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初めてたっくんの口からリュウキとの出会いや想いを聞かされて正直驚きを隠せなかった。
「やっぱキモいって思ってるでしょ」
「そんなことない。同じ人を想い続けるってすごいことやん。」
不安そうなたっくんに声をかける。驚いたけどこれは本当の気持ち。
今まで自分から人を好きになったことがない俺にとってそんなに長く一人のことを想えること自体素敵やと思う。
「エイキはどうなの?モテるくせにそういう話聞いたことないけど」
「俺?俺は別に、、なんも、ないよ?」
「ふふ笑 なんだエイキも分かりやすいじゃん笑 好きな人いるんだ?」
たっくんにそう言われ、頭に浮かぶのは一人。
ーーーナオちゃん。
正直、初めは興味本位やった。セイトとのこと応援するなんて言っといていつの間にかセイトを見つめる目を俺に向けさせたくて。俺のものになって欲しいと思ってて。
好き、だと思う。ナオちゃんのこと。
エイキくんって嬉しそうに話すところや笑うと意外と子どもっぽい顔になるところ。実は誰よりも気遣いで周りを見ているところ。
いつから惹かれてたなんて分からない。
ただいつの間にか頭を埋め尽くすようになっていて。
振り回されてもいいなんて思えるようになって。
ーー何も言えずにいる俺を見てたっくんはまた笑った。
「まー無理には聞かないでおくよ笑 お互い、頑張ろうね?」
「、、、うん。そうやね。」
そろそろ出るかと2人で学校へ向かう。
並んで歩きながらまたナオちゃんのことを考える。
「俺、本気になっていいんよな、、」
いつの間にか声に出ていたみたいでたっくんが驚いた顔をした後すぐに目を細めて笑う。
「その感じ、もう本気でしょ?好きになるのなんて自分じゃコントロールできないんだから、エイキの思うままでいいと思うよ。」
そんなたっくんの言葉に胸が軽くなる。
無意識に、まだセイトのことを好きなナオちゃんにあんなことを言って困らせてしまっていることへの罪悪感があった。
でも、自分の一言で顔色がコロコロ変わるナオちゃんが愛おしくて仕方がなかった。
やっぱり好き。
そう改めて自分の中で思うと自然と校舎へ戻る足は早まっていったーー。
ーーーーー
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文化祭の準備中、いつの間にかセイトがいなくなってることに気づき、あいつサボってんな〜とすぐに分かった。
「もう〜セイトどこ行ったんよ!」
文句を言っていると一人の女の子が私探してくるよなんて言って教室を飛び出していった。
あの子、、、好きやんなセイちゃんのこと。
自分もそうだったから分かる。好きな人を見つめる目に嫌でも気づいてしまう。
「、、、大丈夫?ナオヤ」
走っていく女の子の背中を見つめるナオを見てランが心配そうに声をかけてくれる。
「っごめんごめん!大丈夫やで!続きやろランちゃん!」
作業に戻ろうとする手を止められ、ランにじっとこちらを見つめられる。
「、、なんでいっつも本音隠すん。俺ら友だちやん。俺のことももっと頼ってや。」
そう話すランの手に力が籠る。
「ランちゃん、、。一回、話そっか」
そう言って2人で空き教室を探して向かった。
静かな空間に少しの気まづさを感じ、少し距離をとって椅子に座る。
「ランちゃん、、ごめんな?心配してくれてるのに。」
「いや、俺こそごめん。別に無理に言おうとしなくていいけん。ただ、セイトのこと好きって知ってから何も相談とかなかったのに、急に振られたとか言ってきたから、、大丈夫かなって。」
「、、そうやんな。部活一緒やからエイキくんに聞いてもらうこと多くって、、。
あ、別にランのこと信用してないとかちゃうよ?!
ただ、もうほんまに大丈夫やねんナオ。ほんまにセイちゃんは友だち。やし、引きずってないから安心して?」
「、、エイキ、ね。
ならええんやけど、もっと俺のことも頼って。」
そう話し、こちらを見つめるランはまるで子犬みたいでなんだか可愛いなんて思ってしまった。
「ぶっ笑 あんたほんまかわええな〜」
「かわいくないけん、やめろ。」
さっきの空気なんて忘れたみたいにいつの間にか笑い合っていた。セイトのこと言っといてナオたちもサボってるやんなんて慌てて教室へ戻る。
廊下を歩いている途中、手に買い物袋をぶら下げたエイキとたっくんを見かける。
「ナオちゃん!」
ナオと目が合った瞬間嬉しそうにこちらに駆け寄るエイキ。なんかこっちも子犬みたいやん。
「エイキくん、荷物大変そうやね?買い出し?」
「うん。今帰ってきたとこ。ナオちゃんも準備中やんな?顔にちょっと絵の具ついてるよ」
可愛いなんて言って頭をポンと撫でられる。
またや。どういうつもりでやってんの?
そう思いながら自分でも顔が熱くなることが嫌でも分かった。
「まだ、準備終わってないんで戻っていいすか?」
そんなナオたちを遮るようにランが話す。
なんかランちゃん怒ってる、、?
「、、、ランだけ先戻ってよかったけど。
じゃあナオちゃん俺らもまだ残ってるから行くな?またね」
そう言ってエイキはたっくんと一緒に教室へ戻っていった。
もしかして、ランとエイキってあんまり仲良くない、、?なんて少し不安になる。でもそんなこと本人に聞けるわけもなくモヤモヤしながらナオたちも教室へ戻ったーー。
ーーーーー
「エイキの好きな人ってナオちゃんなんだね笑」
タクトは笑いながらエイキの肩に手を置く。
「はあ〜、、言わんといて。流石に自分でも分かりやすすぎたの恥ずいから。」
「ふふっ笑 でもまあなんかライバル出現って感じだったけど大丈夫?」
「、、、分かってる。でも別にあんな年下なんとも思わん。ちょっとクラス一緒なだけやろ。」
「いやめちゃくちゃ嫉妬してるじゃん笑」
なんか面白くなってきたなんて思ってタクトは内心ワクワクしていたーー。
コメント
1件
あめさん、第29話読みました!エイキくんがようやく自分の気持ちを自覚するところ、すごく良かったです。「本気になっていいんよな」って声に出しちゃうところとか、たっくんの「もう本気でしょ?」って返しが優しくて。一方で、ランとエイキの間にちょっとした緊張が見えたのも気になりますね…年下のライバル出現、たっくんがワクワクしてるのが面白い(笑)それぞれの視点が切り替わる構成も好きです。続きが気になります!