつかられたりとかそんなものだった。
でも、ある時から立場を利用した嫌がらせに代わり出して
救援要請や応援要請を俺から行うと全て却下されるようになった。
例え、俺が死ぬかもしれないような量のKOZAKA-Cが目の前に居ても……。
それは今も例外ではなくて。
何回応援要請を出しても全て却下される。
敵の数を伝える前の通信を切られる。
ヤバすぎ、そんなに俺が邪魔なのかなんて思って怒りのパワーで戦ってたけど俺の武器は170cmの人よりも大きいハンマーで、
そんなのずっと振り回してたら体力も尽きて動きも鈍ってくる。
それを見逃さなかった敵に吹っ飛ばされた。
これはやばい。本当に。
死ぬかも。
そういえば、上層部を通じなくてもDyticaとOriensのみんなならインカムで連絡を取れるようにしてある。
急いで通信をDyticaとOriensに連絡できる通信に変える。
ノイズの音がしばらく続く。
誰でもいい。
早く気づいてくれ、もう立つのも限界でギリギリ意識を保っているぐらいの状態なんだ。
誰か。お願い。そう思った時。
やっと繋がった。
『…Dytica所属星導です
どうかしましたか?』
『こちらDytica所属伊波ライ。
A地点にてKOZAKA-Cと接敵。
数はざっと20以上。
応援要請をDytica、Oriensに行いたい。』
『Oriens所属赤城。
了解、今からみんなで行くね!』
『Dytica所属小柳。
今Dytica、Oriensの全員で向かってる。
耐えられるか?』
『あと30分くらいならどうにか。』
『了解、急いで向かう。』
なんて連絡をしながら戦っていたせいで息は切れてるし立っているのも限界なのにこんなでかい武器を振り回し続けられるわけが無い。
でも、やらなきゃ行けない。
頭から垂れてくる液体で前が見づらくなった為乱暴に手で拭う。
ゴーグルを付け目に入らないようにする。
1度だけ深呼吸をして敵と向き合う。
絶対にあいつらが来るまで耐えなきゃ行けない。
そう思い敵に向かって走り出す。
だいぶギリギリの戦闘をしてたと思う。
ずっと間一髪の所で避けてはハンマーで叩くを繰り返していくうちに相手もハンマーの軌道や俺の攻撃パターンを理解しだしたようで避け出した。
さすがにもう頭も回らないし力の入れ方が分からない。
下手したら倒れてしまう。
でも、今ここで俺が倒れる訳には行かない。
せめてみんなが来てから……。
なんて思いながらハンマーをにぎりしめる。
今だけ、耐えてくれ。
そう思いヒーロースーツに付いた機能全てを起動させようとする。
ただヒーロースーツは使っているヒーローの怪我の状態がわかるように作られているためすごい大きさの警告音がなる。
ゴーグルの画面に警告表示が出る。
『これ以上この機能を使用し戦闘を行うと身体が耐えられず、最悪の場合殉職してしまいます。
それでも使いますか?』
はいを選ぼうとした瞬間、もう立ってられなくなり前に崩れ落ちる。
ヒーロースーツは警告文が出てからすぐ押さないと死なせない為に自動的にヒーロースーツが切れるようになってる。
そのため瓦礫の上に崩れ落ちそうになった俺ははいもいいえも押せなかったため自動的にヒーロースーツが解除された。
やばい、今瓦礫の山の上に居たらきっと見つけて貰えない……。
せめて、せめて意識だけは絶対に保たなくては。
なんて頭では理解してるのに瞼がどんどん重くなっていく。
『こちら小柳。
A地点到着、KOZAKA-Cを13体ほど確認。
これから戦闘にはいる。
イッテツとリトはライの捜索を行ってくれ。』
なんてインカムから聞こえる。
でももう、声を出そうとしても声なんてでてくれなくて。
リト、イッテツ、気づいて。
なんて思いながら閉じていってしまう瞼に逆らわずそのまま目を瞑る。
弱くてごめん。
きっと次はもっと、もっと頑張るから。
今だけは少し休ませて……
sik視点
リトくんと一緒にライくんの捜索を行っているけど見つけられない。
「ライくん……何処にいるの。」
「テツ、そこの瓦礫の近くにあるのライのハンマーじゃね?」
「え、あ!!ほんとだ!!
