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「 いつもありがとう 」

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「 いつもありがとう 」

1 - 「 いつもありがとう 」

♥

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2025年07月12日

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青桃さんの日ですね !! 🥹✨️

では、どうぞ !



















桃「いれいす、武道館大成功。おめでとう〜!!!」


カキンと6つのグラスが音を立ててぶつかり合う。

ゴクゴク飲む、子供組とチョビチョビ飲む保護者組。

俺は1口ぐいっと飲んだきり机において他5人の様子をただただじっくり眺めるだけ。


俺達は、先程。ずっと前から目標にして前に進んできた「武道館」というとても大きな舞台に立ってきたところだ。

流石に近くの飲み屋で飲むは危ないなと考えたため、うちのリーダー。ないこの家で飲み会中。


青「…案外あっという間やったなぁ。」

水「んね!最初の1、2年バカ大変だったけど!!」


元気者のほとけが大変だったとは思えないくらい甲高い声で発す。

…でもコイツは違うんだ、周りのことを考えすぎて自分を追い込みすぎちゃうやつだから。

だからこそ、「大変」って言葉を元気よく言えるんだ。


赤「…いやぁ、どうするよ次。」

桃「ん〜、どうしよっかねぇ……笑」

黒「ホンマ、ぱっと出た言葉やからなぁ。」

白「それで叶えちゃうないちゃんエグいやろ!!笑」


みんながみんな、褒め合って支え合う。

本当に素敵なグループやと思う。

誰かが辛いことがあったら余計に踏み込まずに制御の効いた励ましを送る。

だからこそ誰かが辛くなってもめげずに誰も欠けずに続けてこられたのだろう。

…1人を除いては。




桃「じゃっ!解散ね、うち。今日は残れないから帰ってね〜。」

水「ばいばい〜!」


みんながゾロゾロとないこハウスから出ていく。

そんな中俺はないこハウスに残り、ただただ立ち尽くす。

そんな俺の様子になにかおかしいと感じたのか俺の肩を2回叩いて「帰らないの?」って訊いてくる。


青「…なぁ、ないこ。」

青「俺さ、おすすめのラーメン、知っとるからいかん?」


ないこはお腹が減っていたのか嬉しそうに大きく頷いて何処かへ走っていった。

そんなにお腹減ってたのか?って戸惑いながらも数秒待っているとすぐに身バレ防止のための服装になって戻ってきた。

玄関からないこハウスを出て、おすすめのラーメン屋に向かう。




青「ここよ、ここ。」

桃「待って、俺もここが1番…w」

青「ふーん、そうなん?」

桃「すっごぉ……笑」


どうやら俺とないこはいつでも以心伝心してるみたいで、おすすめのラーメン屋が一緒らしい。

俺はただご飯を食べるためじゃない、ラーメン屋行って星空見に行くか。そんとき、聞き出そう。


青「ほな、入ろ。」

桃「そうだね…!」




ラーメンを食った後、「着いてきて」と1言言って未だ無言のままあの場所へ連れて行く。

ないこは本当に不思議そうな顔をしていたがなにも訊いてくることはない。

俺だから安心しているのだろうか。


青「…着いた。」

桃「……海?」

青「そう、海。」


ないこは下しか見てない。

俺が見てほしいのは上だ上。

…でもそれが今のないこの気持ちなんだよな。


青「…ないこは武道館立って、今どういう気持ち?」

桃「え?…そりゃあ、嬉しいけど…。」

青「それだけ?」

桃「『それだけ』って……」


困惑の顔色を見せる。

本当はわかっているはずなんだ、でも…ただ自分の気持ちを知らんぷりしてるだけなんだ。

だからこそ、俺にその気持を全部さらけ出してほしい。


青「ないこはさ、今。目の前に何がある?」

桃「海…とか?」

青「それって下やん、俺がここにつれてきたのは星を見てほしかったんよ。」


それを伝えるとバッと上の方を見上げる。

すぐに驚いた顔をしていた。

よかった、今日はしっかり星が見える日だった。


青「都会でこんなにギラギラ光ってる星を見れるの、すごいやろ?」

桃「うん…!めっちゃ綺麗…!!」


瞳にきれいな星空が反射してキラキラ光っている。

ないこの口角も自然と上がっているみたいで、常にニコニコしている。

…それのために来たわけちゃうからな、ないこ。


青「…で、ほんまに『嬉しかった』だけなん?」

桃「…っ、」

青「俺にはないこの本当の気持ちを教えてほしいねん。」


お互いにお互いの目を見ながらゆっくり話す。

俺の真剣な気持ちが伝わったのかさっきの表情も真っ直ぐな真剣な表情になっていた。

数秒経った後、ないこが口を開く。


桃「…俺がなんのために次、頑張ればいいかわからなくてさ…」

桃「武道館を達成しちゃったら俺はなにもすることなくなっちゃうじゃんか。」

桃「…そしたら俺、すぐ壊れちゃいそうで……」


ゆっくり話しづらそうに話してくれる。

ないこはそういうやつだよ、よく「壊れたエンジン」だとか言われるけどそれはやりたいことがあるからなだけ。

たぶん、ないこは俺達と変わらず6人で「いれいす」を続けることもやりたいことの1つだと思うけど、その「いれいす」を長く続けられたのは『3年以内に武道館に立つ。』っていう目標のおかげなんだったと思う。

だったら俺達が取る行動は唯一つ。


青「ほな、次の目標まで活動休止しよう。」

桃「…リスナーさんに迷惑かけるじゃん、それ。」

青「ないこが無理して歌い手活動続けるほうが心配するわ、バカ。」


少し強めに返答する。

そうするとグッと息を呑んで小さく頷く。

ないこは多分、りうらとかほとけとか初兎とか…もしかしたらアニキとかに同じこと言われても聞いてなかったかもしれない。

俺だったからって、少しばかり自惚れた思考に行ってしまう。



青「…俺活動休止の資料作るからチェックしてくれる?」

桃「じゃあ、家泊まる?」

青「あり。」










青「ってことあったよなぁ。」

桃「なに、恥ずいなぁ…」


今日は7月12日。

リスナーと俺達の間ではないふの日と呼ばれる日で、ないふが主役となる日。

…今日はお互い予定が合わなくて、配信が取れず仕方がなく7月8日にないふ配信をやったが、今たまたま時間が開いたため先程の話をないこと2人で盛り上がる。


青「もっと甘えてきてくれてもいいのに。」

桃「は?」


結構マジなトーンでそう言われるもんだから抑え切られず笑ってしまう。

それに対してないこは「何笑ってんの」って冷たい声で返される。

…知っとるよ、ほんまは怒ってるんやなくて照れてるってこと。


青「ないこ、いつもありがとうな。」

桃「…まろこそ。」





end

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