テラーノベル
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夕方。
部屋のカーテンの隙間から、少しだけオレンジ色の光が入っていた。
たっつんはゆっくり目を開ける。
「……ん」
朝より身体が軽い。
熱っぽさも少し落ち着いていた。
そして何より——。
「起きた?」
隣から聞こえる安心する声。
じゃぱぱはベッドの横に座ったまま、静かにゲームをしていた。
「……ずっとおったん?」
「いたよ」
さらっと返ってくる。
たっつんはぼんやりしたまま瞬きをした。
「撮影とか編集とか……」
「今日はみんながやってくれてる」
どうやらメンバーたちが気を遣ってくれたらしい。
みんなの顔を思い浮かべて、たっつんは少しだけ笑った。
「……優しいなぁ」
「うん。でも一番心配してたの俺」
「張り合うなや……」
声がまだ少し掠れてる。
するとじゃぱぱが、すぐに水を差し出した。
「喉乾いてない?」
「……乾いた」
「はい」
そのまま自然に支えてくれる。
まるで当たり前みたいに。
たっつんは水を飲みながら、小さく思った。
……なんか、安心する。
飲み終わると、じゃぱぱがほっとしたように笑う。
「朝より顔色いい」
「寝たからな」
「いっぱい寝てた」
「お前がおると安心して寝れるんやろ……」
ぽろっと漏れた本音。
数秒停止。
たっつん本人が一番固まった。
「……あ」
やってしまった。
熱で気が抜けていた。
でも隣を見ると、じゃぱぱが完全に止まっていた。
「……え」
「いや今のは……」
言い訳しようとした瞬間。
じゃぱぱが片手で顔を覆う。
「無理……嬉しい……」
「なんでやねん!!」
たっつんが真っ赤になる。
でもじゃぱぱは本当に嬉しそうだった。
「だって、そんなこと言われたら……」
耳まで赤い。
たっつんは思わず笑ってしまう。
するとじゃぱぱが、少し照れたまま小さく呟いた。
「……もっと看病したくなる」
「治りにくなるわ」
二人で笑う。
静かな部屋。
穏やかな空気。
するとじゃぱぱが、そっとたっつんの前髪を撫でた。
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「でもほんと、少し元気そうでよかった」
その声が優しすぎて。
たっつんは数秒黙ったあと、小さくじゃぱぱの服を掴む。
「……ん」
「どうした?」
「……ちょっとだけ」
甘えるみたいな声。
じゃぱぱは一瞬目を丸くしたあと、すぐ優しく笑った。
「うん」
そしてそっと、たっつんを抱き寄せる。
熱で少し温かい身体。
でも、その腕の中はすごく落ち着いた。
たっつんはじゃぱぱの肩へ顔を埋めながら、小さく呟く。
「……ありがとな」
その瞬間。
じゃぱぱの動きが止まる。
「え」
「だから毎回聞き返すなや……」
照れ隠しみたいに小さく笑うたっつん。
じゃぱぱはしばらく黙っていたけど、やがてぎゅっと抱きしめる力を少しだけ強くした。
「……ほんと好き」
「知っとるわ」
「足りない。もっと言いたい」
「重いわ!」
でもその声は、ちゃんと嬉しそうだった。
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