テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「あれ、その反応・・・ほんまなんや」
「・・・っ」
保科に指摘され、明らかに動揺している鳴海が顔ごと視線を逸らす。
彼のその様子を楽しげに見つめながら、保科が更に問い詰める。
「なぁ、何でですか?兄貴も僕と同じ糸目ですよ?」
「べ、つに何でもいいだろそんなの。お前こそ何でそんなに知りたがるんだよ」
「ちょっとした好奇心ですよ」
「ドブに捨ててしまえ!そんな好奇心!」
あくまで保科と視線を合わせずに鳴海が叫ぶ。
と、答えようとしない鳴海に痺れを切らした保科が動く。
「ほら、ええ加減こっち向いて下さい」
「⁉︎」
グイッ
机を挟んで相向かいに立っていた筈の保科がいつの間にか鳴海の方へと回り込み、彼の顔を掴んで強制的に自身の方へと向かせた。
鳴海は椅子に座っている為、自然と保科を見上げる形になる。
顔を上げさせられた鳴海は文句の一つでも言ってやろうと口を開くが、言葉は発せられる事はなくすぐに閉じられる。
保科のいつもは閉じられている糸目が開き、ルビーのように赤い瞳が鳴海を見下ろしていた。
コメント
2件
続き楽しみです! 保科さん面白いところに気づきましたね笑