三途が少し可哀想
暴力表現有り
少々蘭カク(カク蘭)風味
最終回らへんまでのネタバレ有り
最後、皆んなにお願いがありますので協力してくれると嬉しいです!
俺は何処で間違えたのだろう。なんて、今思っても遅いか。ごめんな、蘭。お前のこと裏切って。もし、お前と幸せになれる世界があったら良かったな。
あー、こんな事になるんなら、最初からやり直してぇな。
天竺の頃
最近悩まされてる事がある。それはこの三つ編みで俺よりも背が高い灰谷蘭という男だ。何に悩まされてるか。まず一つは煩い事。毎日毎日暇ができたら俺に話しかけてくる。大体は無視してるが、髪の毛引っ張ってきたり、急に頰にキスを落とされた時は流石に拒んだ。もう一つは距離が近い事。そもそもコイツはパーソナルスペースというものが存在しないのではと思うくらい皆んなとの距離の詰め方が異常なのだ。どうやら、弟の竜胆曰く度がつくほどの近眼らしいのだが、それでも近すぎる。
「やっほー、三途〜。」
「……。」
このようにいつも話しかけられ、いつも無視をするのが日課になっている。そろそろ諦めて欲しいものだ。大体、コイツが話してきたきっかけなんて無いに等しい。俺は只々、武藤という俺の隊長に値する人物の横にいただけで、蘭は俺に用などなかったはず。なのに、どうして。隊長と話が終わったら俺に視線を向けて話し始めたのか意味がわからない。それも初対面の近さじゃねぇだろ。あと少しで鼻と鼻がくっつくぞ。マジで気持ち悪いからあの時はやめて欲しかった。
「ねー、聞いてる?」
「……。」
「おーい。」
ツンツンと頰を突いてくる。マジでやめろ。触んな。と思いながらもその感情は心の奥にしまい、されるがままになる。一応コイツは「六本木のカリスマ兄弟」やら「極悪の世代」の肩書きを持ってるほどの不良だ。何か一歩でも間違えると命の危機が晒されるほど。なら、俺が下手に抵抗したり、暴言や暴力をしたりなどしたらコイツはどう反応するか。想像などしたく無いものだ。
「ね、三途ー。」
「……。」
「いつまでも無視してっと、襲うぞ〜♡」
「は…⁉︎」
「あ、やっとこっち向いた。」
しまった。つい、コイツの言葉を間に受けてしまった。俺は直ぐに顔を逸らし、また無視をし続ける。
「また無視したってことは…襲っても良いって事?」
「…何か俺に用があるんですか?」
流石にヤバいと思い、俺は固く閉ざしていた口を開いた。蘭はニコニコと少し俺にとっては不気味な笑顔で見詰めてくる。そしていつものように急に距離を近付いてきた。それも俺の腰に手をあて、簡単に逃げないようにしてくる。
「ねー、三途って俺の事嫌い?」
「……嫌いじゃないっす。」
「ほんとに?
でもあからさまに避けてるよね?」
「話すの苦手なんで。」
「ふーん、そっか。」
納得したのか、俺の髪を触りながらそう言ってきた。どうやらコイツは俺の髪が少し気に入ってるらしい。こうやって話している時は大体俺の髪を少量手に乗せて遊んでいる。まあ、確かに俺の髪はサラサラでツルツルと良く言われるが。しかし、髪にキスをしないでくれ。んで、その後俺の顔を見ないでくれ。
「ね、三途って何か好きなものとかある?」
「……特に。」
「好きな食べ物もー?」
「…チーズケーキ。」
「へぇー、チーズケーキ好きなんだ。
ちょっと解釈一致かも。」
「そうですか。」
俺は適当に返事をする。しかし、俺がチーズケーキが好きなのは本当だ。これは嘘つく必要なんてないだろうと思い言った。すると、遠くの方から「兄貴行くぞー」と竜胆の声が聞こえた。蘭は俺から少し離れ、「またね」と手を振り去っていく。またも何も、出来れば一生会いたくねぇ。そう思いながら去っていく蘭の背中を見詰める。大体、上に立つものが下っ端の俺に何故こんなにも付き纏って来るのか理解できない。よっぽどの暇人なのだろうか。あまり気にせずに俺は1日を適当にやり過ごした。
翌日。またもや遠くからでもわかる三つ編み野郎が俺に近付いてきた。しかし、今回はいつもよりご機嫌で片手に何か白い箱を持っている。「何だろう」と思いながらポーカーフェイスで相手を見つめた。
「やっほー、昨日ぶり。」
「……どうも。」
「あ、今日は挨拶してくれたー。
蘭ちゃん嬉しい。」
キャピッという効果音が出てきそうな程にポーズをとっていた。俺はそんなのよりも箱の方が気になる。何故か。それは俺の好きな店のケーキ屋さんだからだ。俺は先程言ったようにチーズケーキが好きだ。その中でも今蘭が持っている店のチーズケーキが特に大好物である。蘭は俺が箱に目線を向けている事に気づいたのか、ポーズを取るのをやめて、箱を俺に差し出した。
「はい、三途にこれあげる。」
「え、何でですか?」
「ん?
