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桜の舞うあたたかな季節。
新しい制服、新しい鞄、新しい靴。
そんな季節に私たちは出会った。
「ぶえっくしょいっ」
あー。最悪。
桜の季節なんて、入学式ヒャッホー、高校デビューすんぞって感じの季節じゃん?
全然、余裕で花粉症。
マスクは外せない。鼻水ズビズビだし。
桜道中央高等学校
目をこすりながら今日から通う、新しい学校の坂道を登ってゆく。
桜のにおいが…
花粉症のせいで感じられない。虫は多いし。
そして一つの掲示板の前に辿り着いた。
「えーっと…名前名前」
1-B。そこに私の名前はあった。
今日から誰も知らない、新しい世界。
不安と緊張、それから少しの楽しみな気持ちが私を覆った。
けれど、何故か足取りは軽かった。
・・・・・・・・
ガラガラ…
まだ新しいのか?そこそこに綺麗なドアをスライドさせてみた。
「ここかぁ」
早速、掲示板の案内通りの道順で教室にきたのだ。
1-B。そう書かれたクラスに。
ふふふ。今日から私は高校デビューだ。マスクだけど。ズビズビだけど。
席は当然出席番号順。
私は島村、だから
このへん?か?
キョロキョロと机を見渡す。
あれ、てか私今教室の真ん中付近で挙動不審になっている。
まずい。なんか見られてるし。
?「もしかして席わかんない?」
どこだよ、席。あ、黒板になにか張り出されてる。
あれかな?
?「おーい、無視?」
とんとん、と肩に誰かの手が触れる。
「えっあっすみませんすみません、私ですか?」
そう。声をかけられていたのだ。
そんなことにも気づかずに1人席を考えていたのだ。
せっかく声かけてくれたのに…無視したみたいになっちゃって気分悪いよね、あー最悪初日からこんなだなんて…
と、ぐるぐる考えを巡らせている、と。
?「あ、大丈夫だよ、島村さん?かな?だったら僕たちの席の前だと思う!」
ん?
僕、たち…?
その男の子?は私に微笑んでくれた。
「あの、たち?僕たち…とは?」
?「僕、白鳥雪斗って言うんよ。で、こっちが兄の白鳥蒼」
なにそれカッケー名前。
てか
「兄?同じ苗字?同じ?双子?ん…え?」
澄んだ青い目が、2つ、いや、4つ。綺麗な白髪の隙間からこちらを見つめていた。