〈4日後…〉
クラッシュ「2人とも大丈夫かな……」
ラザー「…どうだろうな……それより俺もしんどい…」
クラッシュ「ラザー本当にお疲れ様だよぉー!初めて人を殺めるなんて誰だって怖いからね!大丈夫!」
ラザー「………よく寝れねぇんだよ………………」
冷「お前ら静かにしろ。今から部屋入るから。」
コンコン…ガチャ
冷「忙しい中すみません。スティルとリタンは今どんな感じですか?」
アコル「やっと来た。どんな感じも何も…ヤバい状況ではありますね。」
冷「そうですか…」
アコル「まずリタンさんは傷口大きくてかつ深いのもあり普通なら出血多量で死んでます。」
クラッシュ「え!?しッ!?」
アコル「まぁそれは6年前の医療ならという話ですよ。今は急激に発展した医療や科学力などでちゃんと治りますから安心してください。しかも今はストラスにあのトップの中でもチート能力を持ったマリスさんもいらっしゃいますしね。」
冷「そ、そうですか。よかったです。」
アコル「それにしても凄いですよねー。6年前に急に始まった”フラワー革命”。アレがあったおかげでフラワーの戦力も科学力もグンと上がりましたからね!」
ラザー「フラワー革命?」
冷「フラワー革命ってのは、科学力とクリスタル能力についてを急激に高めた革命だ。クリスタル能力の診断も革命が起きたから出来るようになったんだ。」
ラザー「なんでそんな急にそんなんが始まったんだよ?フラワーって結構長い期間ある組織なんだろ?クリスタル能力も長くありそうだし。そんなんがなんで今更になって分かるようになったんだ?なんで昔っから分からなかったんだ?」
冷「そんなの俺が分かるわけないだろ。」
アコル「うーん。噂なんだけどね、6年前にクリスタル能力が分かる用になるクリスタル能力を持つ子が生まれたから、そこから能力を取るクリスタル能力を持った人が使うみたいに聞いたけど?」
ラザー「でも科学力はどうなんだよ?」
冷「クリスタル能力が分かるようになったから色んなとこで使えるようになって、だから科学力も進歩したんだよ。」
ラザー「ムズいなぁ…」
アコル「それとスティルさんは緊急手術をしたのですが、身体中傷だらけで、今生きているのがおかしなくらいです。胸に撃たれた銃弾が心臓を貫いてなかったのは不幸中の幸いです。」
クラッシュ「スティル…」
アコル「まぁさっきも言いましたが、今ストラスに帰ったらマリスさんがいるんで回復してもらえば死にはしませんよ。」
アナウンス「まもなくストラスに到着します。団員の皆様は着陸の準備をしてください。」
アコル「あら?思ったより早いわね。」
冷「それじゃあ、俺たちは荷物とか整理してきます。本当にありがとうございました。」
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【ラザー視点…】
〈ストラスにて…〉
スティル「ん……ここは…家…?」
ラザー「うお!喋った!!!冷!スティルが生き返ったぞ!!!」
冷「本当か!?スティル!俺達の事分かるか?マリスさんが治してくれたぞ!!」
スティル「…うーん、」
冷「良かった…」
リタン「スティル……お前無茶しすぎだ………」
スティル「お兄ちゃん…泣かないで……大丈夫だから…」
クラッシュ「なぐよぉ~!!!!だっで、大切なながまなんだからぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」
スティル「クラッシュまで…みんなは大丈夫だったの?」
リタン「俺とスティル以外は大丈夫らしい。本当によかったよ。」
ラザー「……」
スティル「そう…お兄ちゃんは大丈夫?」
リタン「あぁ!大丈夫だ!それもこれもマリスさんのおかげだな!死なずにすんでよかった!」
スティル「あ、そうだ…フレグダさん私を守ってくれて………死んじゃった…」
リタン「!?……そ、そうか………いい人だったのにな…」
ラザー「………オッサンバカだな。」
スティル「え?」
リタン「ラ、ラザー?何言ってるんだ…?」
冷「おい…ラザー人が死んだんだぞ…?そんな言い方は無いだろ?」
ラザー「は?だって戦争だろ?人だろ?死ぬなんか普通だろ?」
冷「は?」
ラザー「俺の星ではさ食料の奪い合いや人同士の共食いのせいで、道や草むらに死体落ちてたりで、死体だらけの中で生きてきたんだ。もうなんか死に大して何も思わねぇんだよ。けど、初めて自分の手で人を殺した時。分かったんだ。コレが”生きる”って事かって…」
