【長編小説/EXPOSEDより】
大事にしたいと思っているのに、どうしてこうも君の歪んだ顔が見たいと思ってしまうのだろう。
もう絶対、独りよがりなPlayはしないと、君と想いが通じ合ったあの日に決めたのに。
「『Deeper』(もっと奥まで)」
「う”っ…ごぷっ、んん”っ…」
可愛い顔を歪ませながら、必死におれのモノを喉の奥まで咥えるその姿に、思わずニヤけしまい、慌てて口元を手で隠した。
普段から表情豊かで様々な顔をおれ達やメディアに見せてくれている彼だが、この顔を見せているのは、間違いなくおれだけで、それが堪らなく愛おしく感じる。
卑猥な音を立てながら口いっぱいに頬張る彼の事を、声を押し殺し、余裕な雰囲気を取り繕いながらベッドに仰向けに寝転び眺めているが、 いつもはそれだけで満足するはずなのに、今日はなぜか それだけでは飽き足らず、その顔をさらに歪ませたくなる衝動がゆらめいた。
無意識のうちに彼の頭に掛けていた手を、ふと我に返ったおれは、パッと彼の頭から手を引く。
すると、その様子を見てた彼は不思議そうな顔で見つめてきて、 自分の口からおれのモノを引き抜き、先の方を唇で食むと、伏し目がちで、もごもごと呟いた。
「…酷くしていいのに。」
ギリギリ聞き取れるくらいの小さな声。
一瞬、聞き間違えていて、自分の都合のいいように脳内で台詞を変換しているのではと疑ったが、彼の瞳の奥にSubの欲求がゆらめいているのをおれは確かに見た。
普段、痛い事も苦しい事も大嫌いな彼なのに、どうやらSubの性には勝てないらしい。
きっと、Playが終わった後は、今日のPlayを思い出して、なんであんな事言っちゃったんだろう、と恥ずかしがって布団にくるまって出てこなくなるに違いない。
まあ、そんな彼も凄く愛おしいのだけど。
何かを期待するような顔で、ペロペロと先を舐める彼の顔をベットサイドに置いてあるランプの光が照らしていて、それが妙に艶めかしくて、背筋がゾクゾクする。
そして、さらに先程の台詞となると、おれを煽るには十分過ぎるほどだった。
「なに休んでんの?」
おれはいつもよりワントーン低めの声 でそう言うと、彼の頭を掴み、一気に喉の奥まで押し込んだ。
「『Look』(おれを見ろ)」
喉の奥を突かれて苦しそうな声にならない声をあげる彼にCommandを発する。
涙目になりながら上目遣いでおれを見つめる彼に、これをして欲しかったんでしょ?と言うようにわざとらしく意地悪そうに笑うと、彼は見透かされている事が恥ずかしいと言うように顔を赤く染めた。
おれは彼の頭を掴んだまま、下から喉の奥を突くように腰を動かす。
「う”っ… ん”、、ごぷっ…」
眉毛を下げ、眉間に皺を寄せながら、それでも吐き出さずに、健気にもしっかり舌も使い必死に奉仕する愛おしい彼。
でも、今日のおれはまだまだ満足出来そうにない。
彼の歪む顔がもっと見たい。
「舌使う余裕あるんだ?」
おれはそう言って、さらに激しく腰を上下に動かす。
相当苦しいのか、首筋に浮かび上がっている血管がリアルにそれを物語っている。
それでも彼は、嘔吐きながらも身体を震わしていて、その姿を見たおれはやっと満足する事が出来た。
「喉奥突かれて感じるとかえっちだね。」
ま、そう言う風に躾けたのはおれなんだけど。
「…っ、イきそう。」
ぼくの口の中でイッて、と言うように彼は濡れた瞳でおれの目を見つめてくる。
「イ、、クッ、、」
そうしておれは、彼と見つめ合いながら彼の口の中に欲を吐き出したのだが、彼は口からおれのモノを引き抜いた後も、吐き出されたものを口から出す事なく、彼はジッと何かを訴えるようにおれの事を見つめてくる。
また、瞳の奥がゆらめいて、 彼が何を訴えているのか直ぐに分かったおれは、ニヤリと笑い口を開いた。
「『Gulp』(飲め)」
おれがそう命令すると、彼は口の中のモノをゴクリと飲み込み、褒めてとでも言いたげに、中がよく見えるように、舌を出し大きく口を開いた。
「『Good boy』(いい子)」
「…っ、あ、んんっ、イ…クッ、」
「元貴ー、そろそろ出て来てよー。」
「うるさい!今日の若井、意地悪だった!」
予想は当たり、いつまでも布団に潜って出て来ない元貴を布団の上から抱きしめながら話し掛ける。
「えぇー…元貴もノリノリだったじゃん。」
「…言うな!バカ!」
否定しないと言う事は、やっぱり元貴もノリノリだったのかと、心のどこかで安心している自分がいた。
「…若井。」
おれの不安だった気持ちが作り出した少しの間に、何かを察したのか元貴が布団から少しだけ顔を出した。
「なに?」
おれは、出来るだけ普通の顔作って元貴の目を見る。
「たまにならいいよ?いつもだと恥ずか死んじゃうから。」
「…ふふっ、死なれるのは嫌だなー。 」
でもたまにならいいんだ?と言うのは、おれの事を思って、顔を赤くしながらも恥ずかしいのを我慢して言ってくれた元貴に免じて言わないでおいた。
それに、元貴に意地悪するのは、Play中だけで十分だから。
「…ありがとう、元貴。」
「ん。」
「大好きだよ。」
「うん、ぼくも。」
コメント
2件
初コメ失礼します。 イラスト・小説共に素敵すぎてコメントさせていただきました。 SSくらいの文字数でこのボリュームのものをお書きになるの天才ですか……凄すぎます!!!! 100のお題は大変だと思いますが頑張ってください、応援してます。