全部終わらせていい、忘れていい
死んでもいいなんてことも思えた。
これは弱い僕が主人公の変な恋の物語。
ピピピピ
ウザくイラつく目覚ましの音を少し荒く消した僕は、ゆっくりと体を起こす。
「もぅ朝なの……」
全く寝た気がしない。
僕は吉田 仁人。17歳で高校3年生。
「早く降りてきなさーい」
ウザったらしい親の大声。聞くだけでやる気を無くすような声。
「わかったよ!!!」なんて大声を出して僕は返事をした。
朝はいつも面白くなくて、テレビは興味のないニュースだけ。
いつもと変わらないご飯にいつもと変わらない窓からの景色。
いつもと同じ制服に腕を通して、重い足を動かして靴を履く。
靴を履いた瞬間、僕の足は鉛のように重くなった。
学校なんて大嫌いだ。
僕の居場所なんてない。
教室にはうるさい奴らが沢山で、空気を読む度に空気の吸い方が分からなくなるんだ。
教室では息なんて吸えない。
だから学校なんて嫌いで、行きたくないと心から願っている。
歩いて学校へ向かい、上靴に履き替え廊下を歩いた
教室前、僕は息を大きく吸った。
今日は高校三年生初めての日。
昨日まで春休み。学校に来ていなかったから、教室への1歩の勇気が出ない。
人がゾロゾロと教室に入っていく。焦りと自己嫌悪で冷や汗をかいている。
(なんで入らないんだろう?)という周りの純粋な目ですら、僕は怖かった。
決意を決めて扉に手をかけ、静かに開けた。
前のクラスよりかは静かそうな人達に少し安心した。
ただ、問題は担任だ。前の担任は理不尽で高圧的な人だった。
今回の担任もそうに決まってる。諦めと期待が混じった変な気持ちだ。
チャイムがなってみんなが一斉に席に着く。
「みんなー、よろしく」
担任が教室に入ってきた
……
(かっこいい…)
「これからお世話になります」
「担任の 佐野 勇斗 です。」
コメント
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これから何が起こるのー!? 続き楽しみにしてます!!