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ある魔法使いの冒険譚 ~7つの入り口はやがて世界を巡る~

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ある魔法使いの冒険譚 ~7つの入り口はやがて世界を巡る~

22 - 21.初依頼の内容は結構簡単だったけれど、報酬が詐欺過ぎた・改

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2023年11月06日

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21.初依頼の内容は結構簡単だったけれど、報酬が詐欺過ぎた



その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


カッポカッポと俺、リードは馬をシシュ村へ進めていた。


今日の午前中にリトル・ヘブンの隣町ルミアの冒険者ギルドでゴブリン集団討伐依頼を受けた俺は、その集団がいる場所に一番近い村、シシュ村にまず行くことに決めた。


しばらく森の中の土道を進むと、やがて家の屋根が見えてきた。シシュ村だ。


村に入ると、ルミアの馬貸出厩店で借りた馬を置いておく場所を探したが、この村には厩などはなかった。


仕方なく村の門の柱にリード(俺じゃないよ、紐のほうね)を結びつけて、村の中に入った。


しばらく村を歩いていて気づいたことがある。それは、外に人が居ないということだ。


家の窓は明かりで光っているから、きっとゴブリン集団の襲撃に備えているんだろう。


早速、俺は薬草店で薬草をいくつか買って、ゴブリン集団がいるであろう場所に向かった。


薬草店で買った薬草は、一番安い薬草だったのにもかかわらず、意外と質のいい薬草だった。


意外とこの薬草店は知る人ぞ知る的な薬草店だったのかな、と考えていると、遠くからゴブリンの声が聞こえてきた。


ブホッブホッ!グゴォォォォォォ!


仲間と喧嘩でもしているのだろうか。

こういうときに色々なモンスターの言葉がわかるスキルを覚えていたら便利なんだけどなぁ。


そんなことを思いながら草むらに隠れてゴブリンの集団がいるであろう場所を覗くと…。


50体ほどの、それぞれ違う武器を持ったゴブリンが居た。


リトルヘブンのダンジョン、サルガドで戦ったゴブリンとは種類が違うようで、肌がもっと濃い緑色をしている。


だが、この間クラン〈紅蓮の鳳凰鳥〉のみんなと一緒に戦った邪界のモンスターたちの数と比べたら少ないほうだ。


奇襲を仕掛けようと思い剣を構え、草むらの中からスキル〈斬撃〉を発動させると…。


一瞬で50匹いたはずのゴブリンたちは全員粉々になってしまった。


なんかあっけなく初依頼が終わってしまった。


報酬はシシュ村の村長の家の前で渡してくれるらしいので、俺は魔石をある程度回収するとシシュ村へ戻った。


えっと、村長の家はどれかな…。多分村で一番大きい、中心部にある家だろう。


ということでその家の前に向かうと、依頼主と思われる人が立っていた。


「あの、すいません、ゴブリンの集団討伐依頼の報酬の件なんですけども…。」


「ああ、受けてくれたのかい?ありがとうな、おかげで助かったよ。ほら、これが報酬のキングオーガのコアだよ。」


そう言って依頼主は小さな白い袋を渡してくれた。


「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。」


そう言って依頼主はすぐにいなくなってしまった。


そのまま袋の中身を確認することなく門の柱に繋いでおいた馬に乗り、リトル・ヘブンを目指して出発させた。


途中で足がつかれて休憩するときに今更ながら渡された小さな袋の中身を見てみると…。


ゴブリンの心臓が入っていた。


報酬はキングオーガのコアだったはずなのに、ゴブリンの心臓が、そこにはあった。


つまり、俺は詐欺にあった。


けれども今からシシュ村に戻っていると夜遅くに家に変えることになってしまい、漬物地獄になってしまう恐れがある。


仕方がなく報酬は魔石ということで、依頼主との交渉(口喧嘩)は諦めた。


そうしてルミアの冒険者ギルドに辿り着くと、すぐさま受付へ向かって、そこに居た中年の男の人にカードを渡した。


「ゴブリン集団討伐依頼、済ませたんですけれども」


「はい、分かりました。確認しますね。」



数分後…



「はい、リードさん、あなたは冒険者EランクからDランクに昇格しました。そして、冒険者カードに、新たに成功依頼数という欄が追加されました。ご確認ください。」


見てみると、本当に成功依頼数という欄が追加され、1と記されていた。

この数が5を超えると、冒険者ランクCになれるというわけだ。


窓口の人にお礼を言い冒険者ギルドから出て、馬を借りたところへ返しに行き(代金は前払い)、俺は初めて依頼を成功させたということの達成感を持ちながら(報酬は詐欺だった)、家に帰ったのだった。


ちなみに、漬物地獄は免れたのだった。

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