コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
司会の人の言葉に緊張が走る。
「正解です!」
その言葉と共に客席からの歓声があがった。
「最後に手をつないだ白梨さんが、まさかの1位抜けです!緑川くんには箱から出てもらいましょう。2人は最初の席で待っていてくださいね!」
「…花月。」
「聖さん……嬉しかったです……。」
「…俺も嬉しいよ。当ててくれてありがとな。」
「直感で選んだから……本当に当てられるか心配だったの。でも、聖さんの手をちゃんと選べて嬉しい。」
「それでは最終審査に移ります。毎回恒例のこの最終審査、この審査で順位が激しく動く。その名も『君に届け!運命のプロポーズ!』です。」
「プロ……ポーズ…?」
「この最終審査では、女性陣に向けて男性陣にプロポーズをしてもらいます。審査員、観客の皆様、そして司会の私が証人となります。さあ、思いの丈を告げていただきましょうー!」
「あ、あの、聖さん……。」
「…花月、俺の中の思いを……本気を伝える。だから……冗談なんて思わないでくれ。」
聖さんが言っていたことって、このことだったの……?
「それではエントリーNo.1の方からどうぞ!」
「美樹、俺はお前を愛してる。一生俺の傍にいてほしい。これからも俺と一緒にいてくれるか…?」
「うん、ずっと一緒だよ!」
「おおー!なんと1組目からカップリングが成立しました!」
どうしよう。これって聖さんから告白されるってことだよね……?
そうしたら私は……どうするべきなの……?さっきの人たちみたいに恋人になる……?それとも断って、これからも友達として…家族として付き合っていく……?
「ごめんなさい……!結婚とか恋人とか考えられなくて……友達のままでいてください。」
考え事をしていた内に、2番目の告白が終わってしまっていた。男の人の表情からして、上手くいかなかったことが伝わってくる。
私がもし断ったら……聖さんにもあんな顔をさせてしまうの……?
ダメ…そんなことできない。
でも……まだ私には聖さんと付き合うという覚悟ができていない。
聖さんが本気で向き合おうとしてくれているのに、中途半端な気持ちで付き合うことなんかできない。
「続いて、No.3のペアに移ります。それでは、告白をどうぞ!」