朝日が部屋に差し込む。この朝日には毎日毎日嫌気がさして起きるのが億劫になってたなぁ…wなんて思いながら鏡と向き合って来ている制服を眺める。???「今日で最後か〜……。」
母「とーますー!!!」
とーます「はーい!」
母「そろそろ時間よ!行きなさい!」
母「”卒業式”に遅刻なんてやめてよね!w」
とーます「はいはいわかってる!w」
なんて適当に母のいつもの説教を慣れた口調で聞き流す。
今日は50人krft高校の卒業式。
沢山の人が卒業する。もちろん俺も例外ではない。あ〜、思い入れ結構あったんだけど寂しいなぁw
なーんで考えながら玄関のドアを開けると目の前には…
のじゃじゃ「とーます、おそい。」
俺の彼女であり命の恩人?wであるのじゃじゃがいた。どうやら俺が出てくるのが遅かったから少し怒ってるっぽい。ごめんってw
彼は俺が自己肯定感が低かった高校一年生のとき、手を差し伸ばしてくれた。
〜〜回想
のじゃじゃ「お前、そこで死んでもいいのかよ。」
学校の屋上で柵を越えようとした時そう声を掛けられた。
とーます「……でも、」
のじゃじゃ「今その辛さを乗り越えたらさ、これから楽しいことまだまだあるんじゃねぇの?」
うるさい、わかったような口を聞かないで。
のじゃじゃ「俺達の青春はまだ始まったばかりだよ?もう死ぬの?」
青春…………俺だってまだ楽しみたいよ。
のじゃじゃ「馬鹿なんじゃないの。死ぬなよ。」
死ぬなよ、って……身勝手なこと言わないでよ
とーます「の、じゃ……」
のじゃじゃ「俺は、生きて欲しい。」
生きて欲しいなんて言わないでよ。死ぬの躊躇しちゃうじゃん。
のじゃじゃ「お前が……とーますが、大好きだから。」
そうやって優しい笑顔で言ってくれたあの日のことを、おれは忘れていない。
とーます「ごめんごめんwのじゃ達がそんな早いとは思わなくて……w」
かえる「舐められちゃ困るよ〜」
らーば「最後の日くらい早く来るよ!!!wwww」
のじゃじゃの後ろに隠れていた2人はかえるとらーば。2人はどうやらイチャイチャカップルらしい。まあ俺も人のこと言えないけど。
のじゃじゃ「ちゃんとお揃いのキーホルダー持ってきた?」
とーます「勿論!いにん先生がほかの学校に転勤するってなった時に貰ったやつだよね!」
なーんて言いながら俺はそのキーホルダーを取り出してキラリと揺らす。
いつ見ても可愛いな〜なんて思ってしまう。
かえる「そうだよ……。今日は学年のみんなでそれ持って写真撮るって決めてたでしょ?」
らーば「マジで忘れんなよw」
とーます「ごめんって!」
こうして4人で俺達の高校に向かった。すると正門付近で見覚えのある人達がいた。
陰キャ転生「あ、お前ら。」
とーます「げっ、陰キャ達。」
ひまじん「げってなんやねん!w」
しょうがないじゃん、体が本能的にげって言っちゃったんだもん。(?)
できおこ「酷いですよ〜」
かえる「てか3人とも朝早くない、??」
できおこ「俺が2人を叩き起してきました。」
らーば「なるほどね……w」
とーます「まぁどっちみち行くとこ同じだし早く一緒に行こうよ。」
陰キャ転生「へーへー」
いつもの校舎。
いつもの廊下。
いつもの教室。
いつものメンバー。
いつもの机。
とーます「最後……か」
のじゃ達とはちなみに別クラス。
でも、それでもこのクラスではほんとうに最高の思い出を作った。
うまづらはぎ「とーますくん!おはよー!」
なーんて元気な声がするから振り返ってみてみればハイテンションなうまづらとそれに付き合わされてるこうちゃがいた。
とーます「あ、うまづら、こうちゃ。おはよう。」
こうちゃ「おはよう〜。いやぁ〜卒業式めっちゃ緊張するなぁ!w」
こうちゃ「なあ、この教室さ、今日で最後やで?w」
そんなこと言われたらもっと寂しくなっちゃうな。
うまづらはぎ「……これからみんな、別々の道を進むんだなあ…」
そんなこと言われても実感わかないな……w
あーけん「みんなおはよ〜」
とーます「あ、あーけんさん。」
あーけん「みんなのアイドル、あーけんさんだよ〜」
なーんて悠長にいつもと変わらないテンションであーけんさんは応える。
こうちゃ「今日も絶好調やなw」
とーます「これがもう聞けなくなるなんて寂しいな〜www」
うまづらはぎ「そーいえばみんな、kun先生から出された課題できた?」
こうちゃ「うーん微妙かも」
あーけん「最後の課題だもんね〜!慎重になっちゃう!」
とーます「……」
うまづらはぎ「とーます?」
“先生から出された課題”
それは……
〜回想〜
kun「お前ら、3年生がここを卒業するまで、残り3ヶ月になった。」
kun「ここでお前らに課題をだす。」
なーんていつもの表情と声色で淡々と喋り出すkun先生。
のじゃじゃ「課題?」
この「……?」
なーんて疑問に浮かべ始めるクラスメイト。そんな中kun先生は静かに答えた。
kun「お前達の、お前らだけの”正解”を導き出せ。」
DD「俺達だけの正解……?」
