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…なんで、尾道に来てるんだろう。
『今治、今日空いてる?』
家でのんびりしていた時だった。尾道からメッセージが飛んできて、何かと思えばそう問われていたのだ。空いてるよ、と手短に返すと、彼から、今上島町にいるから迎え行くね! という端的かつ何をしていたのかわかりやすい文章が返ってきた。
たぶん、上島と遊んでいたのだろう。アイツ、僕より尾道に懐いてるんだもん。
「なら大三島まで移動しとくね、…っと」
労力軽減のため、仕方ないから大山祇のところまで行こう。流石に上島からそのまま四国本島へ来るのはそこそこに時間がかかるだろうから。
ピコンとスマホが鳴れば、そこには『ありがとう!』と表示されていた。ところで、空いているとは答えたものの、何の用だろうか。…碌なことじゃない気はするけど。
大三島まで移動し、尾道を待つ。途中で大山祇に会って、事情を言えば何か悟ったような目をされた。…何ぃ?
少し経って、尾道がやって来た。上島も連れて。
「やほ~! 大三島まで来てくれてありがとう!」
四国まで迎え行くってなったら大変だったよ~と尾道は告げる。僕が、何をするのか、そう問えば尾道は少し意地悪そうに笑ってシーと口元に人差し指を当てただけだった。教えない、ってことか。
…つまり教えたら僕に帰られるってことじゃないの? この時の僕はそんなこと考え付かなかったけど。
上島町に聞いてみても、知らないの1点張り。まぁ仮に彼が尾道に教えてもらえてたとしても、彼は絶対に僕より尾道の方の言うことを聞くだろうから仕方ないけどね! (怒)
「――まぁ、二人集まったところで…、尾道市にごしょーたーい!」
そう言った尾道に手を取られる。視界がぐわんと揺れて、次に付いたときは見覚えのある尾道の家の前。恐らくワープを使ったのだろう。
ほらほら、入って、と嬉しそうに軽い足取りで歩く尾道の後ろを僕たちはついていく。
彼の家の中に入ると、いつも通り彼の飼い猫である4匹がお出迎えしてくれた。…ん?
「…え、なに手に持ってるの…?」
「え、猫耳カチューシャ」
あっけらかんとそう言うもんだから、つい聞き返してしまう。
「…なんで?」
「今日ねこの日だよ?」
「え、と、ねこの日だから、ボクたちに着けてくださいってことですか」
そうそう、と彼は2つ返事で頷く。あ、上島はこっちの方が似合うと思うよ、なんて僕のかわいい弟分にも進めてくる。うん、やっぱり尾道に懐くのは教育に悪い。そんな気がした。
「さ、流石にボクはちょっと…」
よし、上島も嫌がってる。これなら上手いこと言い訳して二人で逃げられそう。…そうだなぁ。
「僕もキツいと思うんだけど。ほら、僕もういい歳だし、…あとちょっと仕事忘れてきたなぁって思ったリ…」
「…? 大山祇が仕事全部終わってるから暇してるだろうって言ってたよ?」
…アイツッ…。う~ん、仕事を言い訳に逃げられないかぁ。ならどうしようかな…。
「でもほらちょっと猫耳は僕たちにはキツいって…絵面がさ、あと歳も歳だっていってるでしょ?」
僕がそう言い訳をした時だった。ガチャリと玄関奥の、尾道の家のリビングにつながっている扉が開く。
「尾道もう帰って来たのか?…あ、今治と上島だ。久しぶりだね」
僕はこれでどんな言い訳もできなくなった。猫耳を付けた三原さんが、そう声をかけてきたから。
「…お、おかしいよ…なんでそんな羞恥心の欠片もないんですか…」
いやまぁ、慣れってか…、と返事をしたのは三原さん。流石にこの人が猫耳を付けている以上、僕は歳を言い訳に出来なくなったし、もう諦めモードに入ってしまった。上島は最後まで抵抗しようとしていたが三原さんからのいいんじゃない、の一言で負けてしまった。この人さえいなければなぁ…。
この人に勝てない理由は1つ、単純に敵に回したくないから。頭の回転が速すぎるのだ。そのうえ歴史柄強すぎる。流石は小早川隆景に面倒を見てもらった土地精霊というべきか。
ちなみに尾道はうっきうきで猫耳を付けて自身の飼い猫と戯れている。僕も膝に尾道の飼い猫の一匹であるサクラを乗せているんだけど。
「まぁ、吹っ切れたほうがいろいろ楽しいぞ」
そういい酒瓶に手をかけたのは竹原さん。って、おいこら。流石に見逃せない。
「おい何昼間からアルコール開けようとしてんですか」
「お酒だぁ! 飲んでもいいよね、今治!」
上島からそう問われ、問答無用、駄目、と僕は返す。駄目なものは駄目。僕たちは広島県外に帰宅する必要があるんだから。上島はバカバカバカと僕のことを罵ってくるけど気にしない。それにしても語彙がないな、そう思ってしまった。
酒はしっかり開けられて、大人たちが楽しんでいる。僕? 帰らなきゃいけないもの。飲まないよ。
「ところで何するの? パーティーみたいなのは聞いたんだけど」
呉がそう周りに聞く。確かに、そもそも何の集まりだったのだろう。僕と上島はほぼ連れ去られたみたいな感じで尾道の家に来たわけだが。
「友情崩壊ゲーでもする?」
