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視点🐼
「ねぇnakamu。そいつ誰?」
そう言いながら瑠久が指さした先には幼馴染の時也ー基きんときがいた。
「こいつはきんとき。俺の幼馴染だよ」
「どうも青金時也です。よろしくね」
いつものように爽やかな笑みを向けるきんときに訝しむ視線を送る玲央。
玲央の視線は、まるで獲物を測るみたいに鋭かった。
対して、きんときはいつも通り。穏やかで、柔らかくて、なのに。
……なのに。
空気が、重い。
「……なんか、圧すごくない?」
小声で瑠久が俺に耳打ちする。
うん、わかる。わかるけどさ。
「え? きんときが?」
「いやいやいや、あれ優等生だけど実はめっちゃ怖いタイプだって!」
玲央も無言で何度も頷いている。
正直、俺以外の二人が警戒するのも無理はなかった。
きんときは、何も言わず、ただじっと俺の隣に立っているだけなのに。
その視線は、瑠久と玲央を――静かに、鋭く見ていた。
「……」
「……」
気まずい沈黙。
耐えかねた俺は、ぱっと声を上げた。
「えっと! きんときは悪い奴じゃないから! 俺の幼馴染で!」
「それは聞いたよ」
瑠久はにこっと笑ったけど、目が笑っていない。
玲央に至っては、短剣に手をかけている。待って待って待って。
「……祐希」
そのとき、きんときが俺の名前を呼んだ。
声は穏やか。でも、はっきりと俺に向けられている。
「今日は、どこに行く予定?」
「え? あ、えっと……仲間探し、かな?」
「……そう」
その瞬間。
圧が、さらに強くなった。
空気がきゅっと締め付けられる感覚。
魔力、というより――意思。
「ちょ、ちょっと待てよ。」
玲央が一歩引く。
「……Broooock、こいつ……」
「うん、わかってる。敵意はない。でも……」
二人の視線が、きんときに向く。
俺は、ようやく気づいた。
きんとき、俺を守ろうとしてる。
俺が何も考えずに突っ込むのを、
危ない目に遭うのを、
全部、止めようとしてる。
「きんとき」
俺は一歩前に出て、彼を見上げた。
「大丈夫だよ」
きんときは、少しだけ目を見開いた。
「俺、一人じゃない」
そう言って、瑠久と玲央を見る。
「この二人、信用できる。
……少なくとも、俺はもう命預ける気でいる」
しばらくの沈黙。
きんときは、小さく息を吐いた。
「……そっかぁ」
圧が、すっと引いた。
まるで何事もなかったみたいに、いつもの優等生の顔に戻る。
「ごめんね。警戒しすぎたみたい」
「いや……あれで“しすぎ”なら、普段どんだけだよ」
玲央が苦笑する。
_________
それから。
俺が仲間探しだ、訓練だ、と動くたびに、
きんときは自然に隣くるようになった。
「ついてくるの?」
「祐希が行くなら」
それだけ。
理由を聞く必要もなかった。
_________
ある日の夕方。
人工光が少しだけ落とされた時間帯。
訓練後の休憩スペースで、
玲央ときんときが、並んで腰掛けていた。
金属ベンチは冷たく、遠くで誰かの魔法音が響いている。
「お~い!2人t「きんとき」………」
玲央が、静かに切り出す。俺は話しかけちゃいけないと思い、物陰に潜む。
「……お前さ、祐希のこと、めちゃくちゃ大事にしてるよな」
きんときは否定しなかった。
「でも」
玲央は、自分の手のひらを見つめながら続ける。
「祐希だけじゃなくてさ。
俺たちも……友達にしてくれよ」
風が吹いた。
換気用の送風が、二人の間を通り抜ける。
「俺、ずっと“欠陥品”って言われてきた。
ずっと薄暗い部屋の中で過ごしてた。
それでも、今ここにいるのはnakamuやBroooockがいたからだ。」
きんときの指が、ぎゅっと握られる。
「仲間を守るのも危ない目に遭わせないのも、一人でやることはないだろ。」
長い沈黙。
やがて、きんときは息を吐いた。
「……俺は」
声が、少し震えていた。
「祐希だけを見ていればいいと思っていた」
顔を上げる。
「それが、一番安全だと」
そして、小さく笑った。
「……狭い世界だな」
「今気づけたなら、十分だろ」
玲央はそう言って、肩をすくめた。
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その夜。
「きんとき」
俺は、真正面から言った。
「一緒に来て」
地下の街の光が、二人の影を長く伸ばす。
「俺たちと、仲間になって」
きんときは、少し驚いた顔をして、
それから――ゆっくりと、頷いた。
「……条件がある」
「なに?」
「行くなら」
彼は、まっすぐ俺を見る。
「必ず、一緒に空を見よう」
胸の奥が、じんと熱くなる。
「うん」
俺は笑った。
「約束」
まだ誰も見たことのない青を。
閉ざされた世界の、その先を。
俺たちは――一緒に行く。
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名前 青金 時也(あおがね ときや)
年齢 12歳(18歳)
ポジション バッファー
武器 二丁拳銃
魔法 水
身長 172cm
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