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ぷち
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読了したよ!今回は隼人と主人公の指輪がキーになってて、職場でちょっと気まずい空気の中、過去に隼人に告白してた女性との対話がすごく印象的だった。主人公が彼女の涙に気づいて背中を擦る優しさ、それに応えて素直に自分の気持ちと向き合う女性の変化が丁寧に描かれてて、心が温かくなった。お似合いだなって言われた後の主人公の照れ顔も可愛かったし、最後の「いつまでもお幸せで」がじんわり沁みた。良いエピソードだった!
今日はアモンと隼人に指輪を貰ってからの初めての仕事の日だった。隼人から貰った指輪は右手の薬指のため、どうしても仕事上外さなければならなかった。
「◯◯、俺の方の指輪はまた俺が着けてやるからそんな落ち込むなよ。俺は毎日◯◯に着けられるって思ったら嬉しいけどな。」
「隼人…ありがとう。」
主と隼人が良い雰囲気になっているところ結城は3人で居る事を主張した。
「俺も居る事、忘れないで下さいね!早く行きましょう。」
主は隼人から貰った指輪を屋敷に行く時の指輪と一緒にして、急いで医局へ向かって行った。
3人は医局に着くと、ロッカーで白衣を着て自分の席に着き仕事の準備を始めた。目ざとい医局の人は主と隼人の左手の薬指に指輪が着いている事にすぐに気付いた。
医局にいる人の視線が次々と主と隼人の手元に集中していると、隼人の鋭い視線が医局の人達に刺さった。
すると、以前の事〈第26話道標の喪失 参照〉もあり医局に居る人達はすぐに自身の仕事の準備をし始めた。
それでも、コソコソと話し声が聞こえていたので主と隼人と後輩はなんだが居心地が悪かった。
そんな中、隼人に話しかけて来た女性が1人だけ居た。以前に隼人に告白して来た人だった。〈第31話愛の芽 第32話人の心を変えるもの参照〉
「それって結婚指輪、ですよね?ご結婚されたんですか…?」
「まぁそんなもんだな。…何だよ?まだ何か俺に用?」
ぶっきらぼうに隼人が答えると、まだ何か言いたそうに女性は側に立っていた。
「っ…おめでとうございます。」
女性は笑顔でそう言って、隼人の側から離れお手洗いに向かって行った。隼人は気にもとめなかったが、主は気になり女性の後を追いかけて行った。
「…大丈夫?」
主は鏡の前で泣いている女性の隣に立ち、背中を擦った。
「…っ、ごめんなさい。あの…◯◯さん、おめでとうございます。四季君と幸せになって下さいね。」
主は本当の事は言えず、少し黙ったがお祝いしてくれた事に感謝を伝えた。
「…ありがとう。」
「本当は◯◯さんの事がずっと羨ましかったんです。四季君にも結城君にも好かれて、この病院の院長の愛娘だった◯◯さんがすごく羨ましかったんです。
私…バチが当たったんですね。人のあら探しばかりして、ストレス発散して、私は◯◯さんが嫌がる事してたのにこんな私にも◯◯さんは優しくしてくれるなんて…
私は…◯◯さんの足元にも及ばなかったんですよね。っ…四季君と結城君が ◯◯さんの事を好きになる理由、分かった気がします。
こんな私ですが、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。」
女性は深々と主に頭を下げた。
主はメイク直しをし始めた女性の側にしばらく居ると、女性は主の方を見てポツリと呟いた。
「…お似合いだな。あ!ごめんなさい。つい声に出てましたね。…四季君も格好良いし◯◯さんも綺麗だから、並んでると本当…素敵なカップルですよね。
あの…◯◯さんは、四季君のどこに惹かれたんですか?参考までに聞きたくて。」
主は大学生の時から惹かれていた事を話し出した。
「隼人は色んな人と仲良かったし、私の事なんて見てないって思ってたの。私が学生の時父からのプレッシャーで押し潰されそうになってた時に隼人に声を掛けられたの。」
『今まで頑張ってたの、俺はちゃんと見てたから大丈夫だ。◯◯が人一倍努力してたの俺はちゃんと見てたから。
◯◯なら出来る!出来なかったら…俺の胸貸してやるから思いっ切り泣けよ。』
「私の事、色眼鏡で見て来てた人とは違うって思ったら隼人に惹かれてた。今まで紆余曲折あったけど、遠回りしたけど、やっと報われたの。」
話を聞いていた女性は、主が今までたくさんのしなくてもいい苦労をして来た事や隼人の想いの強さを感じていた。
「私も…◯◯さんみたいにたくさんの努力をしないとダメですね!」
女性は主に笑顔を向けると、どこか吹っ切れたような感じがした。
(元々、両想いだったのなら私が付け入る隙なんて何処にもないじゃない。私ってまたこんな姑息な真似して、ダメだな…
今からでも私、変われるかな?ううん、こんなんじゃダメだ!変わりたい、変わるんだ。)
するとどこからか隼人が主を呼ぶ声がしてきたため、主は女性から離れて隼人の元へ行くか迷っていた。
「…行かないんですか?旦那さんが呼んでますよ?私の事は大丈夫です。お話出来て良かったです。ありがとうございました。」
主は旦那という言葉に反応して、顔を赤くしたが吹っ切れたような顔をしていた女性を見て笑顔で答えた。
「私も、お話出来て良かった。」
主は女性から離れて隼人の元へ向かって行った。女性はその背中を見て、決意を新たにお手洗いから出て行った。
「◯◯!何処行ってたんだよ!?」
「ごめんね。でも、もう大丈夫だよ。」
隼人は主の手を握り締めながら、不貞腐れたような顔をした。
「…今夜、手加減しねぇからな。」
主と話した後にお手洗いから出た女性は、隼人の言葉を聞いてしまいふと笑みを零した。
(…いつまでも、お幸せで居て下さい。)