冷「何言ってんだ…?”生きる”?殺したのに…?」
ラザー「この世は殺した方が”生きて”、殺された方は死ぬ。ただそれだけ…オッサンは生きれた道があったにもかかわらず、死ぬ道を選んでスティルを守ったんだろ?オッサンはこの弱肉強食の世界での生き方を知らなかった。もしくは知ってて死んだ。だからバカなんだよ。」
冷「お前………」
ガチャ…
ダント「よく分かってるじゃないかラザー。そうだよ。この世は弱肉強食。殺すのが正義の世界だ。それを理解出来る者こそトップになれると俺は思う。」
リタン「ダントさん!」
ダント「けどなラザー。その”死”が”生きる”になる事もあるんだぞ。今回なんかはそうだろ?そのオッサンって奴は死んだが、スティルは生きてる。だろ?思想を持つのはいいが、それを暴走させたらダメだぞ。」
ラザー「…」
冷「ラザー、一旦落ち着け…お前今おかしいぞ…?」
ラザー「……あぁ……そんなこと…分かってる。けど、これくらい考えないと………あの時……アイツを殺した感覚を思い出しちまうんだ……眠ってても悪夢のように………ずっと…ずっと頭から離れないんだ……」
ダント「…さっきも言ったろ?殺しは自分が”生きるため”、だからいいんだ。」
…………なんかもうよく分からねぇよ……死ぬとか生きるとか…殺して俺は”幸せ”を知れるのか……もう何も………
クラッシュ「ラザー。大丈夫だよ!私たちがついてるから!」
リタン「ラザー。そんなに辛かったなんて…心配出来てなくて悪かったな……」
ラザー「……クラッシュ…リタン…」
スティル「フレグダさんは私の命の恩人よ。バカとかそんな言い方するのは許さない。けど、アンタは私たちの仲間よ。不安になったらなんでも言いなさい!」
ラザー「……」
冷「ラザー。また何も分からないのにあんな言い方して悪かった…悪夢はすぐ無くなることはない。それはお前が人を殺めた罪と思え。」
ラザー「……罪…」
冷「…けど、俺達はお前のチームメイトだ。だから、お前の罪も、俺達の罪も、皆で抱え合えるんだ。だから、お前一人で無理はすんなよ……」
ラザー「冷…ありがとうな……」
冷「あぁ」
ダント「……ふっ、お前ら!今店の予約取ったから今日の夜はみんなで打ち上げに行こうや!!!その名も”おかえり会”!」
冷静な判断にかけてしまい己を悔やむ者……
改めて己の無力さに気づいた者……
初めて人を殺め、自分の罪に苦しむ者……
命の恩人の死を目の当たりにした者……
自分の弱点を本番で出してしまった者……
彼らはまだまだ若く、弱き者…しかし、”目標”を達成するために彼らはまた立ち上がり、戦い続けるのだ。
Chapter1~Here we go!~【-完-】
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〈ブロッサム2軍拠点【ラゾート】にて…〉
メラネ「今帰りました。クキョマ星のエネルギーは全て回収しましたが…?」
ベール「はやー!さすがですね!メラネ先輩!」
マスク「今回も脅しだけで勝てたんですか?」
メラネ「うん。だって戦うの嫌だし。」
ハーガルド「よくやったね、メラネ……君はとても優秀な人材だ。この量のエネルギーがあれば、クリスタル能力の原点…S(シード)クリスタルを作る事が出来る!!!!」
メラネ「Sクリスタル…?なんですかそれは?」
ハーガルド「簡単に言えばBクリスタルとFクリスタルの親だ。あとはシード族のDNAを手に入れてば…この宇宙で最強の組織に…!」
メラネ「シード族……まさか!?絶滅したんじゃ!?」
ハーガルド「いや、まだ生き残りはいるはずだ。何故かって?少数の星ではあるが、クリスタル能力の”もと”であるSエネルギーが溢れているとこがある。そして、そのエネルギーを作り出せるのはシード族にしか出来ないものなんだ。」
メラネ「そのSエネルギーがある星にはシード族がいると……」
ハーガルド「そうだ。だが、勘違いするな。君が今回手に入れたエネルギーは植物や動物に必要な成長エネルギーだ。それとSエネルギーはまた別物だよ。さぁ、これからもっと大変になるね……」
メラネ「………」
【次回】宝の持ち腐れ
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