家主は一言そう告げた。何するのか決めてなかったのかよ、とかいうツッコミは置いておいて、なんっつーゲームをしようとしてるの。
尾道が取り出したのは〇鉄。あ、僕たちでやってもちゃんと友情崩壊するゲーム。というか僕たちだからこそもっと簡単に友情崩壊するやつ。
「でもそれ、プレイヤー4人だよ?」
今ここに7人いるけど、どうする? と呉が疑問を呈した。それならいいや。
「僕は見学でいいよ」
「あたしと上島町も見学で」
なら決まったね~と尾道は言う。とはいっても二人酒飲んでる奴らだけど大丈夫かな…。
そんな心配は他所に、どうやら西日本・いつもの〇鉄「10年」で始めたようだ。まぁ今日は休日だし、こんなバカ騒ぎする日があってもいいか。
みんなの遊んでいる姿を見ながら少し経ったとき、唐突に玄関扉の開いた音がした。
誰か他にいるのかな、そう思って玄関口まで迎えに行く。上島と大崎上島も付いてきた。
「どちらさまですかー」
僕がそう声をかけると、見覚えのある人影2つが驚いたように跳ねた。
「え、い、今治さ、え、来てたんでs、え」
「わぁ、因島と向島だぁ」
「あぁ買い出し組。ご苦労様です」
二人の頭にも当然というかのように猫耳が付いていた。流石に親友とはいえ尾道にドン引きしそう。
「…二人ともそれで買い出し行ったの…?」
上島も少し驚いたような、憐れむような目で二人を見る。二人はあぁ、まぁ、というように言葉を濁した。
「…可愛いって言われて、いくらかまけてもらったから」
何とも言えない、少し気まずそうに因島はそういった。
というか尾道さんは、と向島に問われる。向こうで〇鉄してるよ、と言えば聞こえてくるのは家主の阿鼻叫喚。まぁ尾道以外は殆ど感情的にならない人たちだからねぇ。
「よし、シチューに到着、一番乗りだ」
「…危なかった。偶にはぶっ飛びも信じるもんだな」
「あぁぁぁぁぁ! やめて、まだゴールしないでぇぇぇ!」
「叫ばないでよ、尾道。…おいってかボンビーついてるんの俺なんだけど」
ワイワイガヤガヤ――。
「…楽しそうだね!」
そう言いながらも手には因島の得物であるメイスが握られている。おい、元市、やらかさないでよ。
「俺と向島がはっずかしい思いして買い出しに行っていたのに、待っていた人たちは楽しくゲームですか、はーぁ」
大変だね、と言えば尾道に振り回されるのは慣れてますから、もうどうでもいいんですけどね、と返される。解る。僕ももはや慣れに近い何かがあると思っている。
「…私次、参加させてもらおー」
そう言って向島はリビングに突撃していく。買い物袋の中身を見る。買ってきたものの中にはお菓子、おつまみ、酒などがあった。
一体何時までここにいようか。どうせ終電前には解散になるはずだから、その時に考えればいいか。そう切り替えて、僕も精一杯楽しむことにした。
日も暮れた夜。僕は今とっても頭を悩ませていた。それは――。
「帰るよ、上島」
「やだ。帰らない」
上島が駄々をこねてるから。あ、ちなみに家主は酔い潰れ、最初に酒に手を付けた人も酔い潰れた。逆に同じ時間から飲んでたはずなのにピンピンしている呉と三原さんが怖い。
…全く、帰らないってねぇ。僕は明日松山に行かなきゃいけないから、何が何でも帰らなきゃいけないのに。
僕たちがずっと言い争っているからか、因島が声をかけてきた。
「そしたら上島町、俺の家に泊まるか?」
「え、いいの?!」
因島の提案に上島が目を輝かせて喜ぶ。申し訳ないけど、それが妥協点になるなら仕方ない。
「…ごめんね、因島。お願いしてもいい?」
「うん、問題ない。俺からの提案だしね」
一件落着。僕は変える準備を進める。その途中、竹原さんを担いだ三原さんが話しかけてくる。なんだろう。…何か、忘れてるような。
「お疲れさん、猫耳取るの忘れないようにしなよ」
「あ”ッ…そうだ忘れてた…ハイ…」
……
「ありがとね、因島、泊めてくれて」
別に。俺がそう言えば上島町は苦笑いする。今治からまた怒られるかな、と彼はぽつりとこぼした。
「聞いてよ。俺もうこの世界に生まれてから20年経ってるんだよ! 2年前には20年経ってるんだよ。人の子でもお酒が飲める歳にはなってるんだよ。なのに今治がさ」
「まだ飲むなって?」
「そう」
色々過保護すぎるんだよ、あの人、と。
そうか、上島町もとっくに20周年を迎えたのか。そういえば、俺と尾道の合併からも早20年を迎えた。俺が市だったころに生まれた子供たちは、全員大人になったのだ。時の流れは想像の数倍早い。そう感じた。
後半猫の日関係なくね???
個人的に尾道さん自身が猫だと思ってるので許してください。東広島さんはお仕事じゃないですかね…。
あ、ちなみにKRS、桃鉄はもっていても桃鉄2は持っていないためいつのタイミングで東西選択なのかわかりません。
ちなみに今回この話を書くにあたって桃鉄2の地図を見に行ったんですが、カットされてた神奈川県央(あつ/えび/だの/さがみん)と湘南(つか/ちが)が新たに出来てる…?!?!??!と驚きました。嬉しいね。…でも藤沢がカットされたまm(((殴
桃鉄2の地図見てわいわい話したいですね。書きます。