後悔、懺悔、やり直し、人間《ヒト》であれば
誰しも一度は考えるだろう
だが、私の目の前を歩く人からは、とても私じゃ耐えられないような後悔が滲んでいた
「じゃあ、ちょっと昔の話をしようかな」
そう話す人物は少し沈んだ声でまた話し始めた
「ちょっと昔…大体…200年前かな」
「200年…前…」
「そう!200年前」
「200年前にここは神の聖域と呼ばれていた」
「…?でもそんな話は聞いたことがないです」
「そうだろうね、だってこの事は文献なんかには全く書かれていなかった」
「あっても神の言い伝えがある程度」
聖域…200年…ちょっと昔…?
「…少しお聞きしたいのですが」
「うん?どうしたの?」
「どうしてそんなことを知っているんですか」
「そして…貴方は一体何なのですか」
…言った…言ってしまった……相手の秘密だったかもしれないのに…後先考えずに言ってしまった…やってしまった
心臓の鼓動が早くなる
緊張が止まらない
目の前の人物は少し寂しそうに口を開いた
「…そっか…君はもう…」
「…分かった…今から僕の知っていること全て話そう」
答えてくれたことに少し安心したのか心臓の鼓動は落ち着きを取り戻した
「…全て…」
「そう…今から話すことは全て事実…嘘なんかじゃない」
これから語られる真実というものに私は少し興奮していた
もしかしたら私の過去が分かるかもしれないと
「じゃあまずは君のこと」
「…はい」
「まず君は僕と一緒だった…ここまでは分かるね?」
「はい…なんとなくは」
「じゃあそこからの話」
「簡単に言えば僕らは人じゃない」
「難しく言えば欲望を叶えるだけの天使」
「…え?」
「まあ直ぐにそんなこと言われたらよく分かんないよね。理解する時間をあげるよ」
私が天使?…?考えれば考えるほどよく分からなくなっていく…それと目の前の人物も
「天…使?」
「そう、天使。君も、僕も」
「…いや…君は…元…といった方が正しいかな」
「どう言うことですか」
「…混乱するよねやっぱり」
「…でも、一度に一気に空白を取り戻せば」
「君は最悪植物状態」
「そんなに…」
「大丈夫。僕がそんなことにならないようにするから」
「だから、今は少し…聞いてて」
「お姉ちゃん」
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