テラーノベル
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⚠️注意点
・桜くんが女装します
・桜くん愛され(すおさくがメイン)
・キャラ崩壊あるかも?
それでは本編に参ります↓
九月の終わり。夏の熱はまだ舗道の隙間に残っているのに、朝の風だけは先に秋へ渡っていた。
風鈴高校では文化祭の準備がおこなわれていた。
教室は文化祭ムード一色だった。
「と、いうわけで、俺らのクラスの出し物を決めようと思います。意見がある人は居るかな?」
蘇枋のその一言で教室中がざわついた。
「お化け屋敷!」
「メイド喫茶!」
「女子いないけど!? 」
「執事喫茶なら……」
「あ、それいいじゃん!」
好き勝手に飛び交う意見に、教室はすっかりお祭り騒ぎだ。
そんな中、桐生が落ち着いた声で提案する。
「…演劇とか、どう?」
その意見にクラスは、さらに盛り上がった。
「おっ、それいい!」
「演劇って面白そう!」
「賛成ー!」
拍手が起こる。
「じゃあ、演劇なら何をやる?」
「シンデレラ!」
「桃太郎!」
「ロミオとジュリエット!」
「男子校なら白雪姫じゃね?」(←何で?)
「七人の小人、人数ちょうどいいじゃん!」
「魔女もいるし!」
誰かの一言をきっかけに、「白雪姫」が一気に支持を集める。
「じゃあ、多数決にしましょう!」
楡井が閃いたように提案した。
「白雪姫がいい人!」
半分、いや、それ以上の手が勢いよく伸びた。
級長は教室を見回し、小さくうなずく。
「……決まりだな。」
「では、今年の文化祭は、”白雪姫”に決まりました!」
「じゃあ、次は配役を決めようか。」
「えー!まじで!?王子様役どーする?」
「蘇枋とかでいいんじゃね?」
「絶対似合う!」
蘇枋は、困ったように笑った
「ありがとう。でも、それじゃ面白くないでしょう?」
「平等にするために、くじで役を決めたいと思います」
「えぇー!」
「マジかよ!」
「くじの方が面白そう!」
教卓に箱が置かれ、 クラスメイト達がワクワクとした様子でくじを引いていく。
照明係、衣装担当、小道具担当、脚本担当、ナレーション係、音源係…などなどの舞台裏の仕事や、小人役、魔女役、王子役、姫役…などの役者の仕事が書かれたくじ。
笑いながら引く者もいれば、祈るような顔で手を入れる者もいる。役名が読み上げられるたびに歓声や笑いが起こり、教室の空気は祭りのように賑やかだった。
既にくじを引き終わった楡井が目を輝かせる。
「照明係っす!こんな重要な役割、上手くこなせるか分かりませんが、頑張ります!!」
続いて桐生が
「俺は、衣装担当だったよ〜。」
桐生は、流行には誰よりも敏感で、制服もさりげなく着こなしてしまうのおしゃれさん。休み時間になれば誰かの髪をセットしてたりする。 そのくせ、いつもどこか気の抜けた笑顔を浮かべていて、焦っている姿を見た者はいない。
桜も紙を開く。そこに書かれた文字を見て 固まった。
「どうした、桜?」
「いや……これ……。」
震える手で紙を見つめる。
そこには大きく、『白雪姫役』 と書かれていた。
数秒の沈黙。
「ぶっ……!」
誰かが吹き出した。教室がざわめく。
「桜がお姫様役!?」
「うそだろ!」
「最高じゃねぇか!」
教室中が笑いに包まれる。
その頃。
蘇枋は静かに自分の紙を開いていた。
一瞬だけ目を丸くし、それからいつもの柔らかな笑みを浮かべる。
「俺は……王子様役みたいだ。」
教室が静まり返る。
「マジ!? 」
「……いや。」
「ぴったりすぎるだろ。」
「反則じゃん。」
「王子そのものじゃねえか。」
誰も異論を唱えなかった。
整った顔立ち。落ち着いた物腰に柔らかな笑顔。「本当に高校生なのか」と冗談交じりに言われるほどである。
王子役以上に似合う役は思いつかない。
本人は困ったように笑うだけだった。
「偶然だよ。」
「いや、運命だろ!」
「王子と姫が揃った!」
桜は勢いよく顔を上げた。
