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攻🐉×受🔝の捏造まみれのジヨタプ小説。
『すれ違い片想い〈前編〉』の続き。
ご本人様たちとは全くの無関係。
ご都合主義の矛盾まみれ解釈違いもろもろですがたくさんの愛はある。
今回もセンシティブにしてますがぬるセンシティブ。
覚悟の上読んでくださる方はそのままお進みください…!
side.トップ
「乾杯」
軽くグラスを合わせて一気に煽る。鼻に抜ける香りが爽やかで、舌に残る味がまろやかな赤ワイン。どちらの家で飲むか迷ったが、俺から誘ったしと俺の家で飲むことになった。
「…ん!これすごい美味しい!」
目を細めて笑うジヨンに、俺も嬉しくなって微笑む。彼の口に合ってよかったと思った。ツマミにと買ったチーズやナッツ。と、軽食を作って出せば彼が喜んで食べるからなんだかとてもふわふわした気持ちになった。まるで付き合ってるのかと錯覚しそうになって、誤魔化すようにワインを飲んでしまう。
「で、話ってなに?」
「ん?」
「いや、俺にしたい話があるって…仕事のこと」
しまった、と思った。あれは2人で飲みたいがための口実で、実際に話したいことや相談したいことははっきり言って今のところない。まずい、ちゃんと考えておけばよかった…。
「ぇ…あ、そうだな………悪い、ちょっと忘れた…、かも?」
「……ぷっ、」
歯切れの悪い返事に、ジヨンはぱちぱちと瞬きしたあと吹き出した。肩を揺らして楽しそうに笑ってる。
「あはは!なにそれ!」
意味不明な回答になったのに、彼が笑ってるからまあいいかと思ってしまった。なんとか誤魔化せたならいいのだが…。
ジヨンはそのしなやかで細い指を伸ばして摘んだチーズを口に入れる。一瞬見えた赤い舌を凝視してしまって慌てて目を逸らした。
「このチーズ美味しい!なにこれ、レーズン入ってるよね」
「ああ、最近よく買うんだけど、美味いよな」
「うん!ワインにぴったり。さすがタプヒョンわかってるね」
「そうか?気に入ってくれたならよかった」
「うん、すごい好き」
目を見つめ言われて思わず心臓が跳ねる。
(………いかんいかん。勘違いするな俺っ)
今のはチーズのことであって、俺のことではない。わかってる、わかってるけど。大丈夫かな、俺今変に顔赤くなってないよな。
速まる鼓動を抑えるように、俺はもう既に空になってしまったグラスにワインを注いだ。
(…………まずい、)
脳の奥がぐるぐるとする。身体が火照って熱い。ジヨンと一緒にいることにテンションが上がっていることを誤魔化すようにいつもより早いペースで飲んでしまったようだ。酔いが回るのが早い。やっとボトルがあいたところなのにもう頭がくらくらする。普段ではこの程度でここまで酔わないのに。
「ちょっとタプヒョン、大丈夫?」
「ん?ん、」
頷くだけで視界がぶれた。せっかく2人で飲めてるのに、なにしてるんだ俺は。そう思うのに身体が言うことを聞かない。
彼は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと俺に差し出した。俺はどうにかそれを喉に流し込んでいく。冷たい水が胃に落ちていって気持ちいい。
「ごめんね、勝手に冷蔵庫あけちゃった」
「ん…大丈夫、すまん…」
「謝らないでよ。珍しくペース早かったもんね」
そう言って背中をさすってくれるその手に、水で冷えた身体がまた熱くなっていく。彼が触れた部分が火傷したようにいつまでも残ってる気がした。ジヨンの優しさに胸が温かくなる。近づいた距離、彼の匂いがしてさらにふわふわした。
「…優しいな、ジヨンは。ありがとう」
「………そんなことないよ」
「だからお前はモテるんだな」
「ぅえ!?」
