コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あ、そうそう~ちなみにロボロさんは吾々学園っちゅーお嬢様校に通ってるらしいで?」「…なんで知ってんねん」「え、ちょっと悪い方法使って?w」大先生は飄々と笑う。シャオロンに向かって煙草の煙を吹きかけ、早くいけ、と彼を急かした。
シャオロンは少しだけ顔をしかめ、大先生の言うことに少し警戒しながらも、それでも一歩踏み出す覚悟を決めた。「おまえ、ほんまに余計なことばっかり言うな。」シャオロンは言って、煙草の煙を避けながらも、大先生に一瞥をくれる。
大先生は楽しそうに笑う。「だって、シャオちゃんが頑張ろうとしてるんやろ?せっかくならちょっと手助けしてやらんとな。」
シャオロンは一瞬、うるさそうに眉をひそめるが、すぐにため息をついて歩き出す。「わかった、行けばいいんやろ。大丈夫、俺は自分で行ける。」
大先生はゆっくりと煙を吐き出し、シャオロンの背中を見送る。「ほんなら、行ってらっしゃい。ロボロさんに何か伝えたいことがあれば、しっかり言葉にしろよ。」
シャオロンは振り返りもせず、「うるさいな、わかってるわ」とだけ言って、夜の街を歩き始めた。ロボロが通うというお嬢様校、吾々学園へ向かうその足取りは、少し重かったが、それでも確かな決意が感じられた。
その頃、ロボロは学園内でのいつも通りの完璧な日常を送っていた。だが、シャオロンのことが気になって仕方なかった。彼の目に映る自分は一体どんな姿なのか、彼が見ている自分は強い存在なのか、はたまた弱い部分が見えているのか。それとも、ただの遊びの対象にすぎないのか…。
そんなことを思いながら、ロボロはふと、昨日見かけたシャオロンの優しい笑顔を思い出していた。彼の笑顔には何か引き寄せられるような力があった。それは、彼の華奢な体や、女装姿とは違う、もっと深い部分に存在する魅力のような気がしてならなかった。
「…あの子は…」ロボロは小さく呟く。自分の心が、少しだけ不安定になっていることに気づきながら、まだ見ぬシャオロンに対する興味と、ほんの少しの期待を抱えて、学園の隅に目を向けた。
ふとロボロが窓から校庭を見ると、見慣れた姿がそこにあった。茶髪のボブ、子犬のような丸い瞳、華奢な体。着ている服は違ったが、その雰囲気でわかってしまった。「シャオロンさん…!」
ロボロはその瞬間、胸の奥に一瞬の動揺を感じた。自分でも驚くほど、急に心が高鳴るのを感じる。シャオロンがそこにいる。いつものように、ちょっと無防備で愛らしい姿をして。だが、今日はその表情にどこか決意のようなものが感じられ、ただの好奇心や遊びではない、強い意志が彼の瞳に宿っていた。
「シャオロンさん…」ロボロは小さく呟く。窓から視線を送るだけでは足りない、彼に直接会って何かを言いたくなった。しかし、すぐには動けなかった。どうしてもその気持ちに整理がつかない自分がいた。
校庭でシャオロンは他の生徒たちと何やら話しているようだが、どこか焦った様子で目を泳がせながらも、必死に何かを伝えようとしている。その姿が、ロボロの胸を締め付けるような切なさを引き起こした。彼は何を考えているのだろう。自分に会いに来てくれるつもりなのだろうか?それとも、単に偶然ここに来ているだけなのだろうか。
「やっぱり、会わないと…」ロボロは思わず窓の傍に立ち、深呼吸を一つした。自分の心の中で湧き上がる感情が何かしらの形で表現されないと、落ち着かない気がしてならなかった。
その時、ふとドアが開き、ショッピが顔を覗かせた。「ロボロお嬢様、あの、どうされましたか?」その顔に浮かぶ優しげな表情が、ロボロの心を少しだけ和ませる。
「ちょっと…外に行こうと思って。」ロボロはすぐにそう答えると、ショッピは心配そうに眉をひそめた。「お身体は大丈夫ですか?最近、少し元気がなさそうだったので…」
「大丈夫、心配しないで。」ロボロは軽く微笑むと、ショッピを安心させる。「ちょっと歩いて気分転換してくるだけ。」
そう言って、ロボロはドアを開け、校庭に向かって歩き出した。胸の中の不安定な気持ちを抱えながらも、シャオロンに何かを伝えなければいけない、そんな衝動に駆られていた。
外に出ると、シャオロンがまだそこにいた。目が合った瞬間、シャオロンもびっくりしたように少し足を止める。しかし、すぐに気を取り直し、ふわりと微笑んで手を振った。ロボロの胸がぎゅっと締め付けられるのを感じる。
「ロボロさん…」シャオロンが声をかけると、その声に優しさと少しの緊張が混じっているのがわかった。彼も、何かを伝えようとしているのだろう。
ロボロはその姿を見つめ、足を踏み出した。近づくたびに心の鼓動が速くなるのを感じ、そして自分の中で芽生えた不安と期待が交錯する。今、何を言えばいいのか、どうしても答えが出てこなかった。
「シャオロンさん、今日は…どうしてここに?」ロボロはふと、無意識にその言葉を口にしてしまう。