よく見つけたね!」
「多分ライもその近くにいるだろ、急ぐぞ」
「うん、」
周りを警戒しながらハンマー目掛けて走り出す。
「リトくん、ライくん居た!!
瓦礫の上にいる!」
「でかしたテツ!」
「ライくん、意識ないかも……。」
「は、」
「今から本部に救援要請を……」
「ダメだ、間に合わない。」
「じゃあどうすれば……。
!カゲツくんなら!!!」
『こちらイッテツ、
ライくん発見、出血多量。
今から救援要請をしても間に合わないかもしれないんだけど、
カゲツくんならどうにかなったりしない?!』
『任せろ、今向かってる。
付いたらすぐ巻物広げるからできる限り揺らさないようにしながら平らなところにライ置いといて。』
『ありがとう。』
「はぁ、良かったぁ……。」
「応急手当は?」
「終わらせたよ。」
「じゃあカゲツが来るまでに平らなところに運んどくか。」
「それはリトくんに任せるね。」
「あぁ、任せとけ。」
そう言ってリトくんがライくんのこと運び出してから数秒後にカゲツくんが来て、すぐ巻物を広げて転送の術みたいな、瞬間移動してライくんをヒーロー専用の病院に連れていってくれた。
ライくんなら、きっと平気だよね……?
『Dytica所属小柳。
KOZAKA-Cの殲滅完了。
とりあえずライのとこ行くぞ。』
『はいよ〜、あ、ちょっと持ってよロウきゅん!1人で行かないで!』
『ロウきゅんって呼ぶな、それとみんなで行ってたら時間がかかる、各々で向かう方が早いだろ。』
『そうですね、じゃあ俺も向かうとしますか…。あ、小柳くん俺のトランク持ってください。』
『持つわけないだろ、自分で持ってけ。』
なんてロウくんとるべくんが喧嘩してるのを聞いてやっと安心できた。
自分の手に視線を落とすと酷く震えていて。
それもそうだ。
俺はライくんに救われた。
いつも明るくて、こんな俺にも優しくしてくれる本当にみんなのスーパーヒーローで、おれの憧れの人。
そんな人が頭から血を流しながら倒れていて、よく見ると他にも色んなところを怪我していて、
もしかしたら死んじゃうかもってずっと焦ってた。
「テツ〜!リト〜!お前ら全然来んから迎えに来たで。
ほら、行くで。」
「うん、」
「何〜?テツ、いつもより元気ないじゃん。
ライが死ぬわけないでしょ!
そんな暗い顔してたらライだって嫌がると思うよ〜
ほら、笑顔笑顔!」
なんてウェンくんが笑いかけてくれた。
「そうだよね、!!
ライくんが、死ぬわけないよね!」
「そやで、俺の相方やもん。
そんな簡単にくたばったりせんよ。」
「ほら、テツ早く来ないと置いてくぞ。」
「、うん!」
他愛もない話をしながら病院へ向かう。
きっとみんな怖いはずなのに、俺の事を気にしてくれてる。
やっぱりみんな優しい。
俺にはもったいないくらい素敵な仲間を貰ったな。
なんて思う。
kyng視点
Oriens達より一足先に病院に着く。
何やらカゲツと本部のやつに怒鳴っていて。
「カゲツ、どうした。
一旦落ち着け。」
「狼!こいつになんか言ってやってや!
ライ、俺らに応援要請するより前に何回も本部に連絡しとったんに全部こいつが却下しとってたらしいんよ!
なのにそんなつもり無かったとかしか喋らんねん!
そんなつもり無かったじゃないんよ!
お前がやった事は一人の人間を殺そうとしたのと同義やで!!
