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森「今回の任務は此れだよ」
そう言われて僕は森さんから資料を受け取った
渡された資料に軽く目を通す
そして僕は返事をした
太宰「嫌です」
森「…まぁそう言うよねぇ」
太宰「他の人に回してください」
森「お願いだよぉ」
太宰「絶対嫌です」
森「前はやってくれたじゃないか~…」
太宰「今回は嫌です」
太宰「中也にでも回したらどうです?」
森「幹部以外に頼れないのだよ~」
太宰「じゃあ他の幹部に回してくださいよ」
森「他の者に回せない理由は太宰君なら判っているでしょう?」
太宰「…..」
そう
判っていた
他の者に任せられない理由なんて
森「君しか居ないのだよ~」
僕は少しの沈黙の後、ため息を吐きながら
承諾の意を伝えた
太宰「判りましたよ…」
森「ありがとう、太宰君!」
太宰「其の代わり此の任務終わったら楽に死ねる薬作ってくださいよ」
森「勿論だとも」
森さんはそう言って満面の笑みで承諾した
太宰「はぁ~、」
隣に居る包帯野郎が先程からうざい
兎に角うざい
ずっと文句を言ってくるしため息が止まらない
俺の怒りも頂点に達しそうだった
中也「なんでそんなにため息つくんだよ」
太宰「ちょっとね~、」
俺に話すつもりは無さそうだ
中也「此の後、任務だろ?」
太宰「そうだよ、」
中也「しっかりしろよ、」
太宰「やる気出ない~」
太宰「サボりたい~」
太宰「死にた~い」
中也「…..」
俺は呆れて言葉も出なかった
二人で廊下を歩いていると背後から
あまり聞き慣れていない声が聞こえた
安吾「お二人とも、そろそろ時間です」
太宰「おや、もうそんな時間かい?」
中也「態々すまねぇな」
安吾「いえ、大丈夫です」
安吾「さぁ向かいましょう」
中也「ほら行くぞ」
太宰「行きたくない~」
俺は文句を垂れる太宰の事を引き摺りながら
安吾という男の背後を歩いた
車に乗っても太宰の文句は止まらなかった
太宰「嫌だ~」
太宰「帰りたい~」
太宰「死にたi((」
俺は文句が止まらない太宰の頭を殴った
中也「ちっとは静かにしろや!」
太宰「何すんのさ!」
中也「さっきから五月蝿ぇんだよ!」
太宰「だからって殴る事ないだろう!」
安吾「ちょっとは危機感持ってくださいよ…」
太宰「だって此の蛞蝓が!」
中也「元はと言えば手前の所為だろ!」
安吾「…任務の話をしますよ」
中也「おう」
安吾「今回の任務はあくまで殲滅です」
安吾「ですが敵から少しでも多くの情報を抜き出す目的があるので商談にもなります」
中也「珍しい任務だな」
安吾「今回の相手は中々高企業ですからね」
太宰「そんな組織がポートマフィアに喧嘩を売るなんて頭が悪いよね~」
安吾「今回の一番の危険は【薬物】です」
中也「やく?」
安吾「はい」
安吾「今回の組織は新種の薬物を取り扱っている可能性があります」
安吾「其の薬物の概要は判っていません」
太宰「薬物ね~、」
安吾「薬物には十分に注意してください」
中也「判った」
太宰「ん~、」
安吾「今回商談をする人は太宰君です」
安吾「太宰君なら心配要らないと思いますが成る可く多くの情報を抜き取ってきてください」
太宰「判った~」
安吾「僕は司令塔、中也君は戦闘員のリーダーとして外にいる敵を倒してください」
中也「了解」
気づいたら目的地の近くまで来ていた
安吾「気をつけて行ってきてください」
太宰「…..」
中也「手前も気をつけろよ」
俺は其処で二人と別れた
太宰「はぁ~」
太宰「嫌だな~」
僕はため息が止まらなかった
目の前には大きな門
僕は営業スマイルで門の前に立ちインターホンを押した
ピンポーン
静かな辺りにインターホンの音は大きく響いた
奥の屋敷の扉から大勢の部下とボスが現れた
かなりの人数だ
ボス「ようこそ、太宰幹部」
太宰「お呼び頂いて光栄です」
ボス「こちらへどうぞ」
そう言われて僕は屋敷の中に招き入れられた
屋敷の中の構造は簡単に言ってかなり厄介だ
廊下は長いし部屋の数は多い、
