赤愛され 通報×
小さい頃から憧れていた。
自分もそうなりたいと思いながら日々過ごしていた。
試しにやってみたり、少しネットにあげてみたりもした。
周りにバレないように、家族にバレないように
昔から声を褒められていたから、自分には才能があると思っていた。
ただの勘違いだと幼かった自分にはそんなこと思わなかった。
そしてバレてしまった。
いや話さないといけなくなった。
学校で進路の話をしなきゃいけなかったからバレて当然だ。
オープンキャンパスで貰った資料を見られてしまった
「お前それって…」
″お前なんかがなれるわけないだろ、笑
突然脳裏に響いたその言葉。
俺は前にそう言われた気がする。
いつの日のことだ?
思い出せない?
本当に言われた…?
「おい、りいぬ~、?」
「聞いてる?」
「へぁ、ごめん…っ、」
「お前の声好きだから絶対なれると思う!頑張れよ」
「ほ、ほんと…っ、?気持ち悪いって、」
「なんでだよ、笑」
「応援してるから、サインくれよ!」
「…っ!うん!」
友達はいい人だった。
勝手に決めつけていたみたいだ。
それなら家族も大丈夫…
そう信じて出願用紙を家族に見せた
「専門学校…」
「俺、本気で目指したいんだ…だからっ、」
「りいぬにぃ声優さんになるの、?!」
「ぇ、っと…ぅん、!」
「…っ、」
ななにぃの表情にすごく怖く感じた。
学費高いよね、こんな夢目指すなんて馬鹿らしいよね。
真面目に大学行けって言うかな
「りいぬくんがしたいこと見つけられたみたいで俺は嬉しいよ」
「頑張ってね、りいぬくんなら大丈夫」
「ぃ、いいの、?」
「なんで、?俺はりいぬくんのしたいことに反対しないよ」
「そっかぁ、やっぱりなるんだねぇ、」
「動画投稿してたしな」
「なんでそれっ、?!」
「僕たち実はぁ…笑」
「うっわぁ…ぁ…」
「りいぬにぃ可愛かったよ?」
「ぅ″…」
はぁ、?声優?なに馬鹿げたこと言っているの
あんたなんか無理よ
真面目に働きなさい、大学に行きなさい
「ぃやっ、」
「俺はっ、!」
「ぅい″っ、?!」
「りいぬ、?!」
突然頭に痛みを感じて視界が真っ白に覆われた。
昔誰かにそう言われた言葉がまた蘇る。
誰だこの声…違うななにぃたちじゃない
女…お母さん…、?
もしかして、
「りいぬはっ、!」
「大丈夫ですよ、ショックで気を失っているだけです」
「最近なにかありましたか…?」
「いえ、特には…」
「…もしかして、」
「ぅ、ん…、?」
「りいぬ、!」
「ぁれ、俺…」
「さっき突然倒れて…良かった、なにもないみたいで」
「なぁ、りいぬちょっといいか、?」
「うん、?」
兄弟がさとにぃを不思議そうに見つめる中、さとにぃは一息ついて、口を開いた。
「もしかして、前世の記憶があるんじゃないか?」
「前世の記憶…?」
るぅちゃんが首を傾げて復唱した。
ころちゃんも顔を顰めている。
さとにぃはまるで確信しているかのように淡々と述べていく。
「前世の記憶を思い出してきて、それでなにか言われたんじゃないか?」
「そうだな、例えば…″お前は声優なんかなれない。とかさ」
そう言われた時、頭を殴られたような衝撃が走った。
「さとにぃ″、!」
「例えばだって、!俺はそんなこと思っていない、りいぬ例えばだから」
そうだ、俺そうだった。
前世はそう周りに否定されていた。
「そうだった、俺…なれないって言われて…苦しくて…」
「自分の夢を言うのが怖くて…周りと同じレールの上で生きて来て…」
そして耐えられなくなって死んじゃったっけ、
なんのために生きているのか分からなくて
「りいぬくん、夢はある?」
いまは違う。
みんながいるから
「誰かに認められたい。」
「りいぬ~」
「ん…、ぁれ、?」
目を覚ますと、そこは会社だった。
俺のお腹にいつものブランケットがかかっていて、いつもの犬のぬいぐるみもあって、ソファに寝ていたみたいだ。
さっきのは夢なのだろうか、
「あ、やっと起きた…撮影始まるよ?」
「あれるぅちゃん…?」
さっきまで小さい弟のようなるぅちゃんもお兄ちゃんのようなさとみくんもいなかった。
目の前に俺の顔を覗き込んでいるのは、いつものさとみくんとるぅちゃん。
「…ぅ、ぇ、泣」
「え、りいぬ、?!」
「どした、どっか痛い、?!」
2人が突然泣き出した俺に驚いておどおどしながら心配してくれている。
大事な俺の夢を一緒に叶えてくれる大切な人たち。
「違う、んっ、ふふっ、ありがとう、泣」
「わんわんを泣かすなぁ″~!」
「うっわさとちゃん最低…」
「なんで俺だけなんだよ、笑」
「そうですよさとみくん」
「おぉい、るぅとまで…」
いま俺すっごく幸せだ…。
この人たちが大好きだ。
「なーくん!」
「あ、りいぬくんおはよ~」
一番ありがとうを伝えたい人に俺は思いっきり抱きついた。
細身の彼は少しよろけてでもすぐに抱き返してくれた。
「どうしたの~?」
「ん~ん、なんか好きだなぁって」
「え~?嬉しいなぁ、笑」
「いつもありがとうね!」
「こちらこそありがとう」
明日受験がんばる
コメント
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誰ですか❗莉犬くんを否定した人は‼️😠💢 皆優しいなぁ(*´∇`) 受験頑張ってください‼️(*´∀`*)尸"(っ`・ω・´)っ🔴🖤
律さんんんん🥹🥹🥹 律さんほんとに天才すぎます🥲💭 らぶ超えてびっくらぶです!!!(?) 受かりますように!!!!!!🍀︎✨