チーズケーキ好きって言ってたじゃん。だからあげるー。」
「だけど…。」
「いーの、いーの。」
半端無理矢理に渡され、俺は両手でケーキの箱を持っていた。そこからは大好きな匂いがマスク越しでも仄かに感じとれる。俺は焦ったものの、貰えるものは貰っとこうと遠慮気味な演技をして貰った。
「でも、何でいきなり。」
「んー?
チーズケーキ好きって言ってたから…?」
自分でもどうやら答えを知らないらしい。小首を傾げてそう言っていた。コイツの考えている事、行動は予測出来ないが、チーズケーキに罪はない、有り難く受け取ろう。すると蘭はいきなり俺の頭を撫でてきた。なんだ?と思い、箱に向けていた目線を蘭に向けた。すると不気味な笑みとは違く、少し癒されているというか、少し幸せそうな顔をしており、俺は少し目を丸くした。
「…なんですか?」
「いーや?
三途が嬉しそうな顔してたからつい。」
どうやら蘭曰く顔に出てたらしい。そんなに顔に出てたのかと自分の頬を触りながら首を傾げる。その行動を見て蘭はふはっと笑い、俺にいきなり抱きついてきた。急な事なものだから、俺は焦る。しかし、ケーキが潰れるのは嫌なため、箱を持っている手を自分の後ろに回し、運良く近くに段差があったのでそこに箱を置き、安全な場所に移動させた。
「ど、どうしたんすか。」
「はー、マジで三途可愛くて好きだわ。」
「え、は?」
その時は脳の整理が追いつかなかった。コイツは確実に今「可愛い」「好き」と口に出して言った。蘭は俺の反応を無視して、抱きついてる手を強める。配慮は少ししているのか凄く苦しいとまではいかなかった。
「ねー、まだ気づかないの?」
「な、何がですか?」
「俺、結構アピってるつもりなんだけど。
話しかけたり、デートしたり、今回だって好きなケーキあげたり。
俺が三途の事好きって気づかない?」
蘭の言う通りこの前は急にレストランに誘われたり、映画見に行ったりと蘭が気に入ってる場所に連れまわされていた。「俺が三途の事好きって気づかない?」という問題に対して俺の答えは「気づいてない。」だ。そもそも俺は男だ。確かに女っぽい見た目はしているが、相手は俺が男という情報は知っているはずだろう。それを思って俺は生活しているのだから、気づくはずない。それに俺らの関係は幹部と下っ端。到底繋がって良い立ち位置では無いはずだ。
「ね、三途。
俺の気持ちガチなの。
俺と付き合ってくんない?」
蘭は抱きつくのをやめて俺の顔を真剣に見る。いや、少しか顔を赤らめていたから少々の照れは混ざっていただろう。俺は真剣に男に告白された事は0に等しいほどに経験がない。確かに、男に告白された事は両手で数えられるほどだがあった。しかしそれは俺の事を女だと勘違いしてる奴とか、何かの罰ゲームとかでの悪趣味な弄り。だから蘭みたく、真剣な眼差しで告白された事は初めてなのだ。俺は勿論悩んだ。だって前までは悩みの種だった人物だ。しかも苦手なタイプ。なのにどうして俺はこんなにも悩んでいるのか自分でもさっぱりだった。コイツの利用価値を探しているから?いいや違う。多分この気持ちは良くある恋愛ドラマと一緒の気持ちだ。つまりガチで付き合うか考えていると言う事。自分でも驚いた。まさか俺が恋愛をしようとしているなんて。それも不良の男と。
「…す、少しだけ待ってください。」
「ん、良いよ。
何日でも、何ヶ月でも、何年でも待ってあげる。
三途のタイミングで言ってよ。」
何故俺がこの答えを出したのか。それは俺はコイツのことを何も知らないからだ。いや、何も知らないと言うのは少々嘘に値する部分もある。しかし、本当にコイツの細かい部分は知っていない。だから俺はコイツを知る事を選んだ。別に断ってもよかった。でも流石にこんか真剣に告られたら少しは心も揺らぐものだ。だから俺は猶予を貰った。どうやらコイツはいつまでも待ってくれるらしい。嘘かと初めは思ったが、表情が優しい微笑みなものなので嘘では無いのかと思った。
