※ゴリゴリの死ネタ&BL
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沈む。沈む。
どんどん落ちてゆく。
とうとう命の終着点が来たようだ。
短い人生だったが、仲間が居たお陰で、結構楽しめたな。
…ただ
最期にアイツが見れていたら
最期にアイツの笑顔が見れていたら
最期にアイツに気持ちを伝えられていたら
どれだけ幸せだっただろうか
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今日はカフェの定休日…だが、まぁ暇なので紅葉と適当に雑談してる。
午後からは紅魔館居候組もやって来る。いつもと同じ普通の日常。
でも、俺はそんな日常が好きだ。
人生ではもう、今日が来る事は無い。
つまり、毎日が特別な日なのだ。
今日も、今日という日を噛み締める。
カランカラン…と、店のドアが開いた時になる聞き慣れた音。誰か来たようだ。
そこに居たのは、いつもより乱れた髪で、汗だくになっている、紫髪と赤髪の青年___
キラ「紫霊とルビーか。そんなに汗だくになってどうしたんだ?」
紫霊「き…ら…」
完全に息切れしている。
一体どれだけの距離を走って来たのだろうか。紅魔館からでは無いことは確かであるが。
2人は混乱していたから、とりあえずコーヒーとココアを出した。
…あのルビーが混乱するなんて珍しいな。
勿論、普段ポーカーフェイスの彼も例外では無いが。
ルビー「取り乱してしまってすまない…」
紅葉「いいよいいよ!それで、どうしたの?」
紫霊「…実は…」
紫霊「…じつ…は…」
紫霊は言葉が詰まって話せていない。俯いたままだ。よく見ると目には涙を溜めている。
ルビー「…紫霊、無理に話さなくていい。俺が話そう。」
気持ちを察したのかなんなのか、ルビーが代わりに話し始めた。
…この二人は付き合っている。
勿論、告白したのは紫霊だ。ツンデレのルビーが言える訳無いからな。
そしてルビーも紫霊に好意を寄せていた為、快くOKしたとの事。
一応彼氏は紫霊で、彼女がルビーだそうだ。
なんやかんや上手くやってるらしい。
そんなアイツらが羨ましい。
俺はザキが好きだ。
でも、俺とアイツは相棒だから、言いにくくて、今も言えないままでいる。
時々紫霊とルビーに相談しているけど、やはり言えないのだ。どうしても。
そんな事を考えていると、ルビーが話を切り出した。
ルビー「キラ、紅葉。今から信じられない事を言うが、落ち着いて聞いて欲しい。」
ルビー「…ザキが……」
「死んだ」
…コイツは、何を言ってるんだ?
ザキが、死んだ?
そんなの、有り得ない。
あの強いザキが死ぬなんて、有り得ない。
今日は9月14日。
キラ「…おいおい、今日はエイプリルフールじゃねぇぞ?それにしても、演技上手だn」
ルビー「残念だがこれは本当だ。」
…なら、これは夢か。悪夢なのか。それはな早く目を覚まして…
…あれ?肌寒い?
夢じゃ、ない?
悪夢じゃ、なくて、
現実_____
ルビー「…キラ、落ち着いて聞けと言っただろう。」
気付けば俺は、目の前の男の胸倉を掴んでいた。
キラ「落ち着く?そんな事出来るわけ無いだろうが!ザキが、相棒が、死んだんだぞ!!それを急に知らされて、落ち着いてられると思うか!?」
ルビー「…そうか。」
ルビー「お前は怒りと悲しみを感じたのか。」
キラ「無なんて感じられねぇよ!!ていうかなんで助けなかったんだよ!?お前なら助けられただろうが!その為の力だろ!!」
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…そうだ。
その為の力の筈なのだ。
だがザキは…
ルビー「…俺が行った頃には既に死んでいた。」
ルビー「現場の状況から見て、異変解決をしている途中、崖から落ちて、そのまま湖に沈み、溺死してしまったようだ。」
…俺の力を使うとか、そういう話じゃ無かったのだ。
でも、あの時、俺が異変をザキに任せなければ、違う結果になっただろう。
そんな自分を悔いやむしか無いのだ。
また俺は、仲間を失った。
…待てよ?
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俺まだ、ザキに好きだって伝えてねぇじゃん。
俺まだ、ザキと居たかったのに。
ザキと一緒に日常を過ごしていきたかったのに。
キラ「なんでだよ…」
ザキ___
ルビー「…お前はまだ、無を感じていないんだな?」
一瞬、ルビーの目に希望が見えた気がした。
俺はまだ、
キラ「…ああ、無は感じてない。怒りと、悲しみと、後悔。無なんて、感じられるはずが無かった。」
ルビー「…能力の塔があると言っていたな?」
キラ「…?ある…けど…」
ルビー「ならば___」
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…ここは何処だ?
