19話のあとのお話です📖´- リクエストありがとうございます✨️
💙×💛
💙視点
「ただいま〜……あれ、?」
丁度日が暮れた辺りの事。涼ちゃんが待っているであろう自身の家まで帰ってきたのはいいものの、何故か玄関には鍵がかかっていなかった。全く不用心だな、と思いつつも扉を開けて家に入る。手に持っていた荷物を雑に置き、靴を脱ぎ始めた辺りで異変に気が付いた。
「…涼ちゃんこんな靴持ってたっけ?」
綺麗に揃え並べられた靴の中に、一つだけ初めて見る靴が合った。女物、とは言えない、どの性別が履いても違和感のないようなデザイン。もしかして元貴かな、なんて思いながらも足早に靴を脱いでリビングへと向かう。
「涼ちゃーん、ただいま〜…、、、は?」
「ん!おかえり若井!」
扉を開けた先で目にしたのは、リビングにあるテーブルの近くで椅子に座る涼ちゃん。そこまでは何も問題ない。けれど、その涼ちゃんに向かい合うよう、知らない男の人が座っていた。
「は、??誰こいつ?」
「っえ、誰って…?」
俺の言葉に困惑したような表情を浮かべる涼ちゃんに近付く。本当に何も分かっていなさそうな表情が演技なのか、こんな堂々と浮気するなんて。
「俺居ない間に知らない奴家にあげるとかマジで言ってんの?」
「ちょ、ちょっと待ってよ若井!僕の話聞いて!」
「…何、言い訳?いいよ聞いてやるよ。」
俺の語気の強さに圧倒された涼ちゃんの目に涙が浮かぶのが分かった。ていうかそもそも涼ちゃんがこんな男をタイプだなんて知らなかった。未だ座ったままの男を腹いせに睨んでやれば、場に似合わない笑顔で返された。今の俺には完璧な煽りにしか見えない。怒りの矛先が男の方に向きそうになっていた時、涼ちゃんの泣きそうな声が空間に響いた。
「っ、う…ぅ…若井の知り合いなんじゃないの、…?」
「は?俺こんな奴知らないんだけど。そもそも知り合いなら俺の方に連絡寄越すでしょ。」
「で、でも、!お隣さんだって言ってたよ…?」
お隣さん、というワードに、改めて男の顔を見てみる。染められた金色の髪に、そこそこに整った顔立ち。いや、誰だよ。そもそもあまり近所とは交流を持たないし、涼ちゃんがここに越してきてからは尚更だ。
「まあまあ、最近新しい人来たって言うからご挨拶に来たんですよ〜。ほら、ご近所付き合いって大事じゃないですか?」
「…はあ、?俺ら別に近所とか興味無いんで。あんま関わんないで貰えます?」
何となく既視感を感じる状況に、自然と眉間に皺が寄る。涼ちゃんにはこういう人を惹き寄せる何かがあるのか、なんて思いながらもイライラは止まらない。俺ら2人の家に他人が居るという事実にも。
「若井落ち着いてよ…!話してみたら結構良い人だったんだよ!今度お菓子作ってきてくれるんだって。スイーツとかも作れるんだってよ〜!」
「…涼ちゃん?」
意気揚々と言葉を続ける涼ちゃんを思わず睨みつけてしまう。前の出来事から何も学んでいないじゃないか。それに、何の警戒もせずにお菓子を貰おうとしている始末だ。涼ちゃんの能天気さにはほとほと呆れる。
「……はぁ、…とりあえず帰って貰えます?何が目的か知らないですけど、警察呼びますよ。」
色んな意味を含んだ深い溜息をつき、男の方へと向き合う。本当に警察沙汰にする気はないが、帰って貰うには十分効果的な言葉だろう。
「…また来ますね。」
「っ、は?」
