ピーンポーン
??「…….はい」
目の前にあるインターホンへと手を伸ばすと、中からは、低すぎず、高すぎす、物凄く魅力的で少し気だるそうな声が聞こえた。
こ、この人が…もしかして僕の結婚相手の方なのかな….?
て、て言うか….ちょっとだけ…ほ、ほんのちょっとだけ….声かっこいいなぁ…なんて思ったのは内緒だよ?ㅎ
🐥「あ、えっと…パクジミンです!」
??「あぁ….どうぞ」
僕が名前を言うと否や、返ってくる返事はとても無愛想な言葉。
えっと…こっちが結婚の話を持ち出したんだよね..?
なのに….なんでこんな素っ気ないんだろう…
本人は僕なんかとの結婚….望んで無かったのかな?
なんて一人でそう思ってみるも、少し寂しいなだなんて感情が芽生えて来て、心の底に霧が立つようななんとも言えない気持ちになる。
🐥「ッ…..」
で、でもまぁ….まだ会ったことも、まともに喋っ事も無い完全な初対面の人だから….素っ気ないのも当たり前….だよね。
どうせ今日から一緒に暮らすんだし…そのうち慣れていくに違いない。
だから今は…あんまり考えないようにしなくちゃねㅎ
🐥「あ、」
「どうぞ」と言う冷たい言葉を放たれてから一人でポツンと豪邸の前に馬鹿みたいに考え過ぎていた事が恥ずかしくて、今更湧いて来た罪悪感に包まれた。
て、てか早く行かないとっ…
そう思い、目の前に立ちはだかる、ダークブラウンの大きなドアを自分の右手で急いで、傷が付かないように注意をして開ける。
…………………………………..
🐥「……….ぉ、お邪魔します」
やがて豪邸の中に入ると、バタンと開けていたドアをゆっくり丁寧に閉めてから、体を前に動かして中を一目見ようと顔を上げた。
🐥「わっ…../」
そうすると否や、目の前で腕を組みながら、僕の事を冷たい眼差しでジロジロと見つめる美青年が僕の目に映った。
??「えっと….ジミンさんですよね?」
🐥「ぁ、は、はぃ…/」
あれ….なんで僕….こんなドキドキしちゃってるんだろ…../
初めて会った人なのに…/
??「へ〜……思ってたよりも背低いんですね」
??「ちゃっかり同じぐらいだとㅎ」
🐥「なッ…/」
な、なんだよこいつ….見た目はかっこいいのに…中身は全然かっこよくないじゃん。
すっごい腹立つんだけど?
あ、ち、ちなみによくよく見てみると、唇や、眉毛、両耳にかなりのピアスが空いていて、右耳だけでもおよそ6個ぐらいの数が空いている。
しかも顔はと言うと、鼻が高くて目もクリクリでまるでうさぎみたいな顔立ち。
おまけに肌もすごく綺麗で遠くから見ていてもツルツルと光り輝いて見えるのは言うまでもない。
て、てか今更かもだけど大企業の息子とは思えない様な見た目だなぁ…..
ぁ、もちろん中身もだけど。
??「んふっㅎ冗談ですよㅎ」
??「ぁ、ちなみに俺の名前知ってます?」
🐥「ぇ、ぁっいや、分かんないです」
確か….大企業の息子で….αって事ならオンマから聞いてるけど….それ以外の情報は何も知らない。
なんで僕なんかと結婚したのか、
なんの仕事をしているのか、
いくつなのか、
そんな身近な情報すらも知らない。
??「結婚相手の名前すら知らないんですね」
??「呆れました」
そう冷たく放つ彼は、どこか寂しそうな色を瞳に浮かべていた気がした。
🐥「ッ……….ごめん」
本当は、「仕方ないじゃん!」とか、「しょうがないでしょ」とか、
言ってやりたかった。
けど、まずまず結婚の話を持ち出された時に自分からオンマに名前だけでも聞いとけばよかったって言うのもあって、すごい申し訳なくてただ単に謝る事しか出来なかった。
??「まぁ、特別に教えてあげますよ」
??「俺…ジョングクって言います。チョンジョングク」
へぇ〜….名前すらもかっこいいんだな…
🐥「そ、そうなんですね…」
🐥「ぁ、えっと…ぼ、僕はパクジミンです」
🐰「ふっㅎ…それぐらい知ってますよ。」
🐥「ぁ…../」
そ、そっか…だってインターホン押した時僕が「パクジミンです」って言った時にすぐさま「どうぞ」って言ってたもんなぁ….