耳を劈くような声がして思わず肩がビクッと跳ねる。彼は慌てて謝った。
「ご、ごめん、大きな声出しちゃった。びっくりしちゃって…」
「そんな驚くことか?」
「そりゃそうだよ…なにモテるって…モテないよ別に」
「そうなのか?ジヨンなら選び放題だろ」
「なにそれ、そんなわけないじゃん」
「その……好きな人、とか…いないのか?」
あれ、何言ってんだろ俺。口が勝手にぺらぺら喋って止まらない。まるで自分の身体じゃないみたい。
「な、なに、急に…」
「いや、なんとなく…?」
「なんとなくって……」
ジヨンはそう言うと、ふっと目を伏せた。
「………………好きな人なら、いるよ。ずっと前から」
グッと胸がつまる。ナイフで刺されたような痛みがして、そこからじわじわ広がっていくような。
(……あーあ)
なんてこと聞いちゃったんだろ。そりゃジヨンにだって誰か好きな人くらいいるよな。でも知りたくなかった、本人の口から直接。あー失恋確定ってやつ。いや、そもそも上手くいくなんて思ってなかったけど。
「……そう、なのか」
「…………うん」
「………告白とか、しないのか?」
聞きたくないのに、口が勝手に動いて困る。
「……どうしてそんなこと聞くの」
「………友達、として…気になって。応援も、したいし」
自分で言ってて泣きたくなった。そうだ、俺たちはメンバーで、仕事仲間で、大切な友達だ。それ以上でもそれ以下でもない。
それ以上に、俺はなれない。
「………そう」
「……」
「…………しない、かな。その人は俺のことなんて好きじゃないし。想いを告げたところで上手くいかないから」
「………そんなこと、言ってみなきゃわからないだろ」
「ううん、わかるんだよ。悲しいけどね」
そう言って眉を下げ微笑む彼に、なんだか俺まで苦しくなった。そんな悲しそうな顔、見たくない。誰がそんな顔させてるんだよ、ジヨンに想われて、俺だったら…。
「……………俺、だったら」
そんな悲しい顔させないのに、なんて。言えないけど。
「………じゃあ、さ」
「ん?」
「……………俺に、したら?」
「……ぇ、」
ああ顔が熱い。喉になにか引っかかったように、声が引き攣って震える。俺本当に何言ってんだろ。
「……苦しいだろ、そんな想い抱えて…。だったら、さ……その、発散?てわけじゃねーけど…溜まってるもん、俺でよければ、代わりに」
言っててわけがわからない。脳がぐるぐるして、思考が上手く纏まらない。酔っ払ってるせいだ、絶対。
(………そうだ、酒)
そうだ、ならいっそ、全て酔いのせいにしてしまえばいい。酒の勢い。それなら互いに言い訳がつく。おかしい話じゃない。なんだか妙案に思えた。
「酔った勢いでさ、あるだろ?そういうの」
「…タプヒョン、なに…言ってんの?」
「…深い意味は、ないって。そんな身構えんなよ。全部酒のせいにしちまえばいい。酒のせいにして、俺と……身代わりでもなんでもいい……俺を、」
ゆらゆら震える瞳を見つめた。心臓がドキドキする。
「俺を……使えば、?」
酒の勢いってあるだろ、お互い男同士だし、そんな深い意味じゃなくて、もっと軽い感じで。俺にとっては深いし重いけど、でも。想いを告げられないなら、せめて。誰かの代わりだっていい。
俺は固まる彼の頬を撫でてから、ゆっくりと顔を近づけた。不思議だ、酒の力ってすごい。シラフならこんなこと絶対できないのに。今なら俺、ジヨンにキスできる。
「…タプ、ヒョン……」
あと少し、ほんの少し。俺の名前を呼ぶその唇まで、あと。
「っ、!」
どん、と肩を押されて身体が離れた。あと1cmで触れそうだったそれは結局触れることはなく。困ったような、それでいて少し怒ってるような、そんな顔のジヨンが目に入って。ようやく彼に突き放されたことを理解した。
「……ジ、ヨン、」
