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この作品、全部一気読みしたんですけど最高でした‼️ 父親からの支配、無くなるといいですね…
GW中はお勉強も頑張りたいので更新遅れるかもです💦
5年前~亮平13歳~
僕たちの父親は、自分勝手で、世間体ばかり気にするような人間だった。僕たちは出来が悪いと「躾」られた。
自分の子供達にすら暴力を振るうような人だから、何回も離婚と再婚を繰り返した。
だから母親なんてどうでもよかった。どうせすぐにいなくなってしまうから。
そして、僕たちは父が大嫌いだった。
父に愛された記憶なんてない。いつも手を上げられる恐怖に、僕たちは怯えさせられている。
僕たちが肉体的にも精神的にも追い詰められ、限界を迎えようとしていた頃、事件は起こった。
ある日、辰哉兄さんと涼太と翔太が、買い物に出掛けていった。その間、僕は照と大介の面倒を見ていたら、不機嫌そうな父が帰ってきた。
💚「あ、お帰りなさい!父さん」
🩷「お帰りなさい…」
父を怒らせないように笑顔を作る。どんなに疲れきっていても、そうしないと殴られてしまうから。
💛「…ボソボソ…」
父「おい!照!なんだその態度は!?」
💛「え、えっと、ごめんなさい…!」
照は父親譲りの強面なのに、大人しくて気弱な性格だった。父はいつも弟をストレス発散の道具として扱っていた。
照は今日学校でいじめにあったらしく、疲れた様子を見せていた。なのに父は容赦なく拳を振り上げた。父の顔がみるみる内に怒りで真っ赤に染まっていく。
父「この…!出来損ないの癖に!!お前なんか産まれて来なければ良かったんだ!」
💛「ごめんなさっ、ごめんなさい…(泣)」
何回も執拗に無抵抗の照を殴り続ける父を止めようと、照とは対照的な性格の大介が、父に掴みかかった。
僕もなんとか事を丸く収めようと、父を宥めて押さえつけようと試みる。
🩷「やめろっ!おれのひかるになにすんだ!」
💚「もうやめてっ…!父さん、落ち着いて」
父「あ”あ!?!大介!お前、父さんに向かって何つった!?」
🩷「っ!!ごめんなさい…」
父「お前みたいな反抗的な奴は、早いうちにこうしておかなければな」
そう言って父は懐からライターを取り出して、大介を壁際に蹴り飛ばした。大介は恐怖で踞り、動けない。
照を介抱しようとしていた僕は、慌てて叫びながら大介へ手を伸ばした。
💚「大介!?!危ない!!!」
なんとか大介を腕の中へ収め、父に背中を向けた。その瞬間、肉が焼けるような音と、激痛が背中に走って、僕は絶叫してその場に倒れた。
💚「う”あぁぁぁっ!!」
父から守ろうとして抱き締めた大介と、顔を傷だらけにした照が、泣きながら僕の名前を叫んだ。
🩷「兄ちゃん!?りょうへい兄ちゃん!」」
💛「兄ちゃん!!しっかりして!」
父は飽きたのか、知らん顔でベランダへ煙草を吸いに行った。
悲鳴を聞きつけたのか、買い物に行っていた兄弟たちも駆け寄ってくる。
💜「亮平!!どうしたんだ!?」
💙「りょうへいにいちゃぁぁぁぁん(泣)」
❤️「はやく病院に…!」
🩷「おれがおんぶしてくよ!」
朦朧とする意識の中で、兄弟たちの声を聞きなから僕は瞼を閉じた。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
気がつくと、僕は病院のベッドの上で、たくさん管を付けられて包帯を巻かれていた。
先生「亮平くん、気がついた?」
近所の病院の院長の目黒先生が、心配そうに僕の顔を覗き込んだ。
動く度に激痛が走る背中を擦りながら体を起こすと、先生に呼ばれた辰哉兄さんに抱き締められた。
💜「ごめんな、亮平。守ってやれなくて…」
兄さんは号泣して僕に何度も謝った。兄さんのせいじゃないのに。全部全部あいつのせいなのに。
僕の背中を優しく撫でる兄さんの腕には、昨日よりも痣と傷が増えていた。
辰哉兄さんが弟たちを見守る目は、誰よりも優しい。
そんな兄さんや弟たちを傷つける父親なんて、僕が許さない。
でも僕のこんな細い体で、兄弟たちを護ることなんて、できっこない。
だから僕は、たくさん知識をつけて社会的に自立し、父を社会的に殺せるような兄になることを目標に、いっそう勉強に励むようになった。
絶対に、いつかあいつの支配から逃れて、兄弟全員で仲良く暮らすんだ。
それだけを信じれば、僕は頑張れる。
世界一大事な、僕の兄弟たちを守るために。
次回は本編に戻ります!!
亮平くん思い出話の後編はこんど出します。お楽しみに!