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──────めめさん視点──────

これで、死んだ人達の中では最後。ぜんさんの部屋だ。遺言を残した、と明言していたため、確実にあるのだろう。私は、深呼吸をしてから、ぜんさんの部屋のドアをガチャリ、と開ける。


この部屋に入った瞬間、殺意と憎悪、後悔などの負の感情が心の中に直接語りかけてきているようなそんな感覚がした。部屋は、全体的に薄暗く、あちらこちらに魔法陣が引かれていたり、魔法書があちらこちらで散乱している。この部屋の様子は正直意外だった。ぜんさんはこの村では珍しく、ほんわかとしているイメージがあったからだ。なんというか、ファンシーな、お菓子とかそういう甘い匂いが漂う部屋を想像していたため、その意外性に驚く。

部屋の中央には、大きな魔法陣の上に、本が置かれている。私が近ずけばひとりでにその本は私の手の中に飛び込んでくる。──────と、同時に魔法陣から突然強い光ガ発生し、瞬く間に私の視界を奪う。


「え”っ!?──────」パアァァと、そんな音ともに何かが召喚される。光の後には暗礁が立ち込め、その姿を視認することは出来ない。しかし、その暗礁は強風とともに吹き飛ばされ、その姿があらわになる。白髪のベリーショートの髪型。水色の肩掛けのような毛布。その下には灰色のシャツのようなものを着、左右違う丈のズボンを履いている。そして、水色のくまの耳を生やしている。──────それだけを見ればぜんさんだった。しかし、ぜんさんの姿をしたやつからはデーモンのような角が左右から生え、闇よりも深い黒の悪魔の翼を生やし、黒いしっぽを生やす。その姿はまるで悪魔だった。


「プッギャハハハッwそんな驚くかァ?普通wその顔おもろすぎるだろw」


ぜんさんのような姿をしたやつが下品に笑い出す。こいつを、私は知っていた。こんな下品に笑い、人の姿を勝手に使うようなやつ。そんなやつを私は知っていた。


「暴食の悪魔…ッ!!」


私がその称号を呼べば、そいつは笑い涙を手で拭う。


「はーッwはーッwそうそう、覚えてた?やっぱりw?そう!ぽれ…いや、俺様こそが暴食の悪魔、ベルゼブブ様よ!!ひっさしぶりだな!死神様よぉ〜w」

「…その姿でその言動をしないでください。殺しますよ?」


そう言い放てば、おー怖い怖いwと言って両手を上げ、降参ポーズをとる。そう、このどこまでも不快な悪魔こそ、ベルゼブブである。七つの大罪の人柱であり、悪魔界のトップに君臨している。…しかし、下界で放浪することが多い悪魔でもある。


「…で、その体、どうやって手に入れたんです?」


私が問いただせば悪魔は意外にもすんなりと話してくれる。


「なーに。そのぜんこぱすってやつと契約してたんだよ。力渡す代わりにお前が死んだらその肉体よこせ〜って。それで、そいつは応じたって訳。」

「…その力を使う度に代償を支払わせる癖に…。」


そう、私が反論すれば、そりゃそうだろwなんて抜かしやがる。話していて本当に頭痛が酷い。


「…で?なんで召喚されたんです?もう契約者はいないんですから召喚に応じる必要は無いのではないですか?」

「それがよ〜…あのぜんこぱすっつぅややつが、最後に伝言残してきたんよ。別に応じなくても良かったンドけどよ、なんだかんだ長年一緒にいる訳だし?1種の…なんて言うかなぁ…?同情?ってもんが沸いちまったわけよ。」


その言葉に私は驚く。あの暴食が、他者に感情を寄せるなんて。それに、同情と言ったが、おそらく絆のようなことを言ってるのだろう。…変なところで素直ではない。


「それって絆って──────」

「そんなんじゃねぇよ!!なんで下界のやつとこの高貴な俺様の間に絆が生まれるんだよ!?お前みてぇな物好きじゃねぇんだよ俺様は!このぜんこぱすってんのは契約下の元で築かれた偽の感情だよ!!でも、こいつがあまりにも馬鹿正直すぎて面白いから、からかいの一環として召喚されてやった訳だ!!」


…素直じゃない。すごいめんどくさいやつだ。だ。まさか、暴食のこんな姿が見られるとは思ってもいなかった。どうやら、暴食とぜんさんは長年に一緒にいて、絆の様なものが生まれたのだろう。…こいつが認めないだけで。


「わかりました、わかりました。そうなんですねー。」

「おい!?勘違いすんなよ!?まじで!!そんなんじゃねぇからな!!」

「わかりました。とりあえずぜんさんの遺言を教えてください。」


適当に受け流しながら、1番大事なぜんさんの伝言を確認する。ブブはそういえば、と言ってからゴホンッと咳払いをする。


「『数万年間、本当にお世話になりました。ベールにぽれの能力を預けたので受け取ってください。能力は『食べたものをコピーする』能力です。…使い所は無いと思いますが、どうぞ、なにかの役に立ててください。本当に、ありがとうございました。』だとさ。」


そう言ってブブは自身の体内から水色に光る球体を取り出す。そして、私の中に押し込む。…どうやらこのひかる球体がぜんさんの能力らしい。てか、こいつぜんさんにベールと呼ばれてたんだ。と、どうでも良いことが思い浮かぶ。


「それじゃぁッ!俺様は行くぜ」

「…何しに?」


どこかに行こうとしたブブに興味本位で聞いてみる。そうすれば、ブブは振り返らず


「天国。特に深い意味は無い。別にいいだろ。」


そう、言い残し、去ろうとする…前に。


「この身体、お前に渡すよ。」

「…え?」


ブブは突然Uターンし、戻ってきたかと思うと、そう言ってくる。


「…やっぱり、この体使いにくいわ。こんなの要らねぇ。」


そう言って、本当にぜんさんの体を渡してくる。ぜんさんに生えていた翼や角は消え、そして、バタリとその肉体は重力に従って落ちてくるのをキャッチする。ブブは本来の姿に戻る。そして、捨て台詞のように


「肉体、残しとけ。まだ、あのやろうに文句言い足りねぇから。神から魂回収してくる。」

「そんなことできるわけが…!!」

「…フッ俺様をなんだと思ってやがる死神さんよぉ!俺様こそがッ!!下界の住人共全員が恐れ、ひれ伏し、天使は名前を聞くだけで震えが上がり、神すらも恐怖する!!暴食の悪魔!!!ベルゼブブ様よォ!!」


そう言って、大きな翼を広げ、空へと旅立つ。


「ばーか。私が震え上がってない時点で、その言葉嘘だってわかるっつーの。」


なんだかんだ、あいつは素直じゃない。























ここで切ります!遺言が見れなかった…!!でも、ぜんさんの秘密はひとつわかったと思います!そう、ぜんさんは暴食の悪魔と契約していた、契約者です!なんで契約したかなどは番外編で語りたいと思いますが言いたいことは言います!ぜんさんとブブ(ベルゼブブ)の相性が本当に良い!ぜんさんは食べればコピーする能力と、なんでも食べられる暴食…めっちゃ相性いいですよね!すごい!!


何故か分からないけどめっちゃくちゃ重いので7万♡の記念イラストは次回で!


それでは!おつはる!!

一明日を見るためにー

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