しろニキ
しろせんせーよりも優位に立ちたいニキくん
しろせんせー視点
「今日は俺がボビーを気持ち良くさせるから」
風呂から上がって息をついていた際に意気揚々と俺を誘う彼が可愛らしくて、今すぐにでも襲ってしまいそうだが、後日彼の機嫌取りをしなければならなくなるので辞めておく。先に寝室で待ってる、と言われさっさと髪を乾かしたり何だりを済ませようと思い、ドライヤーとヘアオイルを手に取った。
支度を済ませて寝室に行けば、ベッドに寝転がってぼんやりと天井を見つめている恋人が居た。俺が寝室に入ってきたことに気づいた彼は身体を起こし、こっちに来いと言わんばかりの手招きをされた。
ベッドに腰掛けて彼の指示を待って居れば仰向けになって、と言われたので彼に従う。俺よりもほんの少し短い彼の指が俺のズボンやらなんやら全てを下ろしていく、騎乗位か何かしてくれるのだろうかと思っていた矢先、彼が俺のモノに顔を近づける。彼の吐息がかかってくすぐったい。
「ふ、ボビーのおっき…笑」
そう言って俺のモノを咥えはじめる彼に色気を感じる。仰向けでは彼の顔がよく見えないので、身体を起こす。厚みのある前髪で隠れてしまっている彼の顔を見たくて、髪を彼の耳に掛ける。耳に触れる際にも甘美な声を出す彼が可愛らしくて、耳たぶを摘んだり、耳の中に指を入れて蹂躙する。とはいえ、微弱な快楽を先程から与え続けられれば誰しもイキたくなるもの、愛しの恋人からのご奉仕なんて尚更だ。
「…はッ」
こっちも構え、と言わんばかりに甘噛みされ思わず声が漏れてしまう。大層ご満悦な様子の彼はやけに扇情的に映る。できるだけ大きく口を開けながら俺のモノを咥えていく彼を見て、徐々に高まっていく射精感に彼を付き合わせたくなって彼の頭を掴み、喉奥まで一気に突く。突然の行動に驚きつつも未だご奉仕を続けている彼。奥を突いたためか、喉奥が俺のモノを締め付ける。
「口ん中に出してええか、」
「ぅ、んッん”…ッぁ♡」
不思議と今日は彼に全てを捧げたくて仕方がない。俺のモノを咥え声を出すことすら厳しい彼がいいよ、と捻り出したような声で応えてくれたことがとてつもなく俺の欲を掻き立てる。それに応える様に俺は彼の頭を掴んだまま、少しばかり俺のモノを揺すった。無自覚に軽く歯が立てられくすぐったさを感じる。喉奥が締まる感覚が、彼の喘ぎ声が射精感を更に高める。
「…ッ出すで」
「ッ〜〜〜ぃ”、はぁッ…ぅ”ッ♡」
目を瞑り仄暗い光に目元の雫が照らされ、少し苦しそうな彼をなるべく早く解放してやりたい気持ちが勝ち、絶頂を迎える。俺のモノを彼の口から出して、彼が俺の欲を吐き出すタイミングを待っていたその時、彼の喉仏が上下に動いた。
「!おま、」
彼は悪びれもせず口を開けて、アピールをしてくる。思わず身体が強ばってしまう。
「んなもん、うまくも何ともないやろ」
「ボビーのだから…」
さらりとキザな言葉を言える彼が恐ろしいものだ。果たして、こんな誘いとも言える言葉に興奮しない男は居るのだろうか。もう既に俺のモノは元気を取り戻していた。とはいえ、俺がイった際に目の前の彼もきちんと快楽を感じていたらしく、彼の股はぐしょぐしょに濡れていた。
「フェラだけでお前はイってまうん?笑」
俺のこの発言に頬を赤らめ、俯いてしまう彼に翻弄したい気持ちが湧き出てくる。未だ理性の残っている彼の頭は羞恥心で埋め尽くされているのだろう。おそらくだが、もうすぐ俺に主導権を渡そうとしてくる。だが今日は、その主導権を握るつもりは一切ない。