「全然うれしくねぇ!」
すると、白雪姫役になってしまった桜が、腕を組んだまま不機嫌そうに顔をそむけた。
「……なんで俺が姫で、お前が王子なんだよ。」
蘇枋は小さく笑う。
「くじだからね。」
「その爽やかな返しが腹立つ。」
蘇枋は桜の方を向き、柔らかく微笑む。
「よろしくね、お姫様。」
「その呼び方やめろ。」
「まだ始まってもいないのに?」
「今すぐやめろ!」
「桜ちゃーん、衣装楽しみにしててね」
桐生が微笑む。
「大丈夫〜。桜ちゃんは元がいいからきっと違和感ないよ。メイクとかヘアアレンジもしてあげるよ。」
「〜〜ッッ///」
「およ?桜ちゃんかわいー」
「桜さんは絶対お姫様役似合うんで心配いらないっす!!」
「一緒に演技するだなんて楽しみだね。桜くん。」
「なんや桜君!主役だなんてすごいやないか!」
桐生、楡井、蘇枋、柘浦が次々に桜に声をかける。
実はみんな桜が白雪姫役になって、内心非常に喜んでいる。
何故なら、クラスメイトは桜のことが大好きだからだ。ちなみに、蘇枋に至ってはガチ恋勢である。
「じゃあ、桜ちゃん。明日の放課後、被服室に来てねー」
「採寸しなきゃだから!」
「わ、分かった…」
桜は、仕方なくボソッと返事をする。普段通りに見える桐生だが、この時実は心の中でガッツポーズをしていた。
「(やったー♪桜ちゃんと二人きりになれる約束しちゃった)」
しかし、桜と桐生の約束が余程気に入らなかったのか、蘇枋が間に入ってきた。
「俺の衣装の採寸はしてくれないのかな?桐生くん。」
「あ、ごめんねぇ。すおちゃんは、また後日採寸してあげる」
「2人と、同じ日じゃだめなのかな?」
「だめかも。結構時間かかるからね」
一見普通に会話しているだけに見えるかもしれないが、2人の間には見えない火花が飛び散っている。
「今からどんなドレスにするか考えるの、わくわくする〜。」
「俺は全然しない。」
「え〜、もったいない。」
ふわりと笑ってから、桐生は桜の顔をじっと眺めた。
「桜ちゃん、まつ毛長いし、お肌白くてきれいだし。」
「見るなッ//」
「前髪ちょっと流したら絶対かわいいよ。」
「だからやめろっ!」
桜が冷たく返しても、桐生は気にした様子もなく、桜の髪を触りながら笑っている
そのやり取りを少し離れた席から見ていた楡井は、小さく苦笑した。
「あんまり困らせちゃだめっすよ。」
「え〜?」
「桜さん、ほんとに困ってるじゃないっすか。」
楡井はその様子を見ながら、静かに席を立った。
「桜さん。」
「……何だ?」
「俺、ちゃんとサポートします。安心してください。俺らのクラス、最優秀賞目指しましょう!」
飾らない一言だった。
だからこそ、桜は少しだけ表情を和らげる。
「うん、そうだな。楡井」
とはいえ、桜は非常に不安だった。演技なんてしたことない上に、自分が、白雪姫の役だなんて考えられなかった。
こういう役は、自分よりも小柄で可愛い印象の、桐生や、楡井がやるもんだと思っていた。
「じゃあ、桜くん。今日の放課後、一緒に演技の練習しよう。俺が色々教えるよ。」
と、桜を溺愛している蘇枋が先程の桐生同様、ちゃっかり約束をする。
「あー、すおちゃんずるーい」
「桐生くん、これでおあいこだよ」
蘇枋が桐生に対して圧のこもった笑顔をみせていた。
「すおちゃん顔怖ーい」
と、桐生は蘇枋が嫉妬する様子を面白がっている。
その様子を見て楡井は、
「(文化祭…何事もなく成功させられるといいっす…)」
心の中で呟いた。
コメント
1件
ああもう、めっちゃ良かったです……! 桜くんが白雪姫で蘇枋くんが王子様って、その配役だけで胸熱すぎますね。しかも蘇枋くんの“よろしくね、お姫様”が完全に王子のそれで、桐生くんとの火花バチバチも萌えました。文化祭編、この先が気になりすぎる……続き待ってます🌙
#モブさく
時雨 雫
61
ただのオタクです(腐女子)
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