ひまじん「なにいってんすか?」
生徒たちが疑問を吐いてる中
kun先生は口を開いた。
kun「お前たちがその正解を出した時、きっと俺たち先生はいない。」
kun「採点基準はお前らの人生だ。」
kun「制限時間はお前らの人生。」
kun「急がなくて探さなくていい。」
kun「でも、答えをいつかは出せ。」
kun「それが俺からの課題。」
kun「言ってる意味がわから無いかもしれないが、いつか分かったらいい。」
kun「……そのお前らのそれぞれの答え、楽しみにしてる。」
なーんて言い終わったあとまたいつものように帰りのホームルームをkun先生始めたが生徒たちは急に言われた課題に困惑しか無かった。
とーます「……俺もまだ正解は出てない。」
こうちゃ「なるほどな。」
うるんる「みんなー!!これ!クラスでお揃いのブローチ作ってきたんだ!」
うるんる「みんなでつけよ〜!」
なーんて目をキラキラさせながら少し大きめのダンボールを抱えてるんるーが教室に忙しく入ってきた
やにゃー「めっちゃ可愛いにゃ!」
どるぴん「うるんるーちゃんすごい!!」
とーます「えいいじゃんつけよつけよ〜!」
そうやって卒業式までの時間をみんなで潰した。
……やっぱ、楽しいなぁ。
卒業式終わったあと、学年で集まった。
DD「おいお前らー!!!ちゃんとキーホルダー持ってきたかー?!」
ぺにがき「あたりめーだよなー!」
ヴェノム「なんで俺こんなことに付き合わされてるんだ……」
kun「まあ最後くらい良くね?w」
なーんていやいや言いながらも生徒に付き合ってくれる先生たちは優しいと思う。
???「やっばーい!遅刻遅刻ー!」
卒業生「???」
りょーへー「え、……?」
りょーへー「い、にんさん?!?」
いにん「やぁやぁみんな元気にしてた?」
奇跡の再会ってやつだろうか。りょーへーは涙を流しながらいにん先生に近づく。
とーます「いにん先生?!どうしてここに!」
陰キャ転生「まじかよまじかよ」
いにん「いやあ、最後の日くらい見送りたいじゃん?」
と、笑顔いっぱいでいにん先生は答える。
らーば「めっちゃ嬉しいです!!」
そういい、いにん先生の周りに人だかりができる。
のじゃじゃ「……」
かえる「のじゃ、行かなくていいの?」
1人でジトっといにん先生を眺めているのじゃに疑問が湧き声をかける。
のじゃじゃ「……別にいい。」
のじゃじゃ「俺は別に卒業式とか、もう会えないとかどうでもいい。」
かえる「えー、ほんとに?」
のじゃじゃ「…まぁ」
かえる「ならなんでこの集合写真取りに来たの?」
のじゃじゃ「ぁっ……」
かえる「…ほんとは寂しいんでしょ?w」
のじゃじゃ「う、うるせーよ!/////」
かえる「wwwwwwwwwwwwww」
……かえるにちょっかい掛けられて照れてるのじゃ可愛いな。
クラスラインで深夜通話でオールした日。
睡眠不足で授業中寝てしまった日。
体育祭で優勝した日。
のじゃじゃ「……色んな思い出があるよなぁ。」
かえる「……」
なーんてしんみり浸かっちゃって。やっぱ寂しそうじゃん。
とーます「のじゃ、帰ろ。」
夕暮れが影を飲み込んでグラウンドで二人きりの俺らを照らしている頃。そう声をかけた。
のじゃじゃ「結局最後まで残ったな。」
とーます「まあ最後ですから!笑」
のじゃじゃ「……そう」
のじゃじゃ「んじゃ、行くよ。」
そういい、のじゃじゃは少し足を早めて歩いた。
とーます「え、ちょ早いー!」
……こうして見ると俺は
のじゃと一緒に並んで歩いていたけれど
いつの間にかのじゃの背中を追っていたんだ。
そう感じた。
…でも明日からもう君は居なくなっちゃうのか。
のじゃ「ほらとーます。ぼーっとしてないです行くよ。」
とーます「はいはいw」
とーます「……あ、そうだ」
少し悪い顔で笑った。
のじゃ「…何?くだらない提案なら乗らないよ。」
とーます「くだらないだなんて失礼な!!」
のじゃ「はいはいごめんねごめんね。…で、なに?」
とーます「もー、冷たいんだから〜」
とーます「レースしようよ」
のじゃ「……は?」
最後くらい。
とーます「だからレースだって」
のじゃ「ほら、やっぱくだらなかったじゃん。」
最後くらい…
とーます「くだらなくないってばー!」
のじゃ「はいはいはいはいやればいいんでしょやれば。めんどくさいなあ」
とーます「やった〜!じゃなくて本音漏れてるよ?!」
のじゃ「漏れてるんじゃない。漏らしてる。」
とーます「はあ?!w」
のじゃ「もうめんどくさいから早くやって終わらせようよ。」
とーます「もー、つめたいな。」
とーます「んじゃいくよ。」
とーます「よーい」
『はじめ。』
君の背中を追うだけじゃなくて抜かしてみたい。
コメント
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神回すぎます…泣
りょーちゃん、、りょーちゃんだぁ、、 ありがとうございます、、
めちゃくちゃ久しぶりじゃないですか???気のせいかな