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地雷有る人🔙
僕は比較的人が苦手だ。
自覚があるほどに社会不適合だし、コミュニケーション能力は絶望的だ。
ましてや恋愛など、そんなたいそうなものはできるわけでもなく、好きな人ができることもなかった。
でも、彼だけは違った。
僕の初恋の相手は 男だった。
福「河村〜、この企画書目通しといて〜」
のんびりした声が僕の耳に届く。
彼こそが僕の初恋の相手、 福良拳。
恋を自覚したのは結構最近だが、きっと気づいていなかっただけでずっと好きだったのだろう
河「ん、わかった」
別に進展させる気もない。同性愛など、認められるわけがない
この思いもいつか昇華するだろうと、平然を装っていた。
企画書に目を通して、不備がないことを確認して福良に送り返す。
最近やっとYouTubeが軌道に乗ってきて、プロデューサーは忙しい
企画やクイズを考えているとあっという間に時間は流れて、気づけば定時。
伊沢がグーっと伸びをして、そうだ と声を出す
伊「今から行ける人で飲み行かない? 最近行ってなかったし、週末だしさ」
いいね、とこうちゃん、須貝さんあたりが賛成する。
福「久々だしいいね 俺も行こうかなぁ」
珍しく福良も賛同し、河村も行く?と声をかけられる。
普段はあんまり行かないが、福良も来るし気が乗ったので行くことを伝えた。
結局参加したのは、須貝さん、こうちゃん、山本、伊沢、鶴崎、福良と僕。
動画出演メンバーが主になって近くの居酒屋に行った
席について伊沢が全員分の飲み物を注文してくれる。
酒が飲めない鶴崎以外は生ビールを頼んだ
かんぱーいと声を伊沢が音頭を取り、所謂飲み会というやつが始まる。
程よく全員が酔ってきた時、クイズの話から繋がったのか、恋愛の話になった
山「んー、、 やっぱ開成って彼女とかできないんですか?」
山本が伊沢に話しかける
伊「できないよ。男子校だし、他校にできたりなんかしたらすーぐ話題にされんだから」
まあみんなそんなもんかと、適当におかずを口に運ぶ。
今現在、彼女がいると知っているのはこうちゃんくらい
須「福良はモテそうだよなぁ、背高いしな」
須貝さんがわはっと笑って酒を呷る
確かに。こいつコミュ力高いしモテるんだろうと思うが、同時に失恋感を増幅される
聞きたいのに聞きたくない
福「えぇ、俺〜? うーん、まぁ、学生の時はねぇそれなりに」
伊「今はどうなんですか やっぱモテる?」
だから聞きたくないのに。 なんで深掘りするんだよ伊沢。
そんな悪態を心で吐きながら、結局聞いてしまう
福「今? 今はそんなにかなぁ… やっぱ仕事優先になっちゃってるしね」
須「やっぱそうよな〜、 めっちゃわかるわ」
うんうんとみんな頷く
Rapi_
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こ「河村さんとかは、無頓着そうですけどね 意外といたりして?」
にやにや笑いながらこうちゃんが僕に話を振ってきた。
やめてくれよ、今結構安堵してたのに
河「僕も別に 今までしたこともないですしね」
伊「え、ないんですか!?一回も!??」
そんなに驚くこともないだろう。リア王で一点も取れなかったお非〜リアだからな。
河「うん。 縁がなくて」
福「へぇ〜意外だなぁ」
顔立ちは綺麗なのにね と福良がこぼす。 なんでもない褒め言葉のはずなのに、馬鹿みたいに真面目に受け取ってしまう。
あぁ、 ほんとに狡い。
そんなこんなで山本が潰れたのを境に、今日は帰ろうかとなる。
須貝さんが山本を連れて帰ってくれて、方向が逆の伊沢とこうちゃんと鶴崎と別れる
こんな夜に2人きり。 酔った所為にしてもいいかな
先に口を開いたのは、意外にも福良だった
福「さっきの恋愛の話さ 気になってるんだけど」
河「何、まだ揶揄うの」
違う違うと、笑う。 酔って無防備なその顔に、心臓が変な跳ね方をする
福「河村はてっきり、好きな人いると思ってたんだ。 なんか最近、変に浮いてるし」
態度に出さないようにしていたつもりだった。僕はそんなにわかりやすいか
河「なにそれ。 気のせいじゃない?」
甘えられない
言えない
伝えたら、伝えてしまったら、 もうこうして話せないかもしれないから
福「気の所為かー。 じゃあ、気の所為ついでに」
河「な…………に、、、」
急に腕を引かれて、福良に寄りかかってしまう。
福良の匂いが鼻腔を支配して、頭がふわふわする。
福「酔った俺の独り言として聞いて欲しいんだけど」
俺は河村が好きだよ
河「…………は?」
都合のいい空耳かもしれない。でも確かに、そう聞こえた。
頭から酔いが覚めていく。
恐る恐る顔を上げると、優しい顔をして僕を見る福良の顔があって、敵わないなって 思った
僕がそのまま目を瞑ると、 福良の温もりが唇から感じた
僕は比較的人が苦手だ。
そんな僕のファーストキスは
愛する男に奪われた。
Thank you for watching
コメント
2件
この小説好きです!フォロー失礼します!
あおいです🌷 第1話、もうすごく好きな雰囲気でした…!「僕は比較的人が苦手だ」という冒頭の一文から、河村さんの繊細な距離感がにじみ出ていて、惹き込まれました。恋愛話を聞きたくないのに聞いてしまうもどかしさ、福良くんのさりげない褒め言葉に一喜一憂する感じ、すごくリアルで切ないです。最後の告白シーン、酔ったふりというのも含めて狡くて甘くて、「敵わないな」って思う河村さんの心情に胸が震えました。続きが気になります…!