「…なに、してんのタプヒョン、?」
サーッと血の気が引いていく。酔ってふわふわだった気持ちはどこかへ飛んでいった。残ったのはなんとも言えない虚しさと胸の痛みだけ。
「ヒョン……なんで、そんな……酒の勢い、って…そんなの……」
あ、やばい。泣きそう。
そう思ったときには遅かった。
「…ふ、ぅ…っ」
ポロッと一粒零れたあと、そのあとに続くように涙か溢れ出した。苦しくて痛くて、情けなかった。
「ひ、ぅ……っ、くそ…」
「え、」
「なんだよ…酒の、力…使っても無理なのかよ…っ」
惨めで笑えた。ひくひくと痙攣する口角。多分今の俺、笑えてなんかない。止めたいのに涙が止まってくれない。次から次へと溢れ出して、鼻の奥も胸もなにもかも痛くてぐちゃぐちゃ。
「タプヒョン、?」
「ぐす…なんなんだよ、頑張って、誘ってみたのに……これでも、だめなのかよ…ぅっ」
もういっそ今胸に込み上げる気持ちを全部ぶつけてしまおう。もう抱えきれない。どうにでもなれ。
「そんなに、拒否しなくても…いいじゃねーか……ふっ…なんで、なんで……俺じゃ、だめなの…そんなに俺、だめ…?こんなにお前のこと……おもって、ずっと…っ」
「タプヒョンっ!」
一瞬なにが起きたかわからなかった。大声で呼ばれた名前、香った彼の匂い。身体に巻き付く腕、密着した胸。その熱さ。
「……へ、?」
俺今、ジヨンに抱きしめられてる?
side.ジヨン
「……………俺に、したら?」
一瞬、なにを言われてるかわからなかった。俺にしたらって、言った?どういうこと?
やたらとペースの早かったトップが、珍しくもうすでに酔っ払ってふらふらしてた。渡したミネラルウォーターを飲むその姿。上下に動く喉仏に、なんだか見てはいけないものを見ている気分になって慌てて目を逸らした矢先。突然彼が俺の恋愛についていろいろ聞いてきたから焦った。
(好きな人はいないのかって、そんなの)
そんなの、ずっと前から君なのに。俺が好きなのは、君だけなのに。そんな君に聞かれるなんて残酷すぎる。
だから曖昧に答えてたのにさ、あんまり話したくなくて適当なこと言って躱してたのに。
「……どうしてそんなこと聞くの」
「………友達、として…気になって。応援も、したいし」
友達としてって。そうだよね、君にとって俺はメンバーで、仕事仲間で、大切な友達。それ以上でもそれ以下でもない。そう思い知らされて、惨めになって、HPはもう0に等しい。
「その人は俺のことなんて好きじゃないし。想いを告げたところで上手くいかないから」
自分で言ってて虚しくなった。ま、片想いにももう慣れてるけど。
そんなこんなで気分の沈みかけている俺に、彼はとんでもないことを言い始めた。
「………じゃあ、さ」
「ん?」
「……………俺に、したら?」
「……ぇ、」
それってどういうこと?俺にしたらって、それってもしかして君も俺のこと…。
いやいやありえない。期待しちゃだめだって。後で痛い目見るのは自分だ。
「……苦しいだろ、そんな想い抱えて…。だったら、さ……その、発散?てわけじゃねーけど…溜まってるもん、俺でよければ、代わりに」
全然理解が追いつかない。脳がぐるぐる回って、頬が異様に熱い。
「酔った勢いでさ、あるだろ?そういうの」
「…タプヒョン、なに…言ってんの?」
「…深い意味は、ないって。そんな身構えんなよ。全部酒のせいにしちまえばいい。酒のせいにして、俺と……身代わりでもなんでもいい……俺を、」
眉を下げトップが笑った。それは笑ってるのに泣いてるみたいで、なんだか全てを諦めたような、自嘲の笑みだった。
「俺を……使えば、?」
するり、と長い指が俺の頬を撫でる。ゆっくりと近づく彼の顔。スローモーションのように見えた。
あと少し、ほんの少し。君の薄い唇が触れるまで、あと。
「っ、!」