こんな本部の役員がおるところに僕は居たくない。」
「ライがここまで傷ついたのはこいつのせい……、?」
「そうや!なんも話聞かんと通信切って最後の方は名前聞いた瞬間に通信切っとったらしくって、こいつのせい…こいつのせいでライは!」
「そう言いたくなる気持ちも分かる、
だけどカゲツ、今はライの方が大事だ。
ライの容態は」
「……出血多量に加えて肋骨?が折れてて、
足はだいぶ深く切られた傷が何ヶ所もあったらしくて、あと頭が若干切れとったみたいで何針か縫ったって……。
他にも頬に切り傷とか、腕に打撲後とか、あったらしくて。
でも、僕記憶力良くないから……。
きっと今言ったのも全部やないと思う。
今は、人工、呼吸器?みたいなの付けられて、眠っとる。」
「分かった。カゲツ、ライのとこ居てやれ。
こいつは俺が何とかする。
すぐ戻るから待ってろ。」
そう声をかけて本部のやつを連れて病室から出ると星導がいて。
「小柳くん?その人は……。」
「ライがここまで怪我した原因。
今から本部役員のとこ行って話つけてくる。」
「それなら俺が言ってきますよ。
この人、ライのことずっと嫌がらせしてたみたいで少しなんですけど証拠を持ってるのでそれも合わせて出してきます。
…、今回間に合わなかったのは俺が警戒を怠ったせいでもあるんです。
俺に行かせてください。」
「……、分かった。
じゃあ行ってこい。
ライの容態はお前のデバイスに詳細を送っといた。後で確認しとけ。」
「はいはい、行ってきますね〜。」
なんて言って窓から出てった。
あいつヤバすぎ。
しかも触手壁に貼り付けてんじゃねぇよ。
見た目キモすぎるし、壁に粘液着いてるし。
とか言いたいこと色々あったけどまずはカゲツとライの所に行くか。
と思って顔を出す。
「カゲツ。」
「狼…、あいつは?」
「星導が証拠持ってるから本部に連れてくってさ。」
「……そっか、。
小柳、さっき、止めてくれてありがと。
多分小柳が止めてくれんかったら僕そのままここであいつのこと殺めてた。」
「…、殺してやりたい気持ちはわかるけど今じゃない。
暫くは様子見だな。」
「そやな。
そういえば佐伯達は?」
「知らね、そろそろ来るだろ。」
「ロウ!!」
「噂をしたらってやつだな。
ほら、来たぞ。カゲツから大体でいいから説明してやれ。」
「イッテツ、ウェン、マナ、リト……。」
「ライの容態は、?」
なんて会話をしてるのを横目に病室から出る。
ライが寝ているベットと小さな棚に小さなテレビしかないのにそれには似合わないほど部屋が広い。
他の個室が空いていないか話を聞きに行くか……。なんて思って受付へ向かうとヒーロースーツになっている星導が受付の方と話していて。
星導が圧をかけているように見えたため少しだけ早足で向かう。
「おい、星導。」
「あぁ、小柳くん。
聞いてください。この人に個室を変えてくれって言ったら俺の事知らないって、ヒーローとして名前が載ってない。なんて言うんです。
酷くないですか?」
「それは、ここのヒーロー用の病院が東よりだからだろ……。」
「騒いですまん、こいつ一応これでもヒーローなんだ。ほら、俺もこいつもあいつと同じくヒーローなんだけど個室、変えてくれないか。」
なんて言いながら協会のヒーローであることを証明する書類を見せると慌てて別の個室に移してくれた。
「おい、星導。
お前本部向かったのに何でこんなとこ居るんだよ。」
「オトモに頼んで俺の姿になってもらってるんです。
喋ってるのは紛れもなく俺なんですけど、歩いたりしてるのは全部オトモの意思ですね。」
なんてなんでもない風に言われた。
もうなんでもいいわ。
今日は色んなことがあって疲れた。
眠りにつきたいがどこで眠りにつこうかと考えをめぐらせる。
あぁ、ライの横もいいかもしれない。
でもそこで寝るには椅子で寝なくては行けなくて。
それは嫌だけどライが生きていることを確認できる状態で眠りにつきたい。
人間は脆くて、すぐ壊れてしまうから。
諦めて椅子で眠るか、なんて思って宿泊許可を全員分取り病室に戻るとみんなが泣きはらした顔でライに寄り添うように眠りについていた。
「…こいつらの分も宿泊許可取って正解だったわ……。」
なんて言いながら鍵を閉めて、ライの近くに椅子を持っていき座る。
ライには明日目が覚めた時には今日のことなど無かったかのように笑っていて欲しい。なんて淡い願いを持ちながら目をつぶる。
ライが今日のことなど覚えてなければいいが。
応援要請をだしても却下され続け、それでも市民を守る為に敵が減っているのか増えているのかも分からない状態でたった一人で立ち向かい続けたライの恐怖は、どれ程の物だったのだろう。
俺と星導の身体の耐性とライとカゲツの身体の耐性は違う。
俺ならあぁ、やらかしたなで終わってしまうけど、ライはどう思ったのだろうか一瞬頭によぎったが今は気にしないで置こう。
そういえば現場に着いた時にでかい音が鳴ってたななんて、呑気に欠伸をしながら思いだす。
あの場に着いた時はただ敵が地面を踏みしめてる音かと思ってあまり気にしていなかったが
もしかしてあれはデバイスの警告音だったんじゃないか?