潔く椅子から立ち上がった男がこちらに向かってくる。通り道を作ろうと自然と横に退けた身体に、男の手が触れた。余りにも一瞬の出来事だったが確かに感触を感じた。どういうつもりだと問いただそうと玄関の方へと視線を向けたが、そこには音を立てて閉まる扉しか無かった。
「…涼ちゃん。前のやつから全然反省してな…」
「……っ、…」
やっと2人きりになれた空間。少しばかり説教をしようかと涼ちゃんの方に振り向くが、泣きそうな顔をして立っている姿に自ずと言葉が止まる。
「、え?どうしたの!?」
「わかいぃ……」
「ちょ、いたいいたい。なんで泣いてるのって。」
子供のように泣きじゃくりながら抱きついてきた身体を受け止め、震える背中を優しく撫でる。グリグリと頭を押し付けてくる様子に笑いを零し、原因を問いてみるが、泣き声を零すだけで何も答えてはくれない。困ったな、なんて思いながらも頭を撫で続けていた時、ふと上げられた涼ちゃんの潤んだ瞳とかち合う。
「…っ、ぅ…ひっこそ若井!!」
「はあ、????」
「僕ここやだー!!!若井と一緒に別のとこ行く!!」
やっぱり何処か見たことがある状況。確かあの時は俺が引越しを提案したような。やだやだ、と言いながらポカポカと俺の身体を叩く涼ちゃんを窘めるように優しく腕を制止する。
「俺は別に涼ちゃんと一緒ならどこでも良いけどさ、…まず理由教えてよ。」
「………から」
「なんて?」
「あの人若井の身体触ったからー!!!」
最悪ー!!と嘆きながらより一層強く抱き締めてきた身体に呆れた笑みを返す。前の隣人の件の時は、涼ちゃんを他の人に見せたくないと言う想いで必死だったが、それを向けられる側の気持ちはこうだったなんて。まあ、可愛いからいいんだけど。
「若井の知り合いだって言ってもさ、!そんな、そんな身体触るの違うよ!!」
「いや、だから知り合いじゃないって。その設定続いてたんだ。」
「うぅ…、知り合いでもなんでもいいの!!若井に触るのは僕だけ!」
はいはい、と軽い返事を返しながらも、内心は飛び跳ねたいくらい嬉しい。寧ろ誰も居ない2人だけの世界に行きたい。いや、でもそれだと元貴に怒られるか…。
「割と長くここ居たんだけどな〜…ま、いっか。」
涼ちゃんの泣き腫れた瞼を優しく撫でながらそう呟く。満更でもなさそうな表情で微笑まれてしまえば、君の為になんでもしたくなってしまう。引越しと決まれば、早速不動産屋にでも行こう。今度こそは誰にも邪魔をされない2人の家に。
〜後日〜
「……お前らまじで何回引っ越すんだよ!!」
「ごめんなさぁい…」
「すみませーん…」
結局引越ししすぎてもときさんに怒られたらしい
ここまで見て頂きありがとうございます💕
割と文字数多くなっちゃいました🫠
私もこのお隣さんのお話気に入ってるので、書いてて楽しかったです🤤✨️
まだ真相をお話しします見に行ってないですが、CDTVの天国やばいかったです🫠🫠TVの前でギャン泣きかましました🤤
コメント
15件
リクエストお応え頂きありがとうございます✨ ちゃんと改めて書こうと思ってて感想が後になっちゃいました💦 いや〜、今回もWさんの圧強めだと思ってたらまさかのrちゃんの独占欲発動とは!!🫠 いやいや、可愛すぎでしょうもう💛💛💛 rちゃんにポカポカ叩かれるWさんが羨ましいわ😆
やっぱり2人のお話めちゃめちゃ可愛いくて好きすぎる😽💕栄養素ありがとうございます🤭天国は録画だけしてまだ見てないのでめちゃめちゃ楽しみです😚
もうマイホーム建てちゃえばいいのに……って思いました笑 可愛かったです😍