そして長い廊下はくねくねしていて迷子になるのは容易だった
其の数多くの部屋の中で無駄に豪華な飾りをしている部屋に招かれた
大きなソファに腰掛ける
座ると直ぐに商談の話が始まった
ボス「まさかポートマフィアと商談ができるなんて夢のようです」
太宰「お褒めの言葉ありがとうございます」
ボス「では早速本題のなのですが」
ボス「貴方には実験台になってもらいます」
太宰「!?」
まさか急に攻撃してくるなんて思っておらず
流石の僕でも驚いた
通信機を使って助けを呼ぼうとするが
通信機は機能していなかった
此れは予想済みだ
僕はそっと携帯電話の電源を付ける
其の頃には口にガーゼが押さえ付けられていて
意識が遠ぬいていた
遠ぬく意識の中で僕は一人に電話を繋いだ
此処で僕の意識は途絶えた
中也「敵多すぎだろッ」
中也「しかも何時もより展開が早ぇ」
敵が攻撃してきているという事は
太宰の方ももう決裂しているという事だろう
敵をひたすら倒していると無線から
安吾の声が聞こえた
安吾「中也君、無事ですか」
中也「無事だが敵の数がやべぇ」
安吾「今の戦況を言えば此方が少し押されています」
中也「チッ」
安吾「…中也君、後5分程其方で戦った後僕の元へ戻ってきてください」
中也「あぁ?」
中也「俺が居なくなれば戦況は更に悪化する」
安吾「もう少しで其方に増援が来ます」
安吾「そっちの方に引き渡して来てください」
中也「…了解」
俺が承諾すると無線は直ぐに途切れた
自分で言うのもあれだが此の戦況だったら
確実に俺がいた方が有利になる
なのに何故俺が司令塔に戻るのか理由が判らなかったが指示は指示なので戻る事にした
安吾の言った通り
暫くすると直ぐに増援が来たので
此の場を増援の奴等に引き渡し
俺は司令塔へ急いで向かった
司令塔への距離は少しあるが
俺の異能を使えば直ぐに着いた
司令塔に着くと安吾は携帯電話を見つめていた
中也「何故俺が此処に呼ばれた」
安吾「…理由は直ぐに判ります」
そう安吾が答えた後、携帯電話から
悲痛の叫び声が聞こえた
◯◯「あ”ぁ~~~~~~~~ッ!」
其の声の正体は嫌でも判った
目が覚めると薄暗い部屋にいた
椅子に座らされていて
手も足も鎖で拘束されている
鍵穴は何かで埋めてあった
頭がボーとする
未だ視界がぼやけている
目が覚めた事に気づいた敵の部下が誰かに電話をしている
きっとボスだろう
一分も経たない内にボスが部屋に入って来た
ボス「やっとお目覚めかね」
太宰「…こんな事をして許されると思っているんですか」
ボス「思っていないさ」
太宰「必ずポートマフィアは貴方たちに報復をする」
太宰「もう逃げられませんよ」
ボス「心配は要らない笑」
ボス「今夜中に此の横浜を消し去るのだから!」
太宰「…まさか笑」
ボス「横浜に薬と霧を撒く」
ボス「横浜の住民は皆、明日には息をしていないだろう笑」
ボス「其処でだ」
ボス「最終実験に君の体を借りたい」
此の発言で今から何をされるのか判った
ボス「やれ」
そう指示すると部下は私の体に注射器で何か液体を入れた
液体の正体は明確
【薬物】だ
さぁ此処からが勝負だ
此処からが僕の任務
数分経つと体が熱くなって力が入らなかった
手も足も痺れてきた
世界が回って見える
焦点が合わないことから僕は気持ちが悪くなって嗚咽を繰り返した
太宰「ッケホッケホッ」
ボス「薬はどうかな?」
ボス「効いてきているかい?」
何かを言っているが心臓の音が煩くて
相手の声が聞き取れない
息が苦しい
太宰「はッはッはッ」
ボス「苦しそうですね」
ボス「これからもっと苦しくなるのに」
ボス「耐えられますかね?笑」
太宰「はッッはッはッッはッッ」
拙い、息が不規則になってきた
此のままじゃ過呼吸になる
ちゃんと息を吸わないと
太宰「は~ッッはッはッ~、」
ボス「必死ですね笑」
ボス「そんなに対抗しても無駄だと言うのに」
少し経った頃体に違和感を感じた
筋肉が痛い?神経が痛い?
判らないけど身体中に激痛が走った
太宰「ぁ”ッぃ”ッはッはッ」
ボス「身体中が痛くなってきましたか?」
痛すぎて話せない
これが薬物?
