――暗闇。
重低音が、空間を揺らす。
ヴィィィィィィィィィン――――‼︎
???:「……よし。出力、安定」
???:「心拍……反応あり」
ガチャン‼︎
金属音が響き、透明なカプセルに光が灯る。
へんな君:「……ん……?」
視界がぼやけ、液体の中で意識が浮上する。
???:「おっ」
???:「目、開いたな」
へんな君:「んんんーーーーーー⁉︎」
必死にもがくが、声は泡となって消える。
???:「あっ、ごめんごめん!」
???:「今開けるね〜♪」
バシャァァァァァン‼︎
液体が一気に抜け、床に広がる。
へんな君:「ゲホッ!ゲホッ!」
へんな君:「なっ……なにここ⁉︎」
へんな君:「ていうか!あなた誰ですか‼︎」
目の前に立っていたのは
白い服を着た、やけに軽そうな男。
神様:「あ〜、自己紹介まだだったね」
神様:「僕、神様。よろしく〜」
へんな君:「……は?」
数秒の沈黙。
へんな君:「か……」
へんな君:「神様ーーーーーー⁉︎」
へんな君:「ゼウスとか!雷とか!世界創ったりするあの神⁉︎」
神様:「うん」
へんな君:「うんじゃないのよ‼︎」
へんな君:「なんで僕、カプセルに閉じ込められてたんですか‼︎」
神様:「だって〜」
神様:「君、僕が作ったから」
へんな君:「……は?」
へんな君:「作った?」
へんな君:「作ったって言いました今⁉︎」
へんな君:「え、僕……人造人間?」
へんな君:「SF的なやつ⁉︎」
神様:「あー、違う違う」
神様:「正確にはね」
神様(少し真面目な声で):
「一度、死んだ肉体を――」
「パワーアップさせて、戻した」
へんな君:「……」
へんな君:「……え」
へんな君:「僕、ゾンビなのーーーー⁉︎」
神様:「違うって‼︎」
神様:「ほら、深呼吸!」
神様は指を一本立てる。
神様:「君はね」
神様:「“超人”っていう存在なんだ」
へんな君:「……超人?」
カプセルの光が完全に消え、
部屋の奥に無数の装置が浮かび上がる。
神様(静かに):
「これから君には――」
「普通じゃ、済まない運命が待ってる」
へんな君:「……ちょっと待って」
へんな君:「説明、追いついてないんだけど」
神様(笑顔で):「大丈夫大丈夫」
神様:「そのうち慣れるよ♪」
へんな君:「慣れたくない‼︎」
――こうして
“へんな君”の、
とんでもない物語が始まった。
(終)
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