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サーガラの部屋の部屋に行くことになった俺たちは
どうにか部屋を手探りで探していた。
廊下が全て同じ作りのため、どこがどこだか分からない。
「ねぇ。思ったんだけど、あの広い部屋じゃない?」
そんなときサーフィーが大きな柱のある部屋を指さした。
「こ…ここか?」
戸惑いながらも和式の扉を開けると、
サーフィーと敖潤(サーガラの弟)が
座って話をしていた。
「ん?BIRDたち話は済んだの?」
サーガラが首を傾げる。
「…あぁ。俺らの話は済んだが
黄金のメスについて聞きたい。」
先生が言うと敖潤が冷たい目をして言った。
「話せません。このことについては
西海帝王として沈黙します。」
その言葉に周りが静まり返った。
西海帝王の言葉を使われたら、言い返せないからだ。
だがこの中で言い返せる人がいる。
「話して。俺も大海帝王の子だよ?」
そう。サーフィーだ。
サーフィーは格上の大海帝王(サーガラ)
と血が繋がっているため言い返せる。
もはや仏教では天龍八部衆として仏となっているからだ。
「……………仕方ないですね。」
「大海帝王に言われたら仕方がない。」
敖潤も仕方なく話すことを許した。
着物の裾から黄金のメスを取り出す。
「これは魔界でも手に入らない天界の金です。」
「仏や神々を乗せるため使われる金。
だからそこ魔界では重要視され、触ることも恐れ多い。
ですが、我々龍王からしたら珍しくはない。」
「けど凄いというのは、この金を竜族が天界から取って
メスを作ったということなのです。」
竜族…?つまり先生の部族だ。
「そして黄金のメスはグル様の父である
グーロ様が作ったものなのです。」
「?!」
一瞬驚いたが、元魔王が
「ドロップから盜んだ」と言っていたから納得だ。
「魔族と敵対であった竜族は、この黄金のメスを機に
魔竜平和条約を結ぶこととなります。」
「天界で使われる神秘な金と命を救う神秘的なメスは
平和の象徴となり、竜族の宝となりました。」
「元々、魔竜平和条約を結ぼうと言い出したのは
グーロ様の妻、ドロップ様なので歴史上
ドロップ軍(竜族)と魔王軍(魔族)の和解となります。」
「これを私が沈黙しようとしていたのは
これが歴史に載っていない…
つまりは隠していたからなのです。」
「だからこの件に関しては…申し訳ない…」
敖潤の話を途中までは冷静に聞いていたが
先生でさえ知らないことに驚きを隠せなかった。
俺の知っている魔族の歴史は
地獄にいる竜がサーガラから
救われ、地上で生きることができたという歴史だ。
だが元々嘘だったとは…。
「…竜目線で話してるけどさぁ〜
天界では悪く言われてるんだよ?」
サーガラが椅子から立って言った。
「天界の歴史上グーロは極悪等。
天の金を盗んだと神を汚したと言われまくり。」
「だから西洋ではサタンとか言われて
倒されてるんだよね。」
「そんな苦労して手に入れた魔竜平和条約も
すぐに破棄されて戦争。元魔王の前の23代目魔王が
戦争大好きだったから竜族を倒した。」
「勿論、俺も加勢して戦争を終わらせようとしたけど
力よりメンタルで負けた。心が油断してたね。」
「だからかドロップも守れず黄金のメスと共に散った。」
「え〜。つまり俺のせいってこと。」
サーガラがサッパリと言った。
あまりのことに混乱し、とにかく先生の様子が
気になって仕方がなかった。
隣の先生を見ると複雑な表情をしている。
サーフィーも眼を瞑って腕を組んでいた。
「誰も悪くないんじゃないですか?
サーガラも油断してただけだし。」
俺が苦笑いするとサーフィーも頷いた。
「うん。サーガラは悪くないっしょ。」
「黄金のメス戻ってきたし
また平和条約を築けばいい。」
サーフィーの言葉に俺が頷くと、先生も頷いた。
「…こればかりは仕方がない。」
「魔界ともう一度平和条約を築こう。」
先生が息を吐いて言った。
俺は、今度こそ歴史の
変わり目を見ることになるかもしれない。
誰もが夢に見た魔界と竜族の交友関係を。