僕たちは、異能力家系に生まれた。
僕らの一族、麗家は、目に不思議な力が宿っている。
その名を『麗珠香眼』
未来を見たり、透視が出来たり、普通では見えない小さなものまで見えたり、夜目がきいたり、そんな家系に僕らは生まれた。
普通は継承者は一番最初に産まれたものしか異能は継承されないが、僕たちは双子だった。それに僕たちは継承者特有のみなはだ色の瞳を持って生まれた。
僕は生まれつき体が弱くて蘭冷はいつも元気いっぱい。蘭冷とお外で遊べることはあまり出来ないけど、お父様もお母様もみんな優しくて幸せだった。
だけど、ある日、ボクは能力に目覚めた。
僕の能力は、物や人を見抜く能力
それが本物なのか、この人は本当のことを言ってるのかが分かる。
でも、蘭冷には5年たっても能力に目覚めなかった。
「聞いた?麗家の下の子まだ能力分からないそうよ、」
「兄の方は開花したのにね、、」
「どの道。継承者は1人だけなのね」
「なにやら噂話をしているようだね」
「あ、、、す、すみません、、!」
「うちの子たちの悪い噂話はやめてもらえるかな?虫唾が走る」
「ひっ、!」
「お兄サマ、、蘭冷は、、きたいはずれなの?」
「そんな事ないよ。お父様もお母様も蘭冷のことを期待はずれなんか思ってない」
「ほんと?」
「能力が開花しなくても、麗家には
麗珠拳法がある。それで結果を出せば大丈夫だよ。」
本当はこんなこと言いたくなかった。
蘭冷が拳法をやることになったのは周りの大人が蘭冷を唆したからだ。お父様もお母様も何回も聞いてお話したけど蘭冷は習うの一点張りだった。蘭冷は自分の決めた道を歩んで幸せになって欲しかった。
「麗家と下の子、麗珠拳法の才があったみたいなの!」
「良かった、、麗家もこれで安泰だ。」
「……何も知らない癖に」
蘭冷には麗珠拳法の才があった。
それが分かると大人たちはみな一気に掌を返した。大人は嫌いだ、。蘭冷の努力も知らないくせに、、!毎日痣だらけになっていて、!遊びたいのに遊べなくて、、!麗珠拳法を習得するのがどれだけたいへんだとおもってるんだ?!嫌いだ、、大人なんか、、嫌いだ。
僕と蘭冷が9つの時お父様が他界した。
病死だった。お母様はお父様の死に心を病み離宮へと移動した。そして僕は麗家の当主になった。
「凛冷様が当主ならこの家は安泰ですねぇ〜」
「うちの娘を嫁にどうですか?」
「凛冷様!」
凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様凛冷様!
大人は嫌いだ。大人と同じくらい僕は僕が嫌いだ。
僕の眼は、すりよってくる大人の心までも見えてしまった。齢9つの当主に付け入って騙し、自分たちに利益があるように動かそうとする大人を何人も見た。継承者の僕はこういう定めなのだ。でも、蘭冷だけは偽りのない言葉をくれた。
「お兄サマ、なんか元気ナイよ?」
「蘭冷、お兄サマがよく眠れるようお歌を歌ってあげるネ」
嗚呼、この子の声は、笑顔は、何故こんなにも綺麗なのだろう、、。
「麗家の当主をあんな子供に任せられまい!」
「わたくしの子供に一任させてください!」
「我が家は分家ですが、 私の子は18です!」「どうか一任させてください!」
「でも、凛冷様でも成り立っているからわざわざ帰る必要はなかろう」
「、、くそ、あの忌々しい童め、、」
「凛冷様、お食事をお持ちしました。」
「ありがとう。」
ぱくっ
(?なんだか、、視界が、、ぼやけて、、)
僕らはこの後、分家のもの達に騙され、
あんなことになるなんて知る由もなかった。
蘭冷が〇〇するなんて、この時の僕か知らなかったのだ。
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