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夜明け。
ノアは、森の中で目を覚ました。
頬が、冷たい。
涙で濡れたまま、眠っていたらしい。
「……レイヴン……」
名前を呼んで、
胸がまた痛くなる。
⸻
一方。
黄昏の徒の拠点。
レイヴンは、無言で立っていた。
白い仮面の幹部が、腕を組む。
「……ようこそ、裏切り者」
「……裏切ってねぇ」
「……仲間を売った時点で、
十分だろ」
⸻
レイヴンは、ポケットから
ノアの指輪を取り出す。
親指で、何度も撫でる。
「……俺は……」
「……あいつを、
取り戻すために来ただけだ」
⸻
幹部は、笑う。
「……なら、証明しろ」
「……第三勢力の拠点、
場所はもう分かってる」
「……お前が先導しろ」
⸻
レイヴンの胸が、締めつけられる。
「……それは……」
一瞬だけ、迷う。
ノアの泣き顔が浮かぶ。
⸻
「……殺しは、しねぇ」
低い声。
「……潰すだけだ」
幹部は、肩をすくめる。
「……優しいね」
「……その優しさが、
いつまで持つか」
⸻
一方。
ノアは、ルカの元へ戻っていた。
「……ごめん……」
「……勝手に出て……」
ルカは、ため息をつく。
「……死にに行くかと思った」
「……でも……」
ノアは、うつむく。
「……生きてて、いいのか……
分からなくなっただけ……」
⸻
ルカは、優しく言う。
「……それでも、
戻ってきたってことは」
「……まだ、
生きたいんだろ」
⸻
その夜。
ノアは、ルカに言う。
「……私……
自分を封印する方法、
知りたい……」
ルカの顔が、曇る。
「……それ、
ほぼ自殺だぞ」
「……それでも……」
「……私が消えれば……
誰も傷つかない……」
⸻
ルカは、強く否定する。
「……違う」
「……お前が消えたら、
一番壊れるのは」
「……レイヴンだ」
⸻
ノアの目が、揺れる。
「……あの人……
もう……」
「……あいつ、
まだお前の指輪、
持ってる」
ノアの胸が、きゅっとなる。
⸻
一方。
夜の街。
レイヴンは、黄昏の徒の任務で
第三勢力の関係者を追っていた。
剣を抜く。
でも――
「……逃げろ」
相手を、わざと逃がす。
⸻
部下が、叫ぶ。
「……なにしてんだよ!!」
「……殺せよ!!」
レイヴンは、低く言う。
「……俺は……
殺し屋になるって
契約してねぇ」
⸻
その夜。
レイヴンは、屋上に座る。
指輪を、見つめる。
「……ノア……」
「……お前が怪物でも……」
「……俺は……
まだ……」
最後まで、言えない。
⸻
ラスト。
同じ夜空。
ノアは、施設の屋上で星を見る。
指輪の“もう片方”を、握りしめる。
「……それでも、
私はまだ……
あの人を想ってる。」
⸻
遠くで。
“核”が、不穏に脈動する。
「……私たちは、
まだ、
同じ空の下にいる。」
画面暗転。