【1枚の手紙を読んだのは。】
これは不意に起きた運命の出会い。
私は、高校2年生。立花 優愛。
中学生時代、クラスメイトにいじめられ、不登校だった私。
そんな私を救ってくれたのは。
私に唯一なかよくしてくれてる友達がいる。
そう。同じクラスの、佐藤 美桜。
美桜は明るくて、誰にでも愛されて、まるでお嬢様みたいな性格なのだ。
そんなお嬢様な美桜が私と仲良くしてくれる。なんて幸せなことなのか。
こんなに何も出来ない。初対面の人と話せない。
こんな私と仲良くしてくれる。
美桜はモテるし、私は地味。
なんだろう。この差は。
自分でもたまに思う。
なんでこんな真反対の人間と気が合うのか。
それだけなのに自分の中では不満に感じて、
こんなに幸せなことないのに、自分が嫌い。
美桜はよくこう言う。
「優愛はほんとに可愛いね」
こんな言葉を掛けてくれても私は何も動じない。
不意に出る
「ありがとう」
こんなに感情がないお礼なんてないよね。
すべてお世辞に聞こえてしまう。
なんでだろう。
美桜は優しい。
そう。優しいから。
中学生時代の時のクラスメイトよりも。
何倍も、何百倍も、優しい。
私は愛されたことはあまりない。
お母さんは離婚し、家を離れる。
お父さんは彼女がいて、いつも私を家から放り出す。
そんな辛い人生を送っていました。
私はよく、日記代わりに明日へ手紙を書く。
なにかの記録にもなるわけでもないのに。
自己満で書いてる。
その1枚の手紙でした。
手紙を書いた日に、無意識でカバンに入れた。
誰にも読まれなくないのに、誰にも見せる訳でもないのにカバンに入れた。
自分でも見ないのに。
そう鞄に入れたまま、いつも通り登校をした。
私は急いで学校へ向かったのだ。
その1枚の手紙が落ちた。
絶対に誰にも見せたくない1枚の手紙。
その時から数時間後。
ある人が1枚の手紙に手を取った。
優愛と同じ学校の、
高校3年生。藤河 冬弥。
「ん、なんだこれ。」
冬弥が手に取ってしまった。
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