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コメント
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私には絵里とかいう双子の妹もいるけど、彰人とかいう弟もいる。
まあそいつは絵里ほど「成功作」ではなくても、私みたいな「失敗作」ではない。
運動はできる。歌もひょっとしたら絵里より上手い。まあ唯一できないとしたら勉強。あいつは私以上にできない。
でもそれ以外が優れている。
だから彰人も褒められるんだ。
まあそいつの事はどーでもいいわ。
だって私には絵里っていう憎くて羨ましくてたまらない奴がいるから。
こんなとこも「失敗作」だなって思う。
こんなこと思うくらいなら勉強しろって話。
私だって小学生くらいまでは出来たのにな…
10年くらい前
東雲家
「おとーさん、おかーさんまたテストで100点取れたよ！」
「おお！絵名はすごいな！」
昔は今と比べて私と絵里の立場は逆転してた。
私は勉強もできて、運動もできて、絵もうまかった。
まあそれもそんなの今と比べれば、の話。
立場がだんだん変わってきたのは中学生になった頃。
絵里が突然テストで100点、はいかなくても90点取れたり、運動ができたりするようになった。
それに反比例するかのように私はできなくなっていった。
ついに親はこんなことを言い出した。
「絵里はすごいな！」
やめて。
その言葉だけは聞きたくなかった。
その言葉を聞いてから私は「壊れた成功作」、いつしか「失敗作」になったのだ。
