テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
タボちょん、捏造、センシティブ注意
夜の部屋は、風呂上がりの湯気とコーヒーの香りで満ちていた。
ちょんまげはキッチンカウンターの前で、カップを二つ並べている。 タオルで半乾きの髪を拭きながら、ちらりとリビングを見た。
ソファには、長身で色黒の男がどっかり座っている。
ターボー。
会社の社長でそして、ちょんまげの恋人。
幼馴染だが、再会して付き合い始めたのは数ヶ月前。 けれど付き合い始めてからのターボーは、まるで今までの分を取り戻すみたいに甘かった。
「ちょんまげーまだ?」
低くてよく通る声が飛んでくる。
「はいはい、今持ってく」
返事をしながら、ちょんまげは小さな瓶を取り出した。
——媚薬。
といっても、ネットで見つけた怪しいやつだ。
「ちょっと気分が高まるハーブ」程度の説明だったが、半分は冗談のつもりで買った。
「…ほんとに効くのかな」
ちょんまげは苦笑する。
そもそも、ターボーは別に困っていない。寧ろその逆だ。
体格差もあるし、体力もあるし、ちょんまげがいつも先に参ってしまう。
でも今日は、ほんの出来心だった。
いつも優しく主導権を握るターボーを、少しだけ翻弄してみたくなったのだ。
「ちょっとだけ…」
ぽとり。
コーヒーのカップに数滴落とす。混ぜてしまえば、もうわからない。何食わぬ顔でカップを持ち、リビングへ向かった。
「はい、ターボー」
「お、ありがと」
ターボーは無防備に受け取って、一口飲んだ。ちょんまげはその様子を、そっと観察する。
(…何も起きないじゃん)
数分経っても変化はない。
テレビのニュースを見ながら、ターボーはいつも通りコーヒーを飲んでいる。
(やっぱり怪しい商品だったか)
そう思って気を抜いた瞬間だった。
「…ちょんまげ」
不意に呼ばれる。
「ん?」
振り向いた瞬間、ぐいっと腕を引かれた。
「わっ」
そのままソファに引き寄せられる。
近い。ターボーの体温が、すぐそこにある。
「タ、ターボー?」
見上げると、いつもより目が鋭い。
「なんか今日……」
ターボーは低く呟く。
「お前、やけに可愛く見える」
「え、何それ」
「いや、マジで」
大きな手がちょんまげの腰を軽く抱く。その力が普段より少し強い。
「…風呂上がりだからかな」
ちょんまげは目を逸らす。
内心、嫌な予感がしていた。
(もしかして……)
効いてる?
ターボーは元々ちょんまげに甘い。 けれど今の視線はそれ以上に熱っぽかった。
「ちょんまげ」
「な、なに」
「いい?」
「えっ……」
そう言うと、ターボーはちょんまげを軽々と抱き上げた。
「うわっ!?ターボー!」
「なんかさ」
ターボーは笑う。
いつもより少し獰猛な笑顔。
#良いこと悪いこと
すいみー
48
#ターボー
すいみー
545
#良いこと悪いこと
すいみー
33
#良いこと悪いこと
すいみー
144
「やたらお前に触りたくてしょうがない」
「ちょ、ちょっと待って!」
「無理」
即答だった。
「今日は逃がさない」
ベッドルームの扉が開く。
ちょんまげは完全に悟った。
(これ…)
完全に自分のせいだ。
「ターボー、明日仕事だよ」
「社長だから平気」
「それ理由になってない!」
笑いながらベッドに下ろされる。
ターボーが見下ろしてくる。
長身で、肩幅も広くて、色黒の肌。
その迫力に、ちょんまげは昔から弱い。
「なあ」
「…なに」
「今日、やけに素直だな」
「そ、そう?」
「うん」
ターボーは優しく頬を撫でた。
「いつもより、可愛い」
その言葉にちょんまげの顔が熱くなる。
(いや、可愛いのはそっちだよ…!)
こんな顔をするのは、自分にだけだ。
ターボーは昔から、ちょんまげにだけ甘い。
「…なあ」
「ん?」
「逃げないよな」
その声は、少し低い。
「今日は、いっぱい構いたい」
「…ほどほどにね」
そう言った瞬間、ターボーは笑った。
「無理」
「即答すぎる!」
部屋の灯りが少し落とされる。
ターボーは額を軽く合わせた。
「好きだぞ、ちょんまげ」
「……知ってる」
「じゃあいい」
ターボーがくすりと笑ったあと、愛おしそうな目でちょんまげを見つめる。