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BIRDドクター《2》

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10

第10話 黄金のメス #1

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2023年03月09日

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俺が首を傾げると、先生は言い直すように言った。

「時間もない。今すぐ西海に行くぞ。」

「あっ。はい!」

サーガラも待っているかもしれない。

俺はそう思い空を駆けた。


「サーガラァ!何処だぁ?!」

大きい声を上げながら周囲を見渡す。

だが透き通った水と海藻しか見えない。

「クルル、一旦海の中に潜るぞ。

西海龍宮城に居るかもしれない。」

先生が服を脱ぎ捨て海に潜る。

俺も続けて勢いよく海へ入った。

「おーい!サーフィー、サーガラぁ!」

海の中で叫んでも水の音が声をかき消した。

ドンドン潜って一番深いところまでくると

大きな鐘が見えた。

ゴーーーーーン…ゴーーーーーン…

『ここに居るぞ』とばかり響き渡る鐘の音。

水の音もかき消し海中に響き渡った。

音を頼りに鐘の元まで泳ぎ進む。

確信はないけど、そこにサーフィーたちが居るからだ。

(あっ!城だ!)

しばらく進めば城が見えた。近づいてみてみれば

『西海龍宮城』と書かれている。そう。やっと着いたのだ。

「クルル!一時間ぶりだね!」

下からサーフィーが出てきて嬉しそうな顔をした。

「…サーフィー…」

先生が憂鬱な顔をする。

その様子にサーフィーは満更でもない顔で言い放った。

「俺は気にしてないし、大丈夫だよ!

それに元魔王捕まえたから!」

サーフィーの言葉に、先生は驚いた顔をして

優しい顔をした。

「…ありがとう。元魔王はどこに居る?」

「元魔王は牢屋にいるよ!見る?」

「あぁ。」

先生が返事をすると

サーフィーは俺と先生の手を引っ張って

西海龍宮城へ入っていった。


「はい。ここ牢屋。」

サーフィーが扉を開けると

鳥の頭に人の姿をした男が、朱色の柱に縛られていた。

「お前…許されると思うなよ?」

先生が元魔王の胸ぐらをつかむ。

すると元魔王が、縛られた体を一生懸命動かした。

「おっ…俺は知らねぇ!ドロップのことは言うな!」

「何?知っているだろう。」

「知らねぇっての!見世物にしたことは知らねぇし

俺はドロップの宝を盗んだだけだ!」

元魔王が叫ぶと先生が首を傾げた。

「宝?」

「そうだ。あの有名な”黄金のメス”を盗んでやった。」

元魔王が自慢げに言い続けた。

「あの黄金は、貴族しか手に入れられない金で

魔界からしたら欠片だけでも

200*(日本円100000000円)の価値だ。」

「それを集めて出来たメス…何円になるだろうな?」

ゴクリと唾を飲んだ。

「…でお前は盜んだだけなのか。

じゃあ俺に身代わりの代償が降り掛かったのは?」

「そ…れは…」

「お前だろ?」

「違う」

「嘘をついたらお前の臓器を取る。」

「ひっ…」

「取られたくないのなら答えろ」

「…仕方ない。答えてやるよ。」

「俺がやった。

身代わり契約は黄金のメスを渡さないためだ。」

とうとう元魔王が真実を告げる。

サーフィーと俺は血の気が引いた。

「渡さないって…俺知らなかったぞ?」

先生が困惑した顔で言うと、元魔王が答えた。

「だろうな。けど現在魔王がお前に渡す予定だった。

グーロを伝って現代BIRDドクターのお前にな。」

「嘘だろ…」

その言葉に呆然とした。

そんなこと俺等には知る由もないことだったのだ。

「待てよ。黄金のメスは何処にあるんだ?」

先生が聞くと、元魔王が仕方ないとばかりに言った。

「サーガラに取られた。多分、敖潤と一緒に

いるだろうから貰えばいい。正直どうでもよくなった。」

元魔王がため息をつく。

このまま色々聞きたいが

俺等も黄金のメスとやらを見てみたいということで

サーガラの部屋まで行くこととなった。

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