て事は….初めから僕の事は知ってた事だもんね。
そう考えると….なんか僕だけ何も知らないでちょっと…申し訳ない….
🐰「後ちなみに….失礼ですけど…おいくつなんですか?」
🐥「あ、えっと….に、23です」
🐰「へ〜….めっちゃ若いですね」
🐥「じゃ、じゃあ….ジョングクさんは、いくつなんですか?」
🐰「…..27です」
🐥「えっ…..!?」
へっ?えぇ….?う、嘘でしょ?….ちゃっかり僕よりも年下だと思ってたんだけど….
🐰「どうしたんですか。そんな驚いて」
🐰「ぁ、てっきりかっこよ過ぎて年下だと思ってたりなんかしてませんよね?ㅎ」
そう言って、大きくてぱっちりな綺麗な目を細めて笑みを浮かべている絵面はまるで兎そのもの。
🐥「ッ….べ、別に….思ってなんか…ないし../」
小さな手でスルリと自分の髪を触り、目を逸らしながらわざと唇を突き出すように反抗してみる。
どうだ…..これで反省する気になったか?….
🐰「はいはい、とりあえずさっさと上がったらどうですか?」
🐰「いつまで玄関の所に突っ立っとく気?」
なんて顔色一つ変えずに問いただして来るジョングクさん。
心做しかちょっと….ほんとにちょっとだけ….怖い….
🐥「ぁ、確かに」
そう言って、前に友達からプレゼントして貰ったスニーカーを急いで脱ぐ。
🐥「……….よしっ」
最後に脱いだ靴を丁寧に揃えてから一番端っこのところにポツンと置く。
こういう時にだけ芽生えて来る自分の几帳面な性格は相変わらず変わっていない。
靴を玄関の所に揃えて置くといなや、家の奥へと足を進めた。
🐥「わぁ…..」
そうすると、目に映るのは、ガラス張りの大きな窓や、およそ5、6人用のカウチソファ。
そして、2階にへと誘導するカーブ階段や、リビングにはおよそ90インチ程の壁掛けテレビ。
おまけに天井には、部屋中を照らす、白のアンティークチョーク。
そして、カウチソファの横には綺麗な色をしたパームツリーが置いてある。
僕もそこそこ稼いではいるし….家もまぁかなり広い方だけど….ジョングクさんの豪邸は僕の家に比べられないほど大きい。
僕の家のおよそ2倍….いや、4倍ぐらいとてつもなく広い。
そんな部屋中を何度も自分の目をパチクリさせながら、ただ単に唖然としながら見渡す事しか出来ない。
🐰「ふふっㅎ何呆然としてんですか…」
🐰「そこに立って貰うのも邪魔なんですけど」
🐥「ぇ、いやっ、だ、だってッ…」
こんな家見てみて驚かない人なんているの…!?
てか、こんな広い所で一人暮らしとか….寂しく無かったのかな….
なんで色々が疑問が次々に湧いてくる。
🐰「まぁ、とりあえず部屋行ってて」
🐰「あ、ちなみにあんたの部屋あそこの角曲がった所にあるから」
🐰「分かんなかったからまたここに戻ってきて」
🐥「うん…分かった」
角を曲がった所にあるって言ってるけどいまいちよく分かんないなぁ….
でもまぁこの家の部屋とか色々探索したいし….とりあえず指示された通りに向かってみるか。
そう思うのと同時に片手に持っているスーツケースを頑張って持ち上げてから、家の中を進もうとした瞬間、
🐰「あ、くれぐれも俺の事….」
🐰「好きにならないようにね?ㅎ」
と、悪い笑みを浮かべて、僕の肩に手を置きながらとんでもない事を言って来た。
なッ…./
こ、こいつ…..
年上の癖して……
ほんっと….生意気過ぎだろっ…
🐥「….お前の事なんか好きになるもんかぁ!」
10月13日。
どうやらここから僕の不思議な同棲生活が始まるそうです。
いや〜ジミンちゃんツンデレですね笑
あと遅くなってしまってすみません💦
この話凄く面白くなりそうな予感がします笑
ちなみに完結しても、番外編とか書こうと思っているので、楽しみにしといてください!
頑張ったのでコメントとハートくれるとやる気出ます。
次回️♡×700
コメント
2件
ドキドキハラハラな同棲生活....! 続きも楽しみに待ってます!!頑張ってください🔥