気付いたらその身体を突き放していた。カーッと頭に血が上って、言いようのない苦しみと怒りがふつふつと湧き上がる。
「……ジ、ヨン、」
「…なに、してんのタプヒョン、?」
震えるその声に、ますます目の奥が熱くなった。だって君、さっき「俺を使え」って言ったよね?”使う”だなんてそんな、自分を下げるようなこと言わないでよ。
「ヒョン……なんで、そんな……酒の勢い、って…そんなの……」
身代わりとか、酔った勢いだとか、深い意味はないとか。なにそれ。人の気も知らないで、俺が君を好きなことも知らないで。君との関係を”酒の勢い”なんかで済ませたくない。そんななし崩しみたいな。
そんなの嫌だ。
「…ふ、ぅ…っ」
そのとき、トップの目から涙が一粒こぼれ落ちた。その後を追うようにポロポロと頬を伝って落ちていく。その姿に、心の奥を渦巻いていた怒りはどこかへ飛んでいってしまった。代わりに戸惑いと焦りが襲いかかってきてもうパニックだ。
(な、なんで泣いてるの、?)
「なんだよ…酒の、力…使っても無理なのかよ…っ」
彼は必死に笑おうとしているのだろう、唇の端がぴくぴくと痙攣してる。でも全然上手く笑えてない。
「タプヒョン、?」
「ぐす…なんなんだよ、頑張って、誘ってみたのに……これでも、だめなのかよ…ぅっ」
頭が真っ白になった。彼の言葉を脳の中で何度も繰り返す。
(え、まって。それって…それってさ)
心臓がきゅーっと締まって、ドキドキとそのスピードを上げていく。頬が熱くて仕方ない。期待しちゃだめだって言い聞かせ続けてきたけど、これ、期待していいよね?俺の希望的観測すぎる?勘違い?
「なんで……俺じゃ、だめなの…そんなに俺、だめ…?」
勘違いなんかじゃない。
やばい、嬉しくて泣きそう。
「タプヒョンっ!」
気付いたら腕を伸ばして、その愛おしい身体を目一杯抱きしめていた。より強まった彼の匂いがやっぱり好きだった。
「……へ、?」
トップの気の抜けた声が聞こえた。もう一度ぎゅっと腕に力を込めてから、ゆっくりと身体を離す。彼は目尻に涙をためたまま、ぽかんとした顔をしていて思わず笑ってしまった。
「ふ、はははっ!」
「な…え?な、なに、」
手を伸ばして頬を撫でたあと、親指で優しく目元を拭う。長いまつ毛が震えた。
「…………ねぇ、タプヒョン」
「な、んだ?」
「俺たち、すごいすれ違ってたかも」
「……??」
彼は未だに理解できていないような顔をしている。とりあえずもう1回ミネラルウォーターを飲ませてから、並んでソファに腰掛けた。
「つまりさ、俺たち……ずっと前から両想いだったってことだよ、タプヒョン」
「ぇ……え、うそ……嘘だ…」
そう言いながらそわそわする彼の手を握る。指を絡めるようにすれば、彼の頬にサッと赤みが差した。
「…嘘じゃないよ」
「え、だって………だって、俺が最近、その……近寄ったり、触ったり、抱きついたりしても…ジヨン全然普通にしてたし…」
「あー、あれやっぱりわざとだったんだ。普通なんかじゃなかったよ、内心めちゃくちゃドキドキしてた」
「……シャンプー変えて、テソナたちがいい匂いって、言っても…お前全く興味なさそうで…」
「いや、言わせてもらうけど、テソンとスンリより先に気付いてたからね!なんかいつもと違う匂いするな〜俺タプヒョンの匂いなら知ってるはずなのにな〜散々嗅いでたし…ってこれは変態すぎるか」
「…………いや、俺も……今だから言うけど、ジヨンの匂いは、わかってたっつーか…」
「うわあ、なんか恥ずかしい」
「……気付いてたのかよ」
「うん、もちろん。あのときも実はすっごい嗅いでた。いい匂いすぎて、ちょっと、その……興奮してたし」
「な…っ!」
「で、でも!それバレたら絶対引かれると思って!だから精一杯興味ないふりしてたの」