あれから蘭は俺が分かるほどのアピールをしてきた。まず、俺が言った事をちゃんとやってくれる。例えば急に近付いてきたら「少し離れてくれませんか?」と密かな願いをするとちゃんと離れてくれる。「やめて」と言っても同様にやめてくれる。これは弟の竜胆でもキョトンとした顔で見てきた。どうやら蘭は人に命令されて動くタイプじゃ無いそうだ。「こんな事すんのお前だけだよ。」とニヤニヤ顔で竜胆は俺に言ってくる。そして、デートのお誘いが異常に多い。いや、前もデートのお誘いはあったものの、最近は比にならないほど。毎日「今日空いてる?」と聞いてくる。俺はほぼ毎日暇だから行けるものの流石に毎日は俺の体力が尽きる。あとは、何もない日なのにプレゼントをくれる。特に俺が好きと言ったチーズケーキが多い。流石にそんな食べれん。太るからやめてほしいと思っている。
そんなこんなで今日もチーズケーキを貰った。どうやら今日はコイツの膝の上で食べてほしいと言われ、俺は躊躇ったものの仕方なく座った。相手は上機嫌で俺がモグモグと食べている所を後ろで見ている。人が食べてる所見て何が楽しいのか。するといきなり俺の肩に顎を置いて、フォークを持っている手を握ってきた。
「ねぇ、意識してくれてる?」
「……。」
「また無視かよ。
もう慣れたけど。」
鼻で笑いながらそう言ってくる。俺は食べようとしていた手と口をやめて、蘭の顔を見ようと横を向いた。
「……少しは。」
「え、ま、マジ?!」
顔を少々赤くしながら嬉しそうな顔をしてくる。それはまるで無邪気な子供のようだった。この時の俺はどんな顔していたのかわからない。しかし、まともには目を合わせられなかったのは確かだ。
最近コイツに心を開いてるのは自分でもわかる。第一に天竺の奴らには見せてはいないこの傷を見せてることが心を少し開いてる大きい証拠である。二人きりの時は大体外している。理由はチーズケーキを食べるためだからだ。最初は躊躇ったものの、蘭が「気にしないよ」と気を遣ってくれたため渋々マスクを外した。すると蘭は口をポカンと開けて可愛いと一言言ってくれた。それが何よりも心が揺さぶられた瞬間だ。大体の奴らは気持ち悪がったり、傷物だと馬鹿にしてきたりと底辺な反応をしてくる。しかしコイツは他の奴らと違かった。それが一番の心の変化だっただろう。
「蘭ちゃんちょー嬉しい!」
「そうですか…。」
俺は顔を正面に戻してそう返答した。
この時点で俺は多分コイツの事が大好きとまではいかないが、信用はしていたのだろう。蘭はちゃんと待ってくれている。その証拠に今さっきの会話では一度も告白の返事について聞いてこなかった。それは多分前の約束を守っているからだ。俺がその話を振るまでは一切その話をしない。その優しさに惹かれた。そもそも竜胆が言った通りこんな事をするタチでは無いのはもう俺は知っている。なのに俺にだけこんな事をしてると思うと少し特別感があって嬉しかった。これは本当の気持ち。嘘じゃない。
「蘭、さん…告白の返事なんですけど。」
「…え?」
そりゃそんな返事にもなるわ。いきなり告白の返事を聞くのだ、同情はする。しかし、俺には「普通」の返事なんて知らない。まともに育てられてないのだから当たり前だ。俺に普通など通用しない。そもそも普通を求めたら本当に困る。
蘭はキョロキョロとまだ心の準備が出来てないのか、少しよそよそしい。俺も今から初めてまともな告白の返事をするのだ。人間だから緊張はする。俺は少し深呼吸はして言葉にした。
「…お、俺で良ければ付き合ってください。」
「え、ほ、ほんと⁉︎
マジで良いの⁉︎」
今にも耳のように三つ編みが上がりそうなほど蘭はぴょんぴょんと喜んでいた。俺はそれに対して小さく頷いて答える。すると勢いよく抱きつかれた。視界がいきなり暗くなるものだから、取り敢えず離そうとしたもののこの馬鹿力。全然離せそうな気がしない。俺は諦めて、抵抗せずにされるがままになった。
「これからめっちゃ幸せにする!