今までのとは効果が違すぎる
冷や汗が止まらない
悪寒がする
まるで高熱を出している様だ
此の頃になると身体も限界に近づいていた
太宰「あ”~~ッう”ッッヒュッ」
ボス「そろそろ限界ですね笑」
少しでも時間を稼がないと
早く解放されたい
此の二つの言葉が僕の頭の中に浮かんでいた
中也「…此れは如何言う事だ」
安吾「今太宰君は敵に囚われています」
安吾「同時進行で敵の情報も採取しています」
中也「…最初から此の作戦だったって事か?」
安吾「えぇ」
中也「何で太宰に行かせた」
中也「俺でも良かっただろ」
安吾「太宰くんは幹部ですからね」
安吾「囮的な仕事は幾つもこなしています」
安吾「経験上から太宰君が適任だと判断したのでしょうね」
中也「…彼奴は非戦力者だから体力もねぇだろ」
中也「体力が持つかも判らねぇ奴に行かせるのか?」
安吾「…確かに今までにも何度か体力が切れて死にかけた事もありました」
中也「!」
安吾「相手の目的が判らない以上何をされているかは判りませんがきっとヤク漬けか拷問をされているでしょう」
安吾「きっと相手は商談などする気も無かったでしょうからね」
安吾「でも太宰君は誰よりも毒の耐性力があります」
安吾「彼には拷問も効きません」
安吾「其の点も含めて首領は太宰君を選んだんだと思います」
安吾「先程、全ての情報の採取が完了したと連絡がありました」
安吾「今から本拠地に乗り込みます」
安吾「其処で中也君には太宰君を探して助け出してもらいます」
安吾「きっと其の場には敵のボスも居るでしょうけど殺して構いません」
安吾「全員殲滅です」
安吾「良いですね?」
中也「…おう」
俺は携帯から聞こえる叫び声を聞きながら
司令塔を出て本拠地へ向かった
ボス「…そろそろお終いだな」
太宰「ヒューッヒューッぁ”ッ」
全身が焼ける様に痛い
目がずっと回っていて気持ちが悪い
呼吸が上手くできない
ボス「効果抜群だったな」
ボス「此れを今から横浜にばら撒く」
ボス「此れで横浜もお終いだ!」
其の時入口の方から大きな音が聞こえた
バンッ
中也「…此処か」
ボス「何故此処に…ッ」
中也「うちの幹部様が頑張ってくれたおかげで情報も手に入ったしお前らもぶっ飛ばせる」
ボス「ッやれ!」
そう指示すると銃声音が次々に聞こえた
バババババンッ
中也「俺に銃は効かねぇ」
ボス「ッ」
中也「もう終いだ」
バンッバンッバンッ
暫くすると耳に響く銃声の音はなくなった
誰かが何かを言ってる
でも聞き取れないや
扉を開けるとボスと思われる者と其の部下と太宰が居た
太宰は下を向いている
如何やら殆ど意識がない様だ
中也「もう終いだ」
相手は案外雑魚くて直ぐに片付いた
問題は太宰だ
中也「太宰!太宰!」
どんなに呼びかけても返事が返ってこない
焦点も合っていない
呼吸音も可笑しい
此のままじゃ危険だという事は一目で判る
手や足に付いてる鎖を取って床に寝そべらせた
意識は矢張りない様だ
安吾から貰っておいた解毒剤を打つ
効果が出るかは微妙らしい
打ってから数分経つと太宰の目が少し開いた
中也「太宰ッ」
太宰「…ち、や」
小さな声で何かを言っているのが判った
俺は太宰の口元に耳を寄せて太宰の言葉を聞き取ろうとした
太宰「ちゅ、や、そこ、の、ちゅ、しゃき、かいしゅ、して」
太宰の視線の方向を見ると床に注射器が落ちていた
此れの事かと思い手に持って太宰に問う
中也「此れの事か?」
そう問うと太宰は小さく頷いた
何故此処迄必死になって注射器を持ち帰る様に言ったのは何故なのか判らないまま俺はポケットに注射器をしまった
其の会話をした後、直ぐに救護班が来て太宰を本拠地へ運んだ
太宰は相変わらず顔色が悪くて
解毒剤が効いていない事だけが判った
あれから2日経った
太宰は未だベットの上で寝ていた
薬物の影響や身体的・精神的苦痛を味わった事による眠りかもしれないと首領は言っていた
俺は毎日太宰の看病をしている
そして今日も太宰の看病をしに行く
太宰の病室の扉を開けると太宰がベッドの上で座っていた
中也「…太宰?」
太宰「蛞蝓じゃないか、おはよう」
俺は驚きのあまり言葉が出なかった
太宰「何しに来たの?」