もしかしたら、あいつは聡いから自分の命がもう持たないかもしれないことを理解して市民を守る為だけに自分が命を落としてでもって考えてなにかの機能を作動しようとした結果があの警告音だったのかもしれない。
でも見つけた時にヒーロースーツを纏っていたらヒーロースーツを段階的に解除するところから手術が始まる。
それならこんなに早く手術など終わって居ない。
じゃあ機能を起動し切る前にあいつは倒れたのか…。
もしあいつが機能を起動していたら、?
その時は本当に命がなかったかもしれない。
そこまで考えて本部の奴らは何をしてるんだと、本部に言いたくなるほどだ。
嫌いな奴だからなんだ、気にくわない奴だからなんだ、あいつらは、あいつは人の命を使っていることを理解しているのか。
やっぱりあいつは生かしては置けない。
このままあいつに生を与え続けようものならまたライに危害を加えるであろう。
それなら、ライに危害が行く前に、
殺してしまえばいい。
そこまで考えてふと思い出す。
いつの日だかにライに殺しは良くないと、ロウの綺麗な手が血で汚れてしまっているところはあまり見たくないと言われたことがある気がする。
ライがそういうなら、と辞めていたが今は止める者が居ない。
なら殺してしまえばいい。
要らないものは捨てる。
それと同じ。
ゴミは全て壊して捨ててしまえばいい。
ライを傷つける奴は許さない。
そう思い窓枠に手をかける。
部屋にいつの間にか来ていたらしい星導に肩を捕まれ先程座っていた椅子にまた座らせられる。
「小柳くん、どうしたんです?
そんなに焦って」
「あいつを生かしておく必要は無い。
今すぐにでも殺したくなった。」
「珍しいですね、そんなに感情的になるの。
でも、ダメですよ。
ライが悲しみます。」
「バレないようにやればいい。」
「ライは聡いですから、すぐバレますよ。」
「はぁ、わーったよ。
殺さねぇよ。」
「それがいいと思います。」
なんて星導と話した夜はいつもより月が輝いて見えて、何故か眩しく思えた。
ライが怪我をしてから数日、目を覚ましてはいなかった。
その為みんなが入れ代わり立ち代わり病室に来てはライの様子を見てから任務に向かっていた。
ライが担っていた部分は多かったようで7人で分担してやっとどうにか対応できるようになった。
いつもはこんなに活発に動くことがないデバイスの連絡ツールもすごい勢いで通知が溜まっていく。
それを眺めながら寝転んでいればいつの間にか眠っていたようで。
通話を告げる着信音で目を覚ます。
電話を取ると相手は星導だった。
「小柳くん、ライが起きました。
急いで病室来てください。」
なんて一方的に言われて電話を切られる。
暫く状況が理解出来ず固まっていたが状況を理解してからの動きは早かった。
屋根などを走る際はヒーロースーツじゃないと許可されないためヒーロースーツで病院に向けて一直線に走り出す。
病院に着くとライに抱きついて泣いてるカゲツと困ったように眉を下げて笑って俺は平気だと安心させようとしてるライと、その様子を見ながら安堵したような笑みを浮かべている星導がいた。
星導がこちらに気づいたようで話しかけてくる。
「ライ、きっと人の前だからあぁやって笑ってるだけだと思うんですよね。
俺とか小柳くんとか、カゲツの気配は良く気付かれるので別の人にバレないように居てもらうとかどうでしょう?
