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「 低血糖 」
もとぱ (学パロ
放課後の音楽質。
窓から差し込む夕日が、古いピアノの鍵盤を照らしていた。
「 …..なぁ、今日も来ると思ってたよ 」
そう言ってふいに現れたのは、クラスでも目出す存在の滉斗。
誰にでも優しく、けれど誰にも本心を見せないような少年。
目の前には、いつも音楽室にこもってピアノを弾く元貴。
小柄で色素が薄く、どこかふわりとした空気を纏っている。
「 昼、食べてなかったろ? また気分悪くなってんじゃねぇの? 」
「 …..大丈夫、だから 」
そう言った直後 彼の身体がふらりと揺れる。
滉斗は反射的にその身体を支えた。
「 おい、元貴…..!お前…..!」
冷や汗。唇の色が悪い 目も焦点が合っていない。
「 また…..低血糖かよ、」
滉斗は鞄から慣れた手つきで飴玉を取り出し 包装を取りそのまま元貴の唇に当てる。
「 ほら、舐めろ。今すぐ 」
「 …..ごめ….. 」
「 謝るな。お前が苦しいの 俺はもう見たくない。」
滉斗の声が少しだけ震えていた。
数分後、ようやく元貴の意識が戻ってきた。
「 …..滉斗、やだな なんか泣きそう 」
「 泣いてねぇよ 」
滉斗は、元貴の額にそっと触れた。
少し熱がある けどそれより冷たかったのは、彼の指先。
「 なぁ、もう意地張るな。ちゃんと食え 」
「 お前、死ぬほど甘い音出すくせに 甘いもん嫌いってどういう事だよ。」
「 …甘いの、好きになれるかな。滉斗の声 たまに甘いから。」
「 …..それ、俺にとっての低血糖発作だわ 」
元貴がクスッと笑った。
そしてその笑顔が 滉斗の胸の奥に優しく突き刺さった。___
#2.「 君の手が甘くて 」
どうでした?大森さん甘いものは嫌いじゃなさそうですけど笑
まぁ、お許しを。
コメント
3件
いやぁぁ神じゃないですか…最高です!!