テラーノベル
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ドアを開けた瞬間、冷たい空気が肌にまとわりついた。
視聴覚室の中は真っ暗で、スクリーンだけが白く光っていた。
古いプロジェクターが低くうなり、部屋の奥で赤いランプをひとつだけ点けている。
あおいは最前列の椅子の前にしゃがみこんでいた。
肩を震わせ、顔を両手でおおっている。
私が名前を呼ぶと、ゆっくり顔を上げた。目は真っ赤だった。
「来ちゃったんだ」
その声は、泣きすぎてかすれていた。
スクリーンには、ぼやけた映像が映っていた。
最初は何が映っているのか分からなかった。
でも、画面が少し揺れた瞬間、私は喉の奥がひゅっと縮むのを感じた。
視聴覚室の中だった。
今いるこの部屋を、少し斜めの高い位置から映している映像。
監視カメラの映像みたいだった。
そしてそこに映っていたのは、去年の真白だった。
制服姿の真白が、ドアを何度も叩いている。
何か叫んでいるはずなのに、音は流れない。
ただ映像だけが、無音のまま続いていく。
私は足がすくんだ。
「あれ……本物なの」
やっとそれだけを言うと、あおいは首を横に振った。
「こんなの、学校に残ってるわけない」
小さな声だった。
「なのに、勝手に流れてる」
そのとき、映像の中の真白が、急にこちらを向いた。
カメラの方ではない。
まるでスクリーンの前に立つ私たちを、まっすぐ見たみたいだった。
次の瞬間、私のスマホが震えた。
音を聞いて。
表示されたその文と同時に、部屋のスピーカーから、ぶつりというノイズが流れた。
そして、女の子の息づかいが聞こえた。
小さく、苦しそうに、何度も浅く呼吸する音。
あおいが悲鳴のような声をあげた。
私は耳をふさぎたくなったけれど、体が動かなかった。
続いて、かすれた声が流れる。
「……あけて」
ノイズ。
「だれか」
ノイズ。
「よんでるんでしょ」
私はその場に立ち尽くした。
その声は、真白だった。
そして最後に、途切れそうな声でこう言った。
「まだ、もう一人いる」
コメント
1件
うわあああ!!!😭💦 この第11話、めっちゃ怖かったけど一瞬も目離せなかった…!! 視聴覚室の冷たい空気、白いスクリーン、無音の映像——そこに映る真白が突然こっち向くシーン、背筋凍ったよ…!! しかもスマホに「音を聞いて」って来てスピーカーから息づかいと「あけて」「よんでるんでしょ」って声…これ真白の声だよね?!ラストの「まだ、もう一人いる」もヤバすぎる…誰がまだいるの?次が待ちきれないよ〜!!!🔥✨