高校一年生。
私は幼馴染の伊吹冬弥と毎日を過ごしていた。
でもそんな日々が続く訳でも無く半年後に冬弥は不慮の事故で重症。
一人取り残された私は、冬弥の病室で泣くことしか出来なかった。
冬弥が事故にあった時私は冬弥のそばにいた。
冬弥は私を守って
グスン
「冬弥ぁ冬弥ぁ泣いてたらダメなんじゃないの?」
私はいつもこの病室で泣いている。
いつ目が覚めるか分からない。
冬弥が横たわっているベッドの隣で。
私はこれをいつも繰り返した。
「じゃあ今日はもう帰るから。また明日来るね」
毎日冬弥の病室に来ていることは親も知っている。
私が病室に来る様子を見て好きにしなさいの一言。
お母さんも冬弥とは顔馴染みで悲しいはずなのに
大人ってすごい。
家に帰って横たわるとある夢を見た。その夢は冬弥と私がであった時の夢だ。
保育所で一人の私が冬弥に話しかけられた。
その時から私は冬弥のことが 好きだった。
それから一緒にブランコに乗って笑いあっていた。
それを毎日毎日。
ある時私たちは約束した。
「ねぇ彩夏。僕が大人になったら結婚してくれる?」
私は答えた。
「うん。!」
それから十年間毎日冬弥と過ごした。高校入学の時私と冬弥は晴れて恋人同士になった。
でもそこで夢は覚めた。
私が起きると涙が溢れてきた。
止めたくても止まらない。いったい私は何がしたいのだろう。
泣いている間も冬弥との思い出が頭の中に溢れて涙が出てくる。
私たちの運命はここで決まってしまったのだろうか。
私は冬弥をずっと前から好いている。
これが運命だとしてもかえて。
一生以上一緒にいたい。
私は泣きながら家を出た。私が走って向かった先は神社だった。
私と冬弥の記憶に沢山入っている神社。
お願い神様冬弥を目覚めさせて。
翌朝。
私は病室に行った。
目のさまさない冬弥の病室に。
「おはよう冬弥今日も来たよー」
「ありがとう、彩夏。」
「え?冬…弥…?」
「うんそうだよ。彩夏。」
「冬弥っ冬弥っ。私ね、一年も一人で冬弥に話しかけてたんだよ?」
「ありがとう、彩夏」
「もうさっきからありがとうしか言ってない 」
「あははごめん。ねぇ彩夏 」
「ん?」
「大好き。愛してる」
私の我慢していた涙が込み上げてきた。
「うん、私も冬弥を愛してます。」