中也「ぁ、太宰の看病してたんだよ」
太宰「中也が私の?笑」
太宰「それはご苦労様笑」
何時もの調子の太宰を見て安堵した
太宰「ねぇ」
中也「何だよ」
太宰「吃驚したでしょ?」
中也「…何の事だ」
太宰「あの任務の事だよ」
太宰「態と敵の拷問を受けるなんて想像もしなかったでしょう」
中也「…..」
太宰「中也はああいう任務は初めてだったもんね~」
太宰「何で私が意識をなくす間際」
太宰「中也に注射器を持ち帰る様に言ったか判る?」
中也「…判んねぇ」
太宰「其の注射器一つで情報が得られる可能性があるからだよ」
太宰「物はね指紋・薬の成分・メーカー、あらゆる事が判る可能性を秘めているんだよ」
中也「だからって死にかけの時に態々言うのか?」
太宰「そうだよ」
太宰「一応私は幹部だからね」
太宰「死ぬ間際まで組織に貢献しなければならない」
太宰「どんなに辛くても苦しくても死にかけてても最期まで組織の事を考えるんだ」
中也「…..」
太宰「君は幹部になるのが目標だったよね」
太宰「そんな君に一つ問おう」
太宰「あの場面で組織に貢献できるかい?」
中也「…..」
太宰「人間は極限に追い込まれると本性が出る」
太宰「其れは良い意味でも悪い意味でもね」
太宰「中也、君にはできる?」
中也「…..」
俺なら如何した
あの場面で
あの状況で
注射器を持ち帰ろうと思っただろうか
いや、きっと考えもしなかった
太宰「…まぁ別に如何でも良いけど」
太宰「皆、あぁいう場面に遭遇するとね」
太宰「幹部を目指すのを辞めるのだよ」
太宰「どんなに辛くて苦しい拷問もずっと耐えなきゃいけないからね」
太宰「しかも其れはどれくらい続くか僕達に伝わっていないんだよ」
太宰「もしかしたら永遠に続くかもしれない、そんな恐怖を抱えながら拷問に耐える」
太宰「こんなの中々できる事じゃない」
太宰「だからみんな自分にはできないと思って幹部を志すのを辞めるんだ」
太宰「…君は如何かな」
中也「…..」
太宰「こんな姿を見ても幹部になりたいと思う?」
俺は最後まで一言も発さず太宰の言葉を聞いていた
次の日首領に呼び出しを受けた
内容は明かされていない
コンコンッ
中也「中原中也です」
森「入って良いよ」
扉を開けると首領が椅子に座って笑って此方を見ていた
森「此の間の太宰君との任務は如何だった?」
其の質問だけで大体何の話か予想がついた
中也「…正直言うと凄いと思いました」
中也「態々自分から拷問を受けに行くなんて想像もしなかったです」
森「初めてだもの、当然だよ」
森「太宰君の姿を見て如何思ったかな?」
中也「率直に苦しそうだなと思いました」
中也「薬物なんて摂取して良い事はありませんから」
森「そうだね」
森「昨日太宰君と話をしたでしょう?」
中也「はい」
森「改めて聞くけど君はあの状況で太宰君みたいな行動を取れると思うかい?」
中也「…..」
昨日の夜ずっと考えた
俺なら如何するか
俺なら何ができるか
如何しなければならないのか
中也「…今は判りません」
中也「でももっと経験を積んで学んでいきたいと思いました」
中也「癪ですが俺は太宰の経験値と比べたら下の下です」
中也「まだまだ経験と学びが足りない」
中也「どんな状況でも組織に貢献できる様に日々精進したいと思います」
森「…良い心がけだね」
森「中也君はさ」
森「あんな姿を見ても未だ幹部になりたいと思うかい?」
俺は躊躇なく答えた
中也「はい」
中也「俺は幹部になりたいです」
中也「俺は幹部になって首領に組織に貢献したいです」
中也「全ては此の街を守る為に」
森「!」
森「…そうかい笑」
首領は柔らかい笑顔でそう言った
森「もう下がって良いよ」
森「此れからも君に期待しているからね」
中也「お任せください」
俺は一言そう言って部屋を出た
ガチャン
森「…だってよ」
森「太宰君」
奥の物陰が動く
其処には太宰治が居た
太宰「全く相変わらず忠犬だねぇ」
森「中也君らしいよね笑」
太宰「正直少しは怖気つくかと思ったよ」
森「中也は君が思っているよりも【強い人間】かもしれないよ」
太宰「…あっそ」
そう言い残して太宰治は部屋を出た
森「全く…」