「ぼ、ぼびぃ…」
潤んだ瞳でこちらを見上げ、袖を引く彼に思わず流されてしまいそうになるが、ぐっと堪えて駆け引きを再開させる。
「今日はニキが気持ち良くさせてくれんねやろ?」
その言葉に彼は下唇を噛む。今更後悔なんて遅いでニキ。彼が戸惑っているうちに慣れた手つきで服を脱がし、丸裸にする。俺はベットに向かって仰向けになり彼を俺の上に跨らせて、騎乗位の状態にする。
「ニキなら出来るよな♡」
「ぁ、ッゃ”…ひぐッぅ”、」
そう言ってほんの少し彼のナカに挿れる。先程の風呂で慣らしたのか、何なのかは分からないが何度も重ねた身体は俺のモノをすんなりと受け入れていく。
「ッぅ…ん、ぐッ♡…ぅぅ”ッ、は、ぁッ…♡」
やがて、快楽欲しさに痺れを切らした彼が俺の腹に両手をそっと置いて徐々に俺のを飲み込んでいく。手持ち無沙汰な俺は彼の胸の突起物を摘んだり、擦ったりして彼を愛でる。必死に腰を下ろし、目の前の行為に夢中に喰らいつく彼はどうも可愛らしい。奥に行く度に、突起物に触れられる度に、甘ったるくて高い喘ぎ声を鳴らす。どちらも俺によって開発済みな彼に独占欲が満たされていく。丁度半分くらいだろうか、そんなタイミングで彼はぐずり出してしまった。
「ぼびッ、む、りッ…ぼびッ、ぼびぃッ♡♡」
目に涙を浮かべて、何度も俺の名前を呼ぶ彼が愛おしい。どうも騎乗位は毎度上手くいかない。今日のようにぐずってしまうのだ。そこもまた可愛らしくて仕方が無いのだが。
「ん”ぉ、♡…ぅぐッ♡♡」
俺が身体を起こした反動で更に奥まで挿ってしまい、きゅうきゅうと締め付けられる。嬌声を上げる彼の涙を拭いてやる。目許にキスをして、彼を抱き締める。背中に腕を回して優しく愛でるように撫でれば、徐々に安心していき彼の表情が明るくなっていく。彼の微笑みにまた好きが溢れる。彼には笑顔で居て欲しいというエゴが彼を甘やかす。
「…んふ、ぼびぃ」
再び呼ばれた名前。それは先程とは掛け離れた、甘く蕩けた瞳で俺を見る。その瞳に映るのは他の誰でもない俺で、俺の瞳に映るのも彼だけで、互いに堕ちていくこの瞬間が堪らなく好きなのだ。
ボビー、そう俺の名前を呼んで軽く俺の頬に手を伸ばしてくる彼。恍惚な笑みを浮かべた彼にどうしようも無いほどの性欲が掻き立たされる。
「俺を独り占めして?」
誘い文句にしては随分と遠回しな言葉。今回こそは、と意気込んで結局彼に従ってしまうのだから俺も良くない。体位を正常位に変え、ベッドに彼を押し倒す。
「ん、ッ♡♡ふ、ぁ…ッぅ、♡」
蕩けた瞳に誘われる様にキスをする。一方的に舌を絡み合わせて、上顎を刺激すれば一際甘ったるい声で鳴く。少しの息苦しさに口を離して彼を見やれば、淫靡な様子の彼に性的興奮を抱く。
「…まだいけるか?」
中途半端に辞めた挿入を勝手にするのも気が引けるので彼に心配の声をかける。
「ん……ぃぃよぼびぃ、きて」
俺の背中に手を回し、蕩けた瞳で甘い誘惑をする様はまさに魔性そのものであった。俺はこの誘いをきっかけにじっくりと挿入を再開させる。
「ん’んッ♡…ぁ、ッ♡は、ッ♡♡」
彼のナカはもう既にキツキツで俺のモノを求めるように絡み付けながらも飲み込んでいく。溶けてしまいそうなほど熱い彼のナカ。想像以上に締め付けられ彼に息を吐き出してと求めナカを緩ませ、奥への挿入を続ける。
「ひッ、ぁ”あ”♡♡♡そ、こっ♡…ゃめ、ッ♡ひぅ”ッ♡」
