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添島先輩はモネち狙いでは無かったのか。 次は誰が来たのか。 なんでこう次々と試練?みたいに登場するかなw
誰?
意外な告白に驚いた…!
吉良は大人で余裕があって、仕事ができて完璧で、いつも私を守って甘やかしてくれる。
…そんな存在だと思ってた。
それが嫉妬に苦しむなんて…しかも私への嫉妬に…!
あぁ、恋人から降格して、セフレになり下がったんじゃないかと不安になってた自分に教えてあげたい…
こんな未来が待っているよ…と。
「自分が嫉妬するのはわかってたんだよな。だから社会に出さないで、嫁にもらっちゃおう…なんて思ってた」
バツが悪そうにそんなことを言う吉良は新鮮。
ちょっとだけ少年っぽく見える。
吉良の実家に行って、知らなかった吉良の生い立ちを知って、守りたいって思ったことを思い出す。
「嫉妬、してくれたの?」
「うん…まぁ。初めてうちの会社に来たときから本当は面白くなかった」
私を抱き寄せて横になる吉良。
「なんだかもぅ…嬉しい…」
「…嬉しい?」
「うん、だって…ずっと余裕なく好きだったの、私の方だから」
吉良はなぜか目を丸くして、しばらく私を見て、笑った。
「そうだった。モネはそう思ってるんだったな」
ウンウン…と笑ってうなずくけど、違うの?
「…ひとつ言っておかなきゃならないことがあるんだけど」
横向きになって、私を胸に閉じ込めながら、改まって言うから何事かと思う。
「会社の人間には付き合ってることを言わないって言ったけど…実は郷田之森にはバレてる」
郷田之森さん。
ラーメン屋で会った時、吉良と一緒にいた部下の人だ…
「そうなの?…」
「この前の出張の時、モネの写真見せたから、ランチで会った時すぐわかったと思う」
「でも…それにしては腕に触ったり、妙に身内感出された気がするけど?」
「…え、マジ?」
気づいてないんだ…
あんなにあからさまに腕に触られてたのに。
「もしかしてそれで動揺して携帯忘れたのか?」
「うん、まぁ…」
フフッと笑って、吉良は自分の胸に私を抱き寄せた。
「…ラーメンも喉を通らなかったんだから…」
お互いに妬きもちを妬いていたことを知って、なんだか笑いあってしまった。
「前に話した万里奈って同期がね、添島先輩のこと好きみたいなの。…今度くっつけちゃおっかな…」
「それ、俺も乗った。…その2人には、俺とのこと話しといてもいいかもな」
「…ホントに?!」
お許しが出て、なんだかとっても嬉しい!
私の恋人は吉良だって、堂々と宣言していいなんて、夢みたい…
大げさだ…と笑われたけど、吉良も少しホッとしてるのがわかる。
もしかして…添島先輩に対しての牽制ってやつなのかな?
私のミスの処理も終わり、そのお礼ということで添島先輩を夕飯に誘った席でのこと。
話の合間に…吉良の恋人が実は自分だと告白した。
「…えぇっ!そうだったの?」
「はい…私のような者が、恥ずかしながら…」
食事には万里奈も誘っていて、彼女は添島先輩とは違う反応をして見せる。
「私はもしかしたらそうかな…って思ってた!」
隣に座る万里奈が得意そうな視線で顔を覗き込むので、やっぱり彼女の勘は鋭かったようだ。
ところで今日の万里奈も、前の席に座る添島先輩を前にして、頬を染めているように見えているのは私だけなのでしょうか…?!
添島先輩の名前を出して、一緒に食事に行こうと誘ってみたら「…行く!」と乗り気な様子で来てくれたところをみると…私の予想は当たってるんじゃない?
「そ、れでですね…これから吉良さんが合流することになってまして」
「…えぇ?そうなの?…俺にめちゃくちゃいじられるの、わかってるのかなぁ?」
楽しそうに話す添島先輩。
私は万里奈に「では、席を…」と言うと「あ。そっか!」万里奈はすぐに気付いて、添島先輩のとなりに移動してくれた。
「…え、なに?美人が近くに来てくれて嬉しいけどさ、席替え?」
添島先輩はかなり鈍い方なのかもしれない。
…万里奈が頬を染めるくらいでは、きっとその気持ちに気付けないだろう。
「すいません…吉良は恋人なので、私の隣に座ってほしいんです。…あ、でも…なんだかホラ!」
はてな顔で首をかしげる2人に、私はポンっと手を叩いた。
「…恋人みたい!美人の万里奈と爽やかイケメンの添島先輩…お似合いですぅ」
「…え?え?」と頭をかく先輩と、さらに顔を赤くする万里奈。
これはいい雰囲気なんじゃない?なんて思って1人パチパチ拍手をしてみれば、背後から大きな手が頭に乗っかる。
「…すいません。うちの桃音が先輩を冷やかして…」
その声は吉良…!
私の隣に座ったとたん香るいつもの吉良の匂いに、クラクラめまいまでしてきた。
4人での食事会は楽しいものとなり、吉良が来てくれたことで、万里奈は自然と添島先輩と一緒に帰る流れになった。
じゃあねと手を振り、私は吉良を見上げる。
「…なんだかお見合いの仲人さんをやった気分!」
「うん。いい感じに世話焼きのおばちゃん感出てた…!」
「おばちゃん?やだぁ!」
2人と別れてすぐ手を繋いでくれる吉良。まだ会社からそんなに離れてないし、会社帰りの人がたくさん行き交ってるけど、いいのかな?
「…俺はもう隠さないことにした」
「え?」
「誰に見られてもいい。…かえってその方が自分のためでもある…」
後半はよく聞こえなかったけど…?
やがて駅が見えてきたところで、後ろから急に男の人に声をかけられた。
「…モネちゃんじゃない?」
私…?と思いながら後ろを向くと、そこに芸能人が立っていて驚いた…!