テラーノベル
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第1話:徹夜の果てに
――カタカタカタ…ッ。
深夜のオフィス。
煌々と蛍光灯が照らす中で、俺は机に向かってキーボードを打ち続けていた。
kr「……よし……、あとこの資料だけ……」
時計の針はすでに午前3時を指している。
目の奥がじんじん痛む。肩も重い。頭も回らない。
でも――止まるわけにはいかない。
kr「これをやらなきゃ、部下たちに負担がいく。……それだけは避けたい」
そう自分に言い聞かせながら、俺――クロノアはもう何時間も、ひたすらパソコンに向き合っていた。
だが、限界は突然やってくる。
手元がふらつき、視界がかすみ、意識が遠のく。
「あ、れ……」
椅子から崩れ落ちる瞬間、自分が倒れていることすらわからなかった。
sn「……あれ? 忘れてた……」
数時間後。
誰もいないはずのフロアに、ひとり静かな足音が響く。
その主は、俺の部下――しにがみくんだった。
sn「提出ファイル、コピーしてくるの忘れたな……急いで……」
そう呟いて入ってきたしにがみは、デスクの影に見えた俺の姿に気づく。
sn「……えっ……? クロノアさん……?」
声が震える。
近づくと、俺はうつ伏せのまま、床に倒れていた。顔色は悪く、呼吸も浅い。
sn「……クロノアさん!!」
しにがみは即座にスマホを取り出し、震える手で連絡をする。
sn「ぺいんとさん、トラゾーさん!! クロノアさんが……倒れてます!!」
10分後。
真夜中の会社に駆けつけたのは、俺の秘書――トラゾーと、部下のぺいんとだった。
pn「……マジかよ……本当に倒れてるじゃねぇか」
ぺいんとが小さく呟き、息を呑む。
トラゾーは慌ただしくスマホを取り出して、救急に電話をかけながら、顔をしかめた。
tr「……だからあれほど徹夜はやめてくださいって言ったのに……」
pn「……俺……こんな形で、クロノアさんに会いたくなかったな……」
しにがみくんは、ただ黙って俺のそばに座り、青ざめた顔で俺の手を握っていた。
sn「……クロノアさん、大丈夫……ですか……」
どんなに優しくしてくれても、どんなに頑張っていても、
身体が壊れてしまっては――意味がない。
夜明けが近づいても、オフィスの空気は、静かで、重かった。
コメント
2件
おぉ…‼️新作だぁ‼️もう面白くて本当に好きです🫶頑張ってください✨️