イイところを穿たれて、悲鳴に近い嬌声を漏らす彼。延々と否定の言葉を垂れ流されても、そんなのをお構い無しに腰を打ち付ければ奥まで挿入りきった。ビクビクと痙攣させながら、キュンキュンと俺のモノを縛り付ける。
「ぁ、ッ♡…ぁ、ふぅ’ぅッ♡ひぐッ、♡♡ぅ、んッ♡」
ゆさゆさと軽く腰を揺らせば肌と肌がぶつかり合う音が部屋に鳴り響く。触れ合った肌から昂る熱が伝わって、互いに汗をかく程の火照りが心地良い。
「ぼびッ…すき、だいすき♡ぁ”、ん♡ぅ’あ”…ぼ、びッ♡♡」
「あんま煽んな、ほんまに…ッ」
大分快楽に堕ちた彼は俺の名前を呼び、好きだと漏らす。彼の目元に張っていた薄い水の膜は身体を重ねると共に頬をつたっている。普段、泣き顔を見ることなんて無い彼を泣かせるのは非常に興奮する。こういう時に限る話だが。
「ぃ”、ひッ…♡♡ぁ…んッ♡…ぅ、ッ♡ぼ、び…♡」
「…どした」
先程から名前を呼ばれ、彼の無防備な手の平に自身の手を上に乗せて、指と指の間を絡ませる。半ば強制的にベッドに貼り付けの状態になった彼。強く手を握ったり、逆に緩めたりする。スイッチの入った彼はどこに触れても快楽を拾う。
「ね、ぼびッ♡もっと…ッ♡♡」
「…ッはは、堪んな」
今俺は彼の片手を固定させており、両手で何かを表現したいらしい。少し挙動不審になりながらも、俺の頬に空いた手を添える。ベッドライトからほんのり差し込む光に照らされて、艶めかしい雰囲気を醸し出す彼と目が合った。無意識に腰を揺らしながら、今よりも更に激しい行為をご所望の彼に感情が昂る。
「ぉ”ッッ…♡♡ひ、ゅッ♡は、ぁ”ぁッ…♡♡ぼびぃッ♡イ、く…ッ、イッちゃ…ッ♡♡」
「…かわええのぉ」
彼の腰を掴んで奥を穿つ。呼吸がままならなくなる程の淫らな行為。為す術なくただただ俺に縋ってくる様子は何度見ても可愛らしい。
「ぁ、ま…まッ♡ぃ”〜〜〜〜〜〜ッ、ッ♡♡♡」
「ッは、…」
前立腺を抉るように腰を打ち付け、先程よりも少し早めに腰を振るった。肌と肌が触れ合って、お互い求め合って、快感を分かち合う。待って、だなんて言葉でこのペースが乱れることはない。止まらない快楽に忠順な彼はいとも簡単に果て、ナカをキュンキュンと締め付けてくる。だけれども彼だけが良い気になって終わりなはずがない。そう思った俺は、彼のナカから俺のモノを限界まで抜き、ゴチュン♡と奥を貫いた。
「……!?ぉ”ッ、ぐッ♡♡♡なん、でッ♡ひ、ッ♡ぇ、あ”ッ…♡♡」
「俺はまだイッてへんで」
やだやだ、とどれだけ否定の音を漏らされたって俺がまだ萎えていないのだからしょうがない。ガツガツと貪るように彼の奥を穿つ。気を抜いて居た彼のナカは先程よりも大分緩まっており、動くのも容易い。どれだけ疲弊していても、これ以上の快感を知ってしまっている彼の身体は俺のを求めてくる。そんな彼に応えるように奥に擦り付け、こじ開けるかのように動く。
「ぁ、…ッ♡ぼびー…ッ♡だ、め♡♡おかひ、くなる…ッ♡…ッひ、ぅ”♡♡」
「…ッニキなら大丈夫やんな」
「な、んッ♡ぉ”あ”ッ♡♡ゃ、…めッ♡〜〜ッ、ぅ”ッ〜〜〜〜〜〜ッ♡♡♡♡」
ぐぽ♡人体から出るにしては怪しい、そんな音と共に彼が果てた。彼がナカをキツく締め付け、十分に昂った射精感が更に刺激され、予期せぬタイミングで果てそうになったが堪える。
「は、ぁんッ♡♡ぼびッ、♡ね…ん、ッ♡きもちぃ?♡♡」
「…ちゃんと気持ちええよッ、ニキッ」