沢山愛してあげる!
世界で一番愛してる!!」
「え、と…宜しくお願いします…?」
今日から俺は蘭の恋人となった。
それからというものの、結構幸せな生活が始まった。蘭からは「敬語はやめてタメ口!蘭さんじゃなくて蘭って言って!」と強制させられる。いや、俺は結構そっちの方が楽で有り難かった。そのせいか直ぐに馴染み、本性も少しだが出てしまった時はあった。本性と言ってもちょっとした暴言とかだ。蘭はそんな俺の一面も驚かずに受け止めてくれた。それが何よりも嬉しかった。
「ねぇ、春。
たまには甘えてきなよー。」
「甘えるのって強制させるものなのかよ。」
蘭がこっちに来いと言わんばかりに腕を広げてくるも、俺は小っ恥ずかしさを隠して拒んだ。これがいつもの日常。蘭が何か恋人らしいものをしてきてそれを俺が拒む。理由は簡単だ。恥ずかしいから。それ以外は何もなかった。
今日は東卍との抗争だ。そもそも俺は外側は天竺の仲間だが、内側では東卍の仲間…というよりもマイキーの味方だ。つまり裏切り者に近い。しかしこれは俺にとって必要な行動なんだ。全部マイキーのため。仕方のない事だ。
抗争が始まり、俺は戦わずに遠くでただ突っ立って見ていた。マイキーはどうやら来ていないらしい。少々悲しくなりながらも皆んなの戦いを見る。しかし、俺は無意識に蘭の戦いを見ていた。彼奴は確か…アングリーと八戒だっけか?竜胆が関節技を決めて、そこに蘭が警棒で顔をぶん殴る。見てるだけで顔が痒くなる。痛そーと思いながら見ていた。
どうやら、天竺の大将と鶴蝶が撃たれて死んだらしい。いや、まだ確実に死んだかは知らないが、雰囲気がそう語っていた。俺はあの二人に何も感情を抱いていなかったため心底どうでも良かった。すると、倒れている二人に歩み寄る蘭。何か二人に言葉を掛けて、目を閉じらせる。流石俺の恋人。そういう所は不良関係なく優しくてまたもや惚れさせる。すると警察のサイレンの音が遠くから聞こえてきた。俺はマズイなと思い、逃げようとゆっくりと動こうとする。しかし、最悪の世代は俺と違って動かなかった。なんで。どうやら、警察に捕まるらしい。どうして。蘭捕まるじゃん。なんでだよ。俺は蘭に目線をやるとそれに気付いたのか、蘭は俺に近づいてくる。
「悪いな春ー。
俺らちょっとの間捕まってくるわ。」
「…そんな。
俺どうしたら…。」
「春なら大丈夫。
俺が外に出たらまた会お、約束。」
蘭は俺の頭をポンポンと撫でてくる。しかし、俺は正直言うと焦っていた。こう言う時どんな言葉を掛ければ良いのか分からず、下を向く。普通の場合なんて言えば良いんだ。わからねぇ。嫌な汗が頬を伝っていくのがわかる。
「春は逃げてね?
