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発達障害の弟     赤桃   少し紫

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発達障害の弟 赤桃 少し紫

7 - はじめて「なーくん」って呼べた日

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2025年07月24日

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はじめて「なーくん」って呼べた日







今日は朝から、ちょっとごきげんな莉犬。ソファに座って、テレビの音をぼんやり聞いている。




「さとちゃ〜ん、これおわったら、あそぶ〜」



「いいよ。おやつ食べてからな?」




すると、リビングのチャイムが鳴った。


「ピンポーン♪」




「……ぐみのおにーさん……?」


莉犬がテレビを見たまま、ぽそっとつぶやいた。


ドアを開けると、なーくんが立っていた。

両手に紙袋を下げて、にこにこ。



「おつかれー、ちょっと寄った!」



「お、助かる。仕事片付いたばっかで」




なーくんがリビングに入ってくると、莉犬はちょっと身を固くして、俺の後ろへぴとっとくっつく。



「こんにちは、莉犬くん」




「……ぐみのおにーさん……」




なーくんは少し微笑む。




「“なーくん”だよ〜」




「……ぐみのおにーさん……」




「ん〜、それもかわいいけどね」




肩をすくめて苦笑いしてると、莉犬がこくんと頷いて、俺の膝にちょこんと座った。




──おやつの時間。



なーくんが持ってきたグミの袋が、テーブルに広がっている。





莉犬は好きな色を選びながら、ぽいっと口に放り込んで、ふにゃっと笑った。




そして、突然。





「……なーくんも、たべる?」




俺となーくんが、同時に動きを止めた。




「……今、なーくんって言った?」




なーくんが、ふっと笑って莉犬を見る。




莉犬は少しのあいだ黙ってから──




「えへ……いっちゃった……」




顔をちょっとだけ伏せて、俺の袖をきゅっとつまむ。




俺はなにも言わずに、頭をなでた。




その指先がやさしくて、莉犬は安心したように、目を細めて――



「……ぐみ、おいしいね」



ぽそっと言ったその声は、どこか嬉しそうで。




なーくんも笑って、「また持ってくるね」って優しく言った。




莉犬ははこくんとうなずいて、またグミをひとつ、口に入れた。


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