森「まぁ此れで答えは出たね」
森鴎外は静かな部屋の中で独り言を呟いていた
其れから一年後
太宰が組織から姿を消した
組織総動員で探しているが見つかる様子は全くない
森「困ったねぇ笑」
中也「範囲を広めますか?」
森「…いや、良いよ」
中也「え、?」
森「太宰君の捜索は打ち切ろう」
中也「良いのですか!?」
森「此れ以上探しても見つからないだろうしね…」
森「此のタイミングで言うのはあれかもしれないけど聞いてくれるかい?」
中也「はい」
森「中也君、君を幹部に任命する」
中也「…え」
森「太宰君が居なくなった今、幹部の席がたくさん開いてしまっているからね」
森「元々君を幹部にするつもりだったのだよ」
森「此のタイミングで居なくなるなんてねぇ」
中也「…俺で良いのですか」
森「?」
中也「俺なんか太宰の代わりなど出来るでしょうか」
森「中也君を太宰君の代わり何て思っていないよ」
森「タイミングが悪かっただけだよ」
森「君は一年前、此の街を守る為に組織に貢献したいと言ったよね」
森「あの言葉を聞いた時から君が幹部に昇進する事は決まっていた」
森「君は其れ程迄に幹部になる価値がある」
森「君にしか頼めないのだよ」
森「太宰君の代わりも中也君の代わりも存在しない」
森「君は君のまま頑張ってくれれば其れで良い」
森「…幹部になってくれるかい?」
俺は一年前同様、躊躇なく答えた
中也「勿論です」
中也「幹部として首領に組織に貢献できる事、光栄に思います」
中也「此れからも敵に思い知らせましょう」
中也「ポートマフィアに波するものはどれ程苛烈な重力で潰されるのかを」
森「期待しているよ、中也君」
首領は俺に優しく笑いかけた
更に四年後
俺は太宰と再開した
最初に再開したのはポートマフィアの地下室だった
彼奴は捕虜として捕まっていて処刑待ちだった
四年前と変わらない顔で声色で俺に話しかけた
もしかしたら、と思っていたが気遣いの気持ちなど要らなかった様だ
背丈や声色は少し大人っぽくなっていて4年の月日を感じさせた
太宰「ねぇ中也」
中也「あぁ?」
太宰「中也ももう経験したかい?」
俺は直ぐに4年前の出来事を思い返す
中也「…あぁ」
太宰「君はできたかい」
中也「できたぜ、当然だろ」
太宰「意地張っちゃって」
太宰「あの役、大変でしょう?笑」
中也「…確かに大変だな」
太宰「死にかけた?笑」
中也「俺が死にかける訳ねぇだろ」
太宰「そっか、其れは残念だ」
中也「本人の前で死を願うんじゃねぇよ、」
太宰「だって嫌いなんだもの」
中也「俺もだわクソ野郎が!」
太宰「あ」
中也「何だよ…」
太宰「どっかの誰かさんに負けて死ぬ中也も良いけど」
太宰「中也は私が殺すんだった」
中也「俺が手前に殺される訳ねぇだろ」
太宰「中也はおチビで脳筋だから直ぐに負けちゃうよ笑」
中也「あ”ぁ!?」
中也「チビじゃねぇし脳筋でもねぇよ!」
太宰「私は間違った事は言わないよ~!笑」
中也「手前ッ!」
太宰「あ!私そろそろ探偵社に戻らないと!」
太宰「じゃあね~!」
中也「待ちやがれッ!!」
追いかけるが直ぐに見失ってしまった
中也「クソッ」
中也「…元気そうだったな」
探偵社に入ってきっと昔より睡眠は取れるし
仕事もやりやすいだろう
きっと痛い思いも苦しい思いもしてない
そう、ふと思うと心の何処かで安心した様な気がした
中也「…何で俺が彼奴の心配何かしてんだよ笑」
そう呟いて俺はポートマフィアに帰った
此れは何時も平気な顔をしてる太宰さんが苦しそうにしている姿を見て少しトラウマになっちゃった中也のお話し
どうでしたか?
久しぶりだったので下手くそになってますね笑
なんとこの度、フォロワー1000人突破しそうなんです✨
本当にありがとうございます!
そこで【企画】をやろうと思います!
皆様の見たい作品をたくさん書きます!!
アニメは文ストでお願いします
コメントに書いてくれればなんでも書くので遠慮なく書いてください!!
コメント楽しみにしてます!
ではまたね!
コメント
2件
うわぁぁ!!神! 太宰さん苦しんでるの神です…! 中也優しすぎる💕 ニヤニヤしすぎて親から引かれたかもしれませんw