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ーーある日のバイト帰り。
店締めまで手伝っていればすっかり夜も更けてしまう。今日こそ早く帰ろうと思っていたのに、店長に捕まってしまえば流石に逃げられない。
ヘトヘトになった体に鞭を打って家へと足を進める。初夏の夜とはいえこんな時間になってしまえば日の落ちる時間なんて関係ない。
街灯の少ない道へ差し掛かればふと、後ろから気配を感じる。
こんな時間だろうとこの道を通る人間はいるだろ。
変に意識して勝手にビビってるのは流石に情けない。杞憂だろうと頭をふり気を取り直す。
だがその気配に
感じる視線に
身の毛がよだつ。
少し歩くスピードを早めれば後ろの足音も早く聞こえてくる。
いや、いやいやいや。
偶々だろう。何をビビってる。
ましてや俺は男だ。
お、襲われるなんて自意識過剰な、、、!
最悪の可能性を振り払いたくて、現実逃避に走る。
そんなことをしていても、段々と近づいてくる足音。息づかいまで聞こえてきてしまう。
もうそれが、自分の錯覚かどうかも分からなくなるくらいパニックになっていた。
だ、誰か、
母親?
いやこんな時間に来れるわけないし、助けを求めるのに向いてないだろ!
高校の友人、
、、、も呼べるような奴はいないし、。
脳内で必死にスマホに入ってる連絡先を思い出す。
焦りに冷や汗をかけばそれが余計に恐怖心が増幅させられる。
ただでさえ友人なんて少ないのに、
こんなどうしようもない理由で困っていることを連絡できる人なんて、、、
『 また困った事があったらいつでも言って 』
ふと、いつかのメモを思い出す。
いや、、、。
こんな都合のいい時だけ連絡するとか調子良すぎだろ、。
他、
他に誰か、、
コツコツコツ
もうどれだけ近いのか、
どのくらいのスピードで近づいてきてるのかも
分からない。
頭に響く反響音にだんだん自分の呼吸が浅くなっていく。
もう、、、
誰でもいいから、
助けて、、、、
耐え切れなかった俺は、
気づけば電話をかけていた。
ーープルルルルルルルッ…..プルルルルルルルッ…..プルルルル….
『ーーーもしもし?』