こんにちは、ねこもみじです!
今回はそーくんのお誕生日をお祝いする回です!
※注意
・青桃
・卒アルパロ
・エセ関西弁
・御本人様とは関係ありません
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もし、この世界にたった一人、運命の糸で結ばれる相手が目に見えて存在するなら。
…自分だけが運命の糸が見えるのならば。
「じゃあ、この問題…猫宮」
「…」
「……おい???」
「…あ、すみません」
「ちゃんと話聞いとけよなぁー」
ほんの少し遅れただけですぐに置いていかれるこんな世界。
チョークが黒板に削られていきながらサラサラと文字が書かれていく。
別に問題くらいわかってるっつーの。
でもたった一人答えられなかったくらいで何も変わりはしない、ただ次に進んでいくだけ。
聞くだけ聞いて大事そうなところはノートに簡潔に書いてゆっくり流れていく時間を潰す。
チャイムが鳴って、少し休憩して、また授業をして、そんな『いつも』を繰り返して、気づけば放課後になっていた。
周りには糸がいくつも見える。いくつも、というか、何かを探し求めて宙を彷徨っているというか。
ただどれもが絡まっているだけで綺麗に結ばれているわけではない。カップル、だなんて噂されている男女の糸だって、細くて脆くて今にも解けそうだった。
所詮カップルなんてそんなものなんだろう。
運命の相手なんてそうそう出会えることはないのだから。
今帰ったところで他の奴らが話しながら帰っていて面倒くさいから迷わず昇降口とは反対方向に向かい、屋上へと向かった。
ガチャ、と音を立てドアを軽く開けたつもりだったが風で勢いよく開いた。
「うわっ」
「もう何?びっくりしちゃったじゃん」
「あ?すみませ…ん、」
視線を前へと向けると鮮やかな桃色が目に入った。
「…あ、!!!」
突然大きな声を出すチャラそうな桃髪。
「お前あれじゃん、噂の厨二病」
「は?厨二病ちゃうし」
「いやいや、その格好で何言ってんの」
「ネイルとピアス、おまけに眼帯。厨二病以外ないでしょ」
「どの口が言ってんねん」
色々と言ってくるがこいつだってネイルもピアスもしてる、なんなら可愛い派手なヘアピンだって付けている。1番目立つのやっぱり桃色の髪だが。
「ふはっ、でも黒ネイルなのはいいね」
「俺も好きだよ」
にこっ、と笑うと八重歯も少し見えた。こいつは周りからよく聞くないこってやつだろう。
「ないこは可愛いのが好きなん?」
「好きだよ、…って、なんで名前知ってんの」
「よく周りが言ってるからな『ギャル男がいる』って」
「あー、噂になっちゃってる感じ?」
嬉しそうにしているのはよく分からないが、なんとなくこいつとは波長が合う気がした。
…ないこを目にした時から気になっていたが、こいつの糸は俺に向かって浮いているのがどうしても見過ごせなかった。
今まで好意を抱いて来たヤツは大抵が細くて、なんならすぐに別の方へ行くのだが、ないこの糸はしっかりと、でもしなやかに桃色をしたそれがあった。
ないこは俺に好意を寄せている…、??
「そうかもな、ええやん、噂されまくってる俺ら」
「…ふふっ、たしかに、いいかもね」
今は余計なことは考えないことにした。
それから、少しずつないこと話す時間が増えていった。仲良くしたいから、と俺のことをまろ、とあだ名で呼ぶようにもなった。
「ねぇー、まろってば聞いてる?」
「聞いてるで、…で、何やったっけ?」
「もう全然聞いてないじゃん」
文句を言いながらも声を上げて笑うないこ。話していくうちに分かったことがある。ないこは面白いのが好き、可愛いのが好き、そして見た目に反してとても優しい。
「放課後駅前のカフェ行こっていったじゃん」
「あー、そうやったかも。なに食べるんやったっけ」
「ドーナツ?」
「クレープだって、!!!」
「秋限定の栗がいっぱいあるやつ食べたいって話だったよね??」
「…そーやったねー」
ないこの糸が段々と俺に近づいてきているのが気になりすぎて話に集中していなかった。きっと、見えるなんて言っても信じてはくれないし、不思議がられるだけだろう。
仲良くなったから、手離したくない人だから絶対に言ってやんない。
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「もう、まろってばぼけーっとしてること多いよね」
「そんなことないやろ」
いーや、そんなことあるね。だってまろは話している時どこを見ているのか分からないんだから。『どこ』というか、周りを見ているというか。
もしかしたら、まろも見えているのかもしれない、運命の糸が。
運命の赤い糸って言うけど、世の中そんなものじゃない。真っ黒の人だっているし、水色の人もいる、他にもその人を表したような色が糸の色になっていると思う。
まろは深くてでもその中にある煌めきが混じった青。
最初はほんの少しの興味で話しかけた。噂の厨二病くんだったし、面食いな俺からすれば勿論あの顔に惹かれた。でも一番は、落ち着いた雰囲気が居心地が良かったから。
もしかして、まろのこと好きなのかも。
「…ね、まろ。目瞑ってよ」
「なんで?」
「いいから、ほら早く」
俺は猛アタックして好きにさせる、なんてそんなこと出来ないからさ。
まろが目を瞑っている間にそっと俺の桃色の糸とまろの青色の糸を結び繋げる。リボン結びにして、『まろと結ばれますように』って願いながら。
「…はい、いいよ」
「何やったん今の」
「…さぁ?秘密かな」
「よーし、クレープ食べに行くぞ!!まろ早く準備して!!」
「はぁ?ちょ、引っ張んなって」
「早くしないとおいて行くよ」
ずるいことをしたかもしれないけど、運命じゃなかったらこのリボンはいつか解けるから。
これからもリボンが解けずに、たった一人の運命の人と本当に結ばれますように。
胸にそんな想いを秘めて屋上から階段へと勢いよく駆け抜けていった。
そーくんに喜んで貰えたら幸いですෆ
改めてお誕生日おめでとうෆ
見て頂きありがとうございました!!
コメント
20件
うわぁ…、まじ天才…( この後青くんが糸に気付いた時にどういう反応してたかってところも色々想像できていいね、笑 結んだ糸、青と桃色混ざって綺麗な紫色に変われば良いなって思った!! こんな素敵な作品書いてくれてありがとね、もみじの作品大好きだから、誕生日プレゼントとして見れて幸せだよ·͜·ᰔᩚ また今年もよろしくな!!
にゃーちゃーん😖🎀 やっぱちみはてんさいだな🫵🏻🎓 設定(?)糸が見えるってさいこおやないですか…‼️😏 さいしょ青くんだけが糸見えてるのかと思ったらまさかの桃くんも見えててびっくりだった笑笑 りぼんむすびってなんて尊いのでしょうか😩💗 ほんとお願いだから解けないでいてくれ👍🏻 てんさいにゃーちゃんのお話寝る前にみれてよかったーよ😭🫶 こんなド深夜にごめんね💦
うわぁ! 好き🫶🏻🩷 そーくんさん?お誕生日おめでとうございます🎉