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前回の続きです。
注意事項
・二次創作です。ご本人様とは一切関係ありません。
登場人物
らっだぁ ぴくとはうす ぺいんと しにがみ みどり
ra視点
俺は神社の階段をぴくとと一緒に下り、祭の中に飛び込んでいった。りんご飴とかあったし、金魚すくいだってあった。明治時代とはいえ、祭の中身は現代と遜色無かった。俺らはベビーカステラを買って屋台を練り歩いてたら、驚きの出会いがあった。
「だーれだ?」
「おわぁっ!?」
急に視界が暗くなる。誰かに目を塞がれてるのだとすぐに分かった。もちろん、声の主も。
「……ぺいんと?」
ぺいんと。昔から仲の良い実況者で、ぴくとと同じく友達の一人だった。いつもの服装からはあまり考えられない青い浴衣を着ている。
「おっ、せいかーい。何か不思議そうな顔してるな。めっちゃマヌケ」
「あ?」
一応ボケに反応してみる。するとぺいんとはケラケラ笑ったくれた。ヤバい。混乱してきた。ぴくとに関してはもう慣れた。けど、ぺんちゃんが居るとは聞いてない!あれ?もしかして、ぺいんとが居るなら……
「ちょっ……ぺいんとさん早いんですけど~、僕達の事も考えてくださいよ!」
肩で息をしながら浴衣姿の幼い少女のような人物が飛び込んできた。しにがみ。よくコラボする中の最年少で、日常組のメンバーの一人だ。
「しにがみ君じゃーん。やほー」
ぴくとが気の抜けた返事をする。それに対して、俺の鼓動は速くなっていった。何故。何故二人がこの世界にいるんだ?更に、次に来た人物を見て、体が雷が落ちたように固まる。
「おぉ~らだおくん。中々似合ってるじゃん」
フラフラと手を振りながら、驚きを与える人物みどりはこちらに向かってくる。やっぱりだ。多分この世界には俺以外に俺と仲のいい人が集まってるのかもしれない。
実験的なものとして、一つ質問してみよう。
「ねぇぺいんと」
「ん?何?」
「我々だのメンバーって、何処にいる?」
「我々だ?」
ぺいんとが顔をしかめる。もしかしたらこの世界に我々だは居ないのか……?不安になり始めたとき、ぺいんとが口を開いた。
「いるよ。向こうのくじ引き屋に。漢気くじ引き対決みたいなのやってるw」
親指で指差した方向には、我々だのメンバーがくじ引きで一喜一憂してた。良かった。多分、俺と仲のいい人は殆ど全員この世界にいる。じゃあこの世界は何なんだ?ここは明治時代で、俺と親交のある人は何故かここにいる。タイムスリップをしたとしたら、何で俺以外の人がいるのだろうか。考えれば考えるほど分からなくなり、頭痛がしてくる。俺はそこで考えるのをやめた。これ以上考えても答えは出ないと結論付けたからだ。
「らっでぃどうした?次の屋台行こうよ~」
ぴくとの声で思考は引っ込み、現実に戻ってくる。目の前を見るともう既にぴくとを含めた四人は俺の数メートル前にいた。
「ごめん、すぐ行く!」
タイムスリップの事は頭から追い出し、ぴくと達の方へ走り出した。
あれから結局、俺達は五人で祭を歩いた。ぺいんととしにがみは射的で盛り上がったし、みどりと俺はヨーヨー掬いで戦った。(結果はこっちの勝ち、当然だけどな)そして……あの時間が訪れた。
「らっでぃ、そろそろ行くよ」
「は?何処に?」
「何処にって、忘れてないよな?鈴狐神楽」
鈴狐神楽と聞いた途端、自分でも体が固まったのが分かった。思えば、空を見れば鈴狐神楽の時間である日没は近くて、東側の空には星が浮かんでた。
「そういえば、今年の神楽はらっだぁさんとぴくとさんでしたね。見てますからね~頑張って下さい!」
しにがみ君が小さくガッツポーズを作る。
「ことしはらだおくんが出るのかぁ~。何か不思議な気分」
みどりは手を頭の後ろで組む。片手にはついさっき釣ったヨーヨーがあった。
「まぁ大丈夫だろ。二人とも練習めっちゃしてたもんな」
ぺいんとが励ますように言ってくれた。
「そう、俺らめっちゃ練習したからさ。いつも通りやれば良いだけだよ」
ぴくとは得意気に笑った。
「うん……分かった。頑張るわ」
「よしっ、行こう。ほら、神楽の方炎着いてるよ!早く行かないと!」
ぴしゃっと気合いを入れるようにぴくとは、自分の頬を叩く。
「行ってらっしゃーい、ちゃんと見てるからなー」
走り出した後ろから、ぺいんとの声が聞こえてきた。神楽の方から微かに、二胡の音が聞こえてきた。
後編へ続く