「そう、だったのか……てっきり興味ないと思って落ち込んでた…。いつか褒められないかなって、未だに使ってるし…」
「え……なにそれかわいい」
「う、うるさい!」
「本当はその頭に鼻埋めたいくらいだったんだから」
「………恥ずかしいやつ」
「そ、そんなこと言わないでよ」
「……でも…今日だって…飲もうって誘ったとき、2人でって言ったらちょっと嫌がってたじゃねーか」
「え?嫌がってなんかないよ」
「嘘だ。すぐにみんなに声かけようとしてたし、2人がいいって言ったときも、”別にいいけど”って……全然良さそうな声じゃなくて…」
「あーそれほんとごめん。そんなつもりじゃなかったんだけど…」
「どんなつもりだったんだよ」
「まず俺が好きなワインを覚えててくれたのが嬉しくて、タプヒョンから誘われて舞い上がって、これデートじゃん!て思ってたんだけど…すぐに、あれ?でも2人って言ってなかったな?って…タプヒョンがそんなつもりなかったらやばいと思って、慌てて訂正した結果が、みんなでって案になったんだよ?」
「……なるほど」
「で、そのあと2人がいいって言われて、もうほんと、嬉しかったんだけど…タプヒョンは仕事の話したいだけだから、変に期待しちゃだめだって自分に言い聞かせて…平然を装って答えないとって思ったら、あんな言い方になっちゃった……言ってから嫌な言い方しちゃったなって後悔してたもん」
「そうだったのか……俺こそ、仕事の話とか……正直嘘っつーか…2人で飲む口実にしてて…」
「あ、だからさっきは”忘れた”なんて言ってたんだ」
「ああ」
「全然気づかなかった…」
「…………………じゃあ、」
「ん?」
「なんで、さっき……俺が、キスしようと、したら…あんな、拒否したんだ、?」
「………それは…」
「……」
「…タプヒョンが、”俺を使え”なんて…自分を下げた言い方するし……酔った勢いとか、そんななし崩しみたいなかたちで、君としたくなくて。軽い気持ちでとか、身代わりだとか……君のこと、好きなのに…人の気も知らないで、なんてこと言うんだろうって、ムカついちゃって」
「……そっか。いや俺も……ジヨンに好きな人がいるって聞いて、すごいショックで…片想いには慣れてるし、上手くいくとも思ってなかったけど……それでもお前の口から直接聞いたら、想像以上にダメージくらって…」
「……うん」
「だから、その……もういっそ、誰かの代わりでもいいから……酔った勢いを言い訳にしてでも、ジヨンと……関係持ちたくて、それで…あんなことを…」
「……そうだったの」
「…………じゃあ、ジヨンの好きな人って…」
「……うん、君のこと」
そう言うと、トップが眉を下げてふっと笑った。多分今、俺と君同じこと思ってる。
「……はは、ほんとだ。すっげーすれ違い」
本当だよね。今までの互いの言動が答え合わせみたいにぴったりとハマって、それが見事に勘違いすれ違いのオンパレード。笑っちゃう。
「遠回りしすぎじゃない?俺ら」
「ああ、道に迷いすぎ」
そう言って声を上げて笑った。全くさ、ぐちゃぐちゃ考えて悩んで落ち込んでたのが馬鹿みたい。こんなに単純な道だったのに、勝手に迷路にしてたなんて。
「くくっ……なあ、」
「ん?なに?」
「いいのか?しなくて…今なら合法だけど」
そう言って頭を少し下げ突き出してくる彼に思わず顔が熱くなった。すごいからかわれてる気分。
「合法って言い方……いや、たしかに思いきり嗅ぎたかったけどさあ!」
「あはは!」
「あ、でももちろんそのシャンプーの香りも好きだけど、ダンス終わりとかのちょっと汗の混じる匂いの方が俺的にはいいというか…」
「な…っ!この変態!」
そう言って顔を真っ赤にして怒る彼が可愛くてたまらない。思わず顔がニヤける。だってもう抑えなくていいもんね?