確か、崖から落ちて、そのまま湖に沈んでいって…
死んだ、はず。
ザキ「あの世…か?」
???「君がザキ君かい?」
背後から声。高さ的に女だろう。
ザキ「っ…誰だ?!」
???「私は…」
叶「叶、だよ。」
…叶…何処かで聞いた事がある…そうだ。キラが言っていた…
ザキ「能力の塔の管理者…だったか?」
叶「せいか〜い!その様子だと、キラ君から話は聞いてるみたいだね。」
ザキ「なら、何でここに?」
叶「私は、ザキ君を迎えに来たんだ。」
叶「君は能力の塔に住んでもらうよ。」
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ルビーに、能力の塔に行けと言われた。
何故かは分からない。けど、希望が見えたから、俺は森を突っ走って行く。
キラ「着いた…」
入ろう。能力の塔に。
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紫霊「…なぁ、何で急に能力の塔に行かせたんだ?」
今、俺とルビーは紅葉と別れ、花を買いに人里に来ている。
そしてずっと気になっていた事を聞いてみた。
ルビー「…アイツらは、何かが違った。」
紫霊「何かってなんだよ。」
ルビー「分からない。けど、無を感じなかったと言った。」
ルビー「俺の勘が正しければ…」
「ザキは今、塔に居る。」
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キラ「邪魔するぞ」
祈「…!叶!来たぞ!」
叶「お〜!凄いね奇跡じゃん!」
…奇跡?コイツらは何の話をしているんだ?
叶「君、出てきていいよ!」
…奇跡…能力の塔…まさか…!?
ザキ「…えっ…と…」
ザキ「…久しぶり…って言うのか____ってキラ!?」
キラ「ザキ…だぁ…ザキが…居る…」
祈「…私達はあっちの部屋に居るからな。」
ザキ「あ、ああ…」
ザキ「落ち着いたか?」
…いや、落ち着いたか?じゃねぇよ。
てかまず、
キラ「何でお前ここに居るんだ…?」
そう。俺の最大の疑問。祈ならまだしも、何故ザキはここに来れたのか。
ザキ「…あー、それが…」
ザキ「俺達にも分からないんだ。」
キラ「分からない?」
ザキ「ああ、分からない。管理者も、神に『能力の塔に移送しろ。』と言われたから連れて来ただけらしく、意味は分かっていないんだ。」
ザキ「ましてや秘書なんて、把握すらしていなかったぞ。」
神様の悪戯…と言うのだろうか。まあ何にしろ、今は…
キラ「ザキにもう一回会えて良かった!」
…頑張って満面の笑みにしたけど、ダメだ。やっぱり無理だ。
ザキがここに居るという事、すなわち、死んでいる事を意味している。
会えても、死んだ事には変わりない。
ザキ「…泣くなよ、キラ」
キラ「やっぱりお前が死んだなんて…信じたくねぇよ…」
キラ「生きて…欲しかった…」
いつの間にかザキも泣いていた。俺達は、泣いて、泣いて、泣いた。
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暫く沈黙が続いた。2人の涙はもう止まっている。
ザキ「…なぁキラ、ずっと、言いたいことがあったんだ。…出来れば生きてる時に言いたかったが、死んでしまったなら仕方ない。」
キラ「ああ…俺も言いたかった事が…」
ザキ「?そうなのか?ならお前からいいぞ。」
キラ「…ずっとお前が…」
キラ「好きでした。」
刹那、見開かれるザキの目。そして数十秒後、吹き出した。
キラ「…んだよ…可笑しいかよ…//」
ザキ「いや…俺が言おうとした事と全く一緒だったから…」
キラ「…え?」
ザキ「だから…」
ザキ「俺もお前が好きだ。キラ。」
数十秒固まり、口を開けているキラ。その後、笑顔が咲いた。
キラ「ふっは!マジか!めっちゃ嬉しい!」
ザキ「でも、霊と人間ってどうなんだ…?」
キラ「んなもん関係ねーよ。ザキはザキ、俺は俺。それだけで十分だろ?」
ニヤりと、悪戯っぽく笑う。そんなキラにザキは、そうだな。と、普段毒舌の彼らしくない優しい笑顔で微笑んだ。
暫く雑談をし、はっ、とキラが何かを思い出したように立ち上がった。
キラ「そうだ!紅葉達呼んでくる!ザキが居るって知らせねぇと!」
ザキ「え、あ、」
何か言いたげなザキを残して、キラは紅葉達の元へ向かうのだった。
ザキ「ったく…」
叶「よし、じゃあ皆でパーティーしよう!」
祈「はぁ?またか?」
叶「祈〜準備して〜」
祈「お前もやれ。」
叶「…はい」
ザキ「あー…何か大変そうだな、お前も。」
祈「お前がまともな奴で助かった…」
と、パーティーの準備を進めていくのであった。
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…ごめん、力尽きたわ( ・∇・)
♡1万来たら続き書いてやらんでもない(((((は
おつちこ〜
コメント
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うぉぉぉぉぉぉぉ!私は続きが見たいんだ!((꜆꜄ ˙꒳˙)꜆꜄꜆ポチポチポチポチポチポチポチポチ