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お月様見えんな〜、ナムさんと同じ空の下に居るって言うのに😌💭 似合うんだよね〜ジミンちゃんの衣をまとってる感じ🥰 ジミンちゃんも日本に来ないかなー😌
なんでこんなに、ドストライクな作品を、
ほんとに天才ですね もう愛してます
Jkside
その日は満月だった
毎日毎日、権力を求め、表面ばかりの笑顔で、自分に媚びを売る貴族たちにうんざりし、
誰にも本当の感情を見せず、見せられることも無い自分の存在が、
どこまでも汚く、愚かなものだと、途方に暮れる
静かに月夜に身を預け、自分はまだ生きていてよいものかと、月に問いかけるこの時間が
自分にとって何よりも大事で、
今にも崩れそうな程に荒れた心を休める、唯一の方法だった
今夜はもう真夜中とも言える刻で、
母屋の方にもひそひそと隠れて自分を眺める気配もない
張り詰めていた心が少し緩み、久しぶりに笛を吹こうと思い立った
風に音を乗せるように、笛を鳴らしていると、
1人のお客がふらりと姿を見せた
jmside
笛作りに没頭して、いつの間にか真っ暗闇になってしまい
離れにある部屋へと戻ろうとしても
どう迷ったか知らないとこに出てしまい、道が分からずさまよっていたところ、
静まり返った宮中に、子守唄のように響く、美しい笛の音が聞こえた
僕の家系は代々、宮中お抱えの笛職人。
そんな家に生まれた僕は、今まで多くの笛を作り、鳴らしてきたが、これほどまでに美しく、儚い音色ははじめてだった
引き寄せられるようにふらふらと廊下を進むと、月明かりに照らされる遠くの釣殿に、人影が見えた
上様だ、、
そう分かり、失礼になる前に戻らなければ、と思ったが、何故か彼の姿を見留めた途端に身体は言うことを聞かなくなる
今まで主殿など、見たこともなかったはずなのに、僕の足は迷うことなく真っ直ぐに上様のいる釣殿へと近づいていった
だめ、、だめ、、戻らなきゃ、、
そう心の中で思っているのに笛の音に操られ、
気づいた時には、上様は目の前のぼんやりとした灯篭の光の下で胡座をかき、
僕に背を向けて笛を鳴らされていた
ぴたっと笛の音が途切れた瞬間、
気が抜けたようにぺたんとその場に座り込む僕
🐣「ハァ、、、ハァ、、、ハァ、、、」
すぐに去らないと、と思ったのに息が切れて、力が入らない
上様が、まるで僕が来るのを知っていたかのように、驚きもせず、おもむろにこちらへ体を向けた。
僕は反射で、彼の姿を見ないようにぎゅっと目を瞑った
下々の者が、君主の御顔を見ることなど、到底許されることではなかったからだ
震える体を必死で動かし、床に平伏して謝った
🐣「も、、申し訳ございません、、御顔は見てはおりませんっ、すぐに去りますので、、無礼をお許しくださいっ、、
身体に力が入らないのです、、どうかお許しください、、」
返事はない
一向に力が抜けたままの身体に、早く動けと必死で願った
平伏したまま、体を震わせていると、
衣擦れの音がして、上様がこちらに近づく気配がした
どうかこのまま僕を置いて、母屋へお戻りください
そう強く願った瞬間、傍らにしゃがむ音がして、頭にそっと手が置かれた
鼓動が、さらに高く激しく脈打つ
上様が何をしようとしているのか、わからなくて怯えた
🐰「焦らないで、身体はすぐに戻る。
来るのを待っていたよ」
魅惑的で凛とした声がすぐ近くで聞こえ、
言われた事の意味がわからなくて、身体が固まる
🐰「名はなんと言う?」
🐣「じ、、ジミンと申します、、」
🐰「綺麗な名前だ、、。
ジミン、顔を見せて」
傍らに座られている上様が、僕の両肩をそっと手で抱え、起こそうとする
ありえない状況に、頭が混乱した
🐣「な、、なりませんっ、、わたくしは下賎のものです、、どうか勘弁くださいませっ」
🐰「しー、静かに、誰かが来てしまう。
なにも悪いことはしない、慌てないで。」
🐣「う、、うえさまっ、、///」
耳元に降ろされた口から、そっと囁かれ、ぴくりと身体が反応した
その反応に、彼は耳元へ顔を近づけたまま、ふっと静かに笑った
🐣「ぁっ、、、」
包むように肩を抱く彼に、もう逆らうことは出来ず、されるがままに体をゆっくりと起こしてしまった
🐰「きれいな顔だ、、」
それでも目を開かないようにしっかり瞑り、座り込んだ僕に
彼はそっと口付けをしてきた
🐣「ハッ、、、、なっ、、」
驚いて目を開けてしまい、
息遣いが聞こえるほど近くにある、その美しい顔を見て、
抵抗しようと身じろいだ身体が固まる
🐣「ンンッ、、、、ンッ、、ハ、、、ハァ、、//」
唇を離し、ふわりと目を開いて微笑んだ彼が、
動けないままの僕を軽々と抱き上げた
🐣「やっ、、待って、、」
🐰「動かないで」
その声に囁かれるともう動くことはできず、
じっと抱かれるままになった
すると少しずつ、お召になられている綺麗な群青色の袴から香ってきた、その花のような優しい香りと、
抱えられているその頼もしい腕を感じて、
僕は子供に戻ったような気持ちに陥り、無意識に彼の首へ腕を回し、力を抜いて体を預けてしまった
🐰「いい子だ、、ジミン。」
僕の力が抜けるのを待っていたかのように、
彼は釣り殿の中へと静かに入った
そして、光の当っていない隅の柱に僕をもたせかけ、その傍らに片膝をついてしゃがむ
ぽーっと彼を見つめたままの僕の頬を、両手で包み込み、彼は言い聞かせるように話した
🐰「明日には僕の催眠にかかった身体は元に戻る。
起きたら誰かに見つかる前に裏から戻りなさい、わかったね?
大丈夫、また次の月夜にここで会うことになるよ」
不思議なことを囁いて立ち上がると、
元の座っておられた位置へ、僕に背を向けて座り込み、笛を口に当てた
先程とはまた違う、穏やかな落ち着く音色が耳へ流れ込むと、
すぐに頭に霧がかかったようになり、
ふわーっと眠くなった
彼の後ろ姿から目をそらすことができないでいるうちに、視界が少しづつ狭くなり
僕はその柱の下でとさりと倒れ、
眠りに落ちてしまった