「………とにかく、それは後で、する」
「?」
俺は彼の両頬を優しく包み込んで、真っ直ぐ見つめた。大きな瞳がさっきの涙で少し潤んでいて、それが綺麗だった。
「……好きだよ、タプヒョン」
ああやっと言えたな。
「………………俺も」
そう言って微笑む唇を今度こそ塞いだ。柔らかくて熱くて、なんだか俺まで泣きそうだった。
「んっ…、」
啄むように唇を動かす。隙間があいた隙に舌を入れればトップの身体がビクッと跳ねた。反射的に離れようとする彼の背中に腕を回してキスを深めていく。
「ん、ふ…ぅ、ぁ…んっ」
鼻に抜ける甘い声に、俺の腰がずっしり重くなった。やばい、心臓が痛いくらいドキドキしてる。このまま止まれないかも…。いや、止まらなくていいかな?
「んぅ…ぁ、ちょ、じよ…っ」
シャツをはだけさせて鎖骨から胸にかけて手を滑らせるように撫でれば、彼が慌てて口を離した。露出を嫌う彼の、普段隠されたそこはキメが細かくて酷く手に馴染んだ。そのことにも興奮する。
「…ねぇ、タプヒョン」
「な、なに…」
「その…………えっちしたい。いい?」
逡巡した挙句結局ストレートな言葉になってしまった。頬があっつい。多分今の君と同じくらい、俺も顔真っ赤なんだろうな。
「なっ………」
トップは大きな瞳をさらに見開いたあと、きゅっと眉間にシワを寄せてサッと目を逸らした。
「………………優しくしてくれんなら、まあ」
「…………………………善処します」
ローションの代わりに一度イったトップの精液をたっぷり指に絡めて中を解していく。最初は痛そうに顔を歪め額に汗を滲ませるその姿に何度も止めようとしたが、その都度続けてくれと言われ今に至る。果てしない時間をかけていけば、そこは2本の指でも余裕のできるまでに柔らかくなった。
「ん、ぁ…う…っ、」
彼の声にも痛みだけじゃない甘さが混じってホッとする。ぎゅっと瞑った瞼にキスをすれば、彼の目がゆっくりとあいた。涙で潤む瞳と赤く染まる目尻に思わず腰が重たくなる。
「タプヒョン、へーき?」
「ぅ、ん…だいじょ、ぶ…ぁ、あっ」
「ならよかった」
そういえばさっき、ある部分を指が掠めたとき中がキュッと締まった、気がした。ビクンッと彼の身体が大きく跳ねたから痛いのかと思い慌ててそこから指を退けたが…。もしかして、
(どこだったっけ…もう少し、右の…)
「ぁ、あっ…!?」
いっそう高い声が上がった。びっくりしたように目を見開く彼に思わず頬が緩む。男にも感じる場所があるというのは聞いたことがあったが、どうやら見つけることができたらしい。
「あ、ちょっ…んっ、まって、やだ!」
「気持ちいい?」
「ひ、ぅう゛〜〜…っ、だめ、まって…っ」
トップが枕を握り締める。ぷくっと膨らむそこを撫でて擦って執拗に攻めれば、彼の腰がぴくぴくと揺れた。
「だめじゃないでしょ?」
「い、やぁあ…んっ、まって、おかしくなぅ…っ、ぁあ゛〜〜っ」
「おかしくなってよ」
「やだっ、やだやだ…ぁあ、またいく…っ」
トップのしなやかな足がシーツを蹴る。いやいやと頭を振り乱す彼の目から涙がこぼれた。
「だめ、まって、とまって〜〜…っいっちゃ、う、ぁあんっ」
「いいよ、何回でもイッて」
「ん、やだぁ…おねが、まって、ん…ぅあ」
「なんで?」