あぁ、後Oriensにも小柳くんに連絡したあと連絡したので多分そろそろ来ます。」
なんて話をしていれば扉がすごい勢いで開いた。
「ライ!!」
「マナ!!
MECHATU-A大集合じゃん、笑」
「ライくん!
怪我は平気なの、?」
「イッテツ、!
心配してくれてありがとう、もう平気だよ!
ただ一応2週間は入院だってさ。」
「ライが退院したら唐揚げパーティーでもしよ!」
「え!やったぁ!
ウェンの唐揚げ食べるの普通に楽しみなんだけど、笑」
なんて話をしているライを少しの安堵を滲ませた顔で見ているリトに声をかける。
「なぁ、リト。
もし良かったら今日ライの病室残ってくれないか。」
「良いけどなんで俺?」
「俺らDyticaの気配には敏感なんだよ。
あいつ。」
「俺もバレそうだけどな〜、テツの方がいいんじゃね?」
「…、それもそうか。
後で佐伯に話しといてくれ。」
「はいはい。」
なんて会話を交わしてから病室を出る。
俺はこれから任務がある。
どんなタイミングで任務入れてくれてんだよ……。
最悪すぎ…。
せっかくライが起きたのに……。
とっとと終わらせて明日朝早くにでも見舞いに行くか。
inm視点
大怪我をして倒れて、目が覚めたら病院で。
目が覚めた時酷く安心した。
俺はまだ生きてる。まだ、まだ戦える。
でも、また前線に立てるのだろうか?
あの時は本部が悪かったのは覚えているし、俺はあの時取った行動は最善だと思っている。
でも、もし俺がもっと色んな武器を使えたら、もっと強かったら、マナみたいに足が早かったら、ロウみたいに長期戦にも耐えられる体力があったら、カゲツみたいに受身が取れたら。
なにか変わっていたのかもしれない。
というかそもそもあそこにいたのが俺じゃなかったら1人で倒せてたのかも。
今でも、あの時に吹き飛ばされてコンクリートにぶつかった時の痛みも、殴られた時の痛みも、全て覚えてる。
それを思い出すだけで腕が、足が上手く動かなくなる。
俺はみんなのスーパーヒーローなのに。
情けなさすぎる。
こんな所、みんなには見せられない。
だから、みんなが病室にいる間はバレないようにしなくては。
そう思い数時間程耐えた。
全員病室から居なくなった。
面会終了時間も過ぎた。
きっと誰も病室には来ない。
今日は満月だ。
何故なのか満月に霧がかかっているように、ぼやけて見える。
俺は本当にまたみんなとヒーローを出来るのだろうか。
でも、ヒーローで居なくてはならない。
だって、そうじゃなきゃみんなの隣に並べない。
全てにおいてみんなを上回れるものを持っているとは思えない。
だから、みんなより劣っている俺がヒーローをやめてしまえば話せなくなってしまう。
捨てられてしまう。
なんて馬鹿みたいな考えをずっと繰り返している。
いっその事、もう死んでしまいたかった。
ねぇ、俺の神様。俺はもう生きてたくないな。
そんなこと言ったらきっと全員から怒られてしまう。
マナやイッテツ、カゲツには泣きつかれそうだ。
るべやリトにはメンタルケアでもされるのだろうか。
ウェンとロウには話を聞かれそう。
なんて考えを巡らせて、眠れるはずもないから一人枕を濡らしながら窓から見える月を眺める。
そこまで来てぼやけていたのは霧のせいではなく自分がないているからだということに気づいた。
あれ一人、だったはず。
自分の病室の扉が開いた音がする。
看護師さん?と思って扉の方を見るとそこに居たのはイッテツで。
「…イッテツ、?」
「あ、あの。ライくん。
今日、許可取ったから一緒に寝てもいい…かな?」
「…、もちろん」
「良かったぁ、
……、ライくん。安心して寝ていいよ。
俺も居るし!ここに敵は来ないから。怖くないよ。」
なんて言いながら頭を撫でられる。
「……ねぇ、イッテツはさ、
俺が死にたいって言ったらどうする?」
「……え、?」
to be continued…….
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