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昼休みを告げるチャイムが鳴ると同時に、教室中が一気に解放感に包まれた。
机を寄せ合って弁当を広げる声、購買に走る足音__
昼休み特有のざわめきが満ちる。
窓際では、らん、こさめ、みことの3人も机を並べて弁当を広げていた。
☔️「今日はお母さんのお弁当だ ~ ! 見て、卵焼きハート型なんだよ!」
こさめが得意げに見せると、みことが「かわいい!」と拍手する。
👑「いいなぁ。私のは普通におにぎりやで、笑」
🌸「でもみことのおにぎり、すごく綺麗に握ってあるじゃん。愛情がこもってそう」
らんが微笑むと、みことは照れて視線を逸らした。
☔️「らんちゃんはお弁当も上品そうだよね?」
こさめが覗き込むと、らんは苦笑しながら蓋を開ける。
🌸「ただの手作りだよ、笑
彩りはお母さんが気にしてくれるけど」
👑「ほわぁ、ほんま彩りきれい! 流石会長の家!」
そんな他愛ない会話が、3人の間には心地よく流れていく。
一方その頃__。
体育館の裏のベンチでは、いるまが購買のパンをかじりながら空を見上げていた。
📢「 … はぁ、」
隣に腰掛けたバスケ部仲間が首をかしげる。
mob「どうしたんだよ、いるま。ため息なんかついて」
📢「別に … 」
そっけなく答えながらも、頭の片隅にはある人の姿が浮かんでいる。
__生徒会長、らん。
堂々としていて、誰にでも優しい彼女。
手が届かないと分かっているのに、目で追ってしまう自分がいる。
その頃、美術室ではなつとすちが並んで昼をとっていた。
🍍「すち、今日も手作り?」
🍵「まぁ、簡単にだけどね … 笑」
🍍「マジで器用だよなぁ」
なつは無造作にスケッチブックを開き、何気なく鉛筆を走らせる。
その視線の先には、今日の朝、美術室に現れた__
こさめの笑顔が浮かんでいた。
🍵「 … ひまちゃん、誰か描いてるの?」
🍍「別に、?」
そう言って、ページを閉じる。
けれどすちは気づいていた。なつの無自覚な心の動きに。
そして、すち自身もまた。
頭に浮かぶのは、グラウンドを駆け抜けるみことの姿。
その柔らかな笑顔に、自然と目が追ってしまうのだ。
__昼休み。
それぞれの場所で、それぞれの想いが静かに芽吹いていた。
next__♡300