動かしていた指を止める。彼は口を開け必死に上がった息を整えながら、濡れたまつ毛を揺らし俺を見上げた。
「はっ…ん、いっしょ、にっ」
「ん?」
「じよんと、いっしょに、いきたい…」
「ぇっ」
「も、いれて…はやく、ほしい…」
本当に危ない。その言葉だけでイきそうになってしまった。散々我慢した自身は痛いくらい勃ち上がってもう限界。
「……うん、じゃあ入れるね、?」
頷いたのを見てからゆっくりと指を抜く。そのまま入れようとした。が…バックからの方が楽だろうか。なんせ男同士は互いに初めてだから少しでも彼の負担が少ない方がいい。
「後ろからの方がタプヒョン楽かな?身体的にも…うつ伏せになれる?四つ這いに…」
そう言いながら彼の身体を動かそうとしたが、トップは嫌だと首を振った。
「…このまま、がいい…このまま入れて」
「え、でも……少しでも楽な方が…」
「………………ぎゅってしたいから、やだ」
「っ、」
後頭部を殴られたような衝撃にくらくらした。とてつもない破壊力だ。どこでそんなこと覚えるわけ?まさか慣れてないよね?もう止まれる自信ないよ。煽った君が悪いんだから。
「じゃあ…うん、このままで」
彼がしがみつくように俺の首に手を回したのを合図に、ひくひくと蠢くそこに自身を押し当てた。ゆっくりと押し込んでいく。
「ぁ…い゛…っ、うぅ、」
散々慣らしたとはいえ圧迫感は拭えないだろう。眉間にシワを寄せる彼の顔中ににキスを落とした。
「ごめ…っ、あと、ちょっとだから、」
かくいう俺もすごいキツくて、ちぎれちゃうんじゃないかと思うほどぎゅうぎゅう締め付ける中にたまらず唸る。必死に深呼吸をして身体の力を抜く彼。その隙に全部入れきった。
「はっ…はぁ…っ、ぜんぶ、はいった」
「ん、ぅ…ぁ、」
トップが嬉しそうに目を細める。その拍子にこぼれ落ちた涙が顔を伝って枕を濡らした。馴染むまでしばらく待つ。熱くて絡みついてくるそこが愛おしくて仕方なかった。
「ん…そろそろ、動くね」
徐々にゆっくりと腰を動かしていく。先程円滑油として使った彼の精液と俺の先走りが混ざってぐちゃぐちゃして、その卑猥な音がより俺たちを煽り立てた。
「あ、ぁう…っん〜〜っ、あっ」
目を瞑り頬を染めながら、じわじわと快感に飲み込まれていく彼の表情がたまらない。きっと俺、今すごいだらしない顔してる。うん、確かにこの体勢で正解だった。だって君の可愛い顔が見れるんだもん。
「ぁ…っん……ふふ、かわいい、」
ポロッとこぼれた声に、瞑っていた彼の目が見開かれる。耳まで真っ赤になって口がわなわなと震えたかと思えば、俺を掴んでいた手を離して慌てた様子で顔を隠した。
「ひ、ぅ…みるな…っ、はずかし…ぁ」
今更ながらトップも気付いたらしい。正常位では自分の顔が見えてしまうことに。
「ぁ…たぷひょん、隠さないでよ」
「あ、ん…や、やだ…っ」
「ねぇ、顔見せて?見たい」
「やだ…って!」
嫌がる彼の手を掴んでシーツに縫いつけた。そのまま指を絡め恋人繋ぎのままぎゅっと握れば、睨むようにこちらを見あげてくる。そんな涙でいっぱいの潤んだ瞳で睨まれても興奮するだけ。
「はな、せ…っ、あ゛…やだぁ…っん」
「ほら…手はこっち、でしょ?」