なんも悪い事してないんだからさ。」
肩をポンポンと叩かれる。俺は何も言わずに振り向いて、言われるがままにその場から離れた。後悔は勿論している。何も話せなかった。暫く会えないっていうのに、何も言葉を交わせなかった。辛い。あの時、俺はなんて言えば良かったんだ?いつまで経っても答えが思いつかない。誰か、俺に答えを教えてください。俺の幸せ生活はどうやったら作れば良いですか。
「なあ、聞いてるかよクズ野郎。」
雨音が響く中、そいつの声だけ鮮明に聞こえた。天竺の頃から約2年、俺はだいぶ変わった。関東卍會の副総長になり、前よりも性格は荒々しい。そして…
灰谷蘭の尊敬してる奴に値する鶴蝶を殺した。
「なあ、返事しろよ。
お前さ、ムーチョの件は目瞑ったけど、今回ばかりは許さねぇよ?」
「…うっせぇな、これはガキの喧嘩じゃねぇんだ。死ぬ覚悟で戦うもんだろ。」
「それで?ガチで殺す奴がいんのかよ!」
俺は暫く灰谷蘭に警棒で殴られ、蹴られた。こんな怒った顔を見るのは初めてだった。やっぱりお前も俺を裏切んのかよ。一番って言ってくれたのに…口だけかよ。俺よりもそいつか。俺は誰の一番の存在にはなれない。マイキーも、家族も、蘭も…。全員俺は二番以下の存在なのだ。誰も俺を一番の座に座らせてくれない。いつもいつも、俺は二番という錘を背負っている。あ、これ考えたらヤバいやつだ。今日が雨で良かった。俺はそう考えいると目尻に涙を溜めた。
「蘭ちゃん優しいから、テメェも殺してやるよ。 」
笑顔で警棒を持って近寄ってくる。その笑顔の裏には怒りが溢れているのがわかる。すると、弟の竜胆が蘭を後ろから止めてきた。
「兄貴!
流石にヤベェからやめろ!」
「止めんじゃねぇよ竜胆。
コイツが何したかしらねぇのか?」
「分かってるけど、取り敢えず落ち着いて!
殺すのはやめて!」
必死に止めてるのが音でわかる。俺は倒れていたが、顔を上げることができなかった。ただただ、今の蘭を見たくなかったから。俺に向けている憎んでいる目を視界に入れたくなかった。想像するだけで辛いのだから、見たらもっと辛いはずだ。俺は早く事が済んでほしいと願いながら倒れていた。暫くすると、暴れた音がなくなり、その代わり蘭の大きな舌打ちが聞こえた。自分に向けられた舌打ち。そんなの誰でも分かった。
「おい、三途。
この罪は一生許さねぇからな?」
「……。」
「もう俺の視界に映んな。
目障りすぎて吐き気がする。」
そう言って俺を一蹴して、その場から立ち去ってった。俺は起き上がらずにその場で倒れていた。すると、誰かが俺に近づき、しゃがんで喋り出した。
「もし、兄貴に何か伝言したい事があったら俺経由で言って。
俺もマジで怒ってるけど兄貴ほどじゃないから、そんぐらいはしてやるよ。
これからは一生兄貴に会わず話しかけずな。」
竜胆らしい声がそう言ってきた。
あー、俺は何処で間違えたんだろ。何がいけなかったんだろ。ただ俺はマイキーのために行動してきた。恋愛もちゃんとしていた筈なのに。普通の事が出来なかったからだろうか。普通の生き方が、普通の恋愛が、普通の会話が出来なかったから?訳がわからない。
「普通ってなんだよ…。」
俺は一人で雨音が響く中、静かに涙を流していた。
初めてシリアスな感じの小説書いたのですがどうでしょうか?
これからバッドエンドとハッピーエンド書きたいのですが、どちらを先にしたら良いでしょうか?それとも同時に出した方が良いですかね?わからないでみんなに聞きますね!
コメント欄に「ハッピーエンドが先」「バッドエンドが先」「同時に出してほしい」を個別で出すんで、選んだ所にいいね押してください!
コメント
6件
同時に出してほしい方!
バッドエンドが先の方!
ハッピーエンドが先の方!