快感を得ているのが自分だけなのではないかと心配になった彼は嬌声をあげながら、俺に気持ち良いか聞いてくる。好きな人とこんな事までしてる時点で気持ち良くない訳ないっての、そう何度も伝えても毎度聞いてくるのだから愛おしいものだ。
「っは、…にきッ」
「ん、ぁ”あ”ッ♡♡ぼびー、ッだし、て…♡おねがッぃ”♡♡ッ〜〜〜〜〜♡♡♡♡」
「っ、くッ…」
何度も奥を突き、彼が達したことにより締め付けられ、あまりの気持ちよさに為す術なく俺も果てた。一滴たりとも零さないように奥にググッと擦り付ける。
「っはー、」
「ッん、…♡」
ずるり、と彼のナカから抜いた際に甘い声を漏らされ、嬉しいような興奮するような不思議な感覚になった。彼の隣に息を吐きながら寝転がる。彼の無防備な手のひらに自身の手を重ねて、指と指の間に絡めた。互いの手のひらからの決して穏やかとは言えない脈打つ感覚がまるで子守りをされているようで眠気が襲ってくる。だが、俺にはまだ彼の後処理をしなければならない。一度だけ後処理をせずに翌日になってしまったことがあるのだが、彼がとてつもなく悶え苦しんで居たのを見てしまった以上彼の負担を減らしたい。その一心で彼の方を見やれば、疲労からかすやすやと眠っていた。目の前の愛しの恋人のためにももうひと頑張りするかと意気込み、俺は起き上がった。
チュンチュンという子鳥のさえずりが聴こえる朝…だなんてことは無く、朝特有の肌寒さに目が覚めた。隣を見やれば愛おしい恋人が居る…と思ったがおらず、彼が居たであろう場所に手を置いた。すると少し前に布団から出て行ったのかほんのり暖かかった。彼を探しに行こうと思って起き上がり、その辺にあった自身のパーカーを手に取り、それを着ながら立ち上がった。少し立ちくらみがしたがさほど問題はなかった。
「…にき」
「おわ、ボビー起きたの?」
家を探し回った結果彼はベランダに居た。何も考えずに一直線に彼の元へ行く。そして、彼のお腹周りに手を回し、彼に抱きついた。子供体温の彼は、中に居たはずの俺よりも体温が高くて、冷えた体が彼のぬくいを求めていた。うんうんと唸りながら彼の首あたりに頭を擦り付ける。お日様のような柔らかい匂いが彼からして心地良い。だんだんと眠気が襲ってくる。
「ボビー、俺動けないんだけど…」
それは俺が昨日激しくしたからなのか、今抱きついて居るからなのか、それともどちらもなのか、俺にはよく分かりやしない。
「……まぁ、悪かないやろ?」
「そうかもね…笑」
俺はいっその事話を変えてしまおうと思った。それに今は彼ともう一眠りしたい。そんな考えを彼は汲み取ってくれたのか、彼もまた寝たいと考えていたのか何なのか。
「ほらボビーあっち行くよ」
「ん”…」
「もっかい寝よ?」
そう言われ生返事をし、彼が動き出したので俺も着いていく。寝室に入るや否や彼はゆっくりとベッドに腰掛けた。彼がベッドに腰掛けているということは俺が彼から離れているという事。つまりは先程までの温もりがなく、非常に寒い。となれば温もり欲しさに彼に抱き着きに行く。
「おわ、っ…どったのボビー」
「ぬくい…」
「そ、笑」
やはり彼は暖かい。彼からそっと優しく背中に腕を回され、もはや掛け布団も要らないくらいの温もりに包まれる。
ぼふっという効果音と共に彼とベッドに倒れ込む。彼に抱き着いて居たためベッドのシーツに倒れる事はなく、彼の厚いとも薄いとも言えない胸板に俺は倒れ込んだ。ドクドクと規則正しい心音が聴こえ、彼の暖かい体に包まれて、驚くほど落ち着く。自然と瞼が降りてきて、底の見えない睡魔に誘われた。