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女勇者が気絶し、地面に倒れた。
「今ですわ____」
王女は片手をあげる。
「キール!」
その声と共に天井を破り雷が落ちたのではないかと思うほどの轟音と共にグリード代表騎士のキールが出現した。
「な、なんだと!?」
王は驚愕して玉座から立ち上がる!
「王よ」
高温で燃える赤い剣を王に向ける。
「貴様…………儂に剣を向けることの意味がわかっているのか!」
キールは何も答えずに王に剣を向けたまま降ろさない。
「さぁ、役者は揃いました……話を続けましょうか、お父様」
王に剣を向けるキール。
王を睨み付けるサクラ。
その下で全裸で奇跡的に恥ずかしい部分が隠れて気絶してる金髪美女。
「ぐぬぬ……」
王も騎士達もその場で動かずにキールを刺激しない様にしている。
普段のキールを知っているからこそ動けない……今のキールの行動自体が彼の覚悟が本物であると解るのだ。
「お父様に質問します、今回の召喚の件、他の国の同意は本当に得ているのですか?」
「そうだ」
「そうですか、それは王国会議で決まったことですか?」
「うむ」
「王国会議と言うのは便利がいいですね?……中での事は全て機密事項で入った者しかその会議内容は知らない」
「何が言いたい?」
「私を甘く見ないでください、中に入った者しか知らないならば入った者に聞けばいい!」
「まさか!?そんな事をすれば!」
「私から見れば会議内容をバラすよりも父上の方がよほど悪い事をしている様に思えますがね」
「それは其奴が嘘をついておる!」
「ならば他の2国の王にこの事を伝えてもいいですわよね?」
「ぐ……そんな事をすればグリード王国が無くなるぞ!」
「いいえ無くなりません!既に問題が無いように手を回しています」
「なんだと!?」
ここまでハッキリ言うのだ……もう万事休すと言った所だろう。
「キ、キール」
最後の希望。
王は何年も一緒に居たキールを見る。
「王よ……なぜ私の妻を生贄に使ったのですか」
「!?」
「なぜですか!私は今まで貴方に支えてきた……なのにどうして!」
「あ……が……」
キールへの答えは『無言』
まるで“その返事を答えてほしくない誰かが仕組んだ様に”
「答えて……くれないのですか」
『キール、私をお父様の所まで』
命令を受けて王女をカバルト王の居るところまで飛ぶ。
その間に気絶したアオイに近づく者は居なかった……周りの騎士達もこの後どうなるか解っているのだろう。
「王よ……」
「う……ぐ……ぁ」
必死に訴えかけているがキールは気付かない。
____この2人を既に掌握している人物がここに居るのだから。
『お父様』
王女はキールの腰にある短剣を抜き、実の父親の胸に先を付け__
「あ、ぅ、ぁ」
「さようなら」
別れの言葉と共に全体重をかけた。
『余計な事はお口チャックよ……坊や♪』