握ったままの手を自分の背中の方に持っていけば、トップはそのまま俺の身体を抱きしめた。ついでにその長い足も絡めてくるからつい腰が重くなる。
「ぁっ、んあ〜〜…っん、だめ、ぁあ!」
肌のぶつかる音が響く。解かす際に見つけた彼の気持ちいいところを擦るように腰を動かせば、トップの顎がぐっと上がり背中がしなった。
「ひ、ぅ…ぐ…っ、ああ、やっ、そこっ」
「はぁ…っ、きもちいい?」
「ん、ぃい…あっ、きもちい…う」
耳元でする甘い声、離すまいときゅうきゅう締め付ける中、縋り付くように抱きしめられて、もう俺も限界だった。
「はぁ、ん…っ、やば…」
「あ、あ゛んんっ…や、じよ…っ、もう、むり、いく、いっちゃ…あぅ!」
「ん…俺も、限界…っ」
「あ…い、しょに、いっしょにいきた…っ」
「は、ぁ……うん、一緒にいこ…っ?」
腰の動きを速める。晒された肩に歯を立てぐっと力を込めれば、俺の背中に爪が食いこんだ。
「あ、やだっ、ぁん、いく、いくいく…っ〜〜ぁああ゛!」
彼の腰がガクンッと大きく跳ねる。締め付ける中に、俺も後を追うように吐き出した。
綺麗に身体を拭いて、トップの中も掻き出してからベッドに倒れ込む。眠そうな顔をしながらぐったりと横になる姿に、ちょっと罪悪感が芽生えて優しく頭を撫でた。
「ごめんね、しんどかった?シャワーは後で浴びてもいいし、眠たかったら寝てね。疲れたでしょ?」
彼は横に頭を振ったあと、擦り寄るように俺の胸に額を押し付ける。
「……ちょっとだけ疲れたけど、しんどくはない」
「…ならよかった」
「…………ただ、」
「ん?」
「……………すごい、幸せだなって」
呟くように言われた言葉に胸の奥がぎゅっとした。そこからじわじわと温かさが広がっていってぽかぽかする。散々すれ違って遠回りしたから、こうやって君と一緒になれたことが夢みたいで、嬉しい。きっと君も同じこと思ってるよね。
「………うん。好きだよ」
いくら言葉にしても伝えきれないくらい。それくらい想ってた、ずっと。これからは遠慮なく好きだって言えるなんて、本当に幸せだなって思った。
「…………俺も、好き」
もごもごと返ってきた返事に、たまらない気持ちになってその身体を抱きしめる。
「………じゃあ、さっきのお言葉に甘えて」
「…?」
不思議そうにするトップの、しなやかな髪に鼻を埋めて思いきり吸った。シャンプーの匂い、少し甘くて心地よくて、そこに君の汗が少し混じってもう最高。ずっとこうして嗅ぎたかった。
「ふーーーいいにおい……汗の匂いも混じってたまんない」
「〜〜っ、変態!」
だってもう合法なんだから、いいよね?
皆様お付き合いいただきありがとうございました!すれ違いコント繰り広げる両片想いのちょっとアホな2人を目指しました笑 書いてて楽しかったです!
読んでくださりありがとうございました♡
コメント
9件
すれ違いが実って本当に良かった😭💗読んでる間ずっとニヤけてました笑ほんといつまでも幸せになって欲しいですわ🫶🫶🫶

ほんとに好きです😭😭😭 両片思いから実る瞬間は素晴らしく綺麗です...🫶本当に今回も素敵でした...
いやもうなんか口角なくなりすぎて探すの諦めてきてる🥲︎🥲︎ なんかほんとにドラマのワンシーンみたいでドラマチックで好きです!!!!!(?) 最後